2025/09/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 会員制Bar」にベアトリスさんが現れました。
ベアトリス > 仕事帰り。行きつけというほど馴染んでいるわけではないが──同僚曰く『口の堅い店』。

同僚がどのようにこの店を利用しているかについては追及はしないが、薄暗い店内、行き届いたサービス。
必要以上の詮索の言葉も視線もないそこは、仕事帰りの一時をぼんやりと過ごすにはちょうどいい場所ではあった。

当然、その環境を買うために必要なものはそれなりにはあるが、女にとってそれを手に入れるのは、可能な範疇だった、ということ。

間接照明の照らす、隅の席。
今宵はカウンターのスツールではなく、隅のテーブルと一席を選び腰を下ろしている。

給仕には軽めの酒精を注文し、深くソファに身を預けると一息。
目許を解すようにもみ込んで───。
見るともなしに薫衣草色の双眸が店の中をゆるく見渡した。

とはいえ席の位置、視線を遮るためのシェード、植物が上手に差配され、どの席も一定のプライバシーは保たれている。

鍵盤弾きの奏でる緩やかな曲調がさざめき程度の言葉のやり取りを巻き取り、その旋律に加えるようで。
顎を引くと、軽く足を組み。膝の上で両手を組んで目を伏せた。

結わえていない緑髪がさら、と肩を滑り、揺れ。

ベアトリス > ほどなくして軽めの──果実酒の水割りが届けられたなら、一度姿勢を崩し、受け取った。

たいして言葉もなく。チップと引き換えの淡々としたそれ。

テーブルに細いグラスを置いたまま、重たい頭を軽く傾けて。思考ともいえないような記憶の反芻をやり過ごす。
実際何かを考えていたいわけでも、考えているわけでもない。
日々、積もってゆくそういった物事の残滓を過らせ、そして振り落とす間が必要なだけ。

雑多な空間に身を置けばそのリセットもさほど苦ではなく───。

ベアトリス > ゆっくりと時間をかけてグラスを空にした後で───ひとまずは己に与えられた官舎の一室へと戻っていったのだろう。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 会員制Bar」からベアトリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にルーベルさんが現れました。
ルーベル > 絢爛な調度品、仄暗く明かりを落とされた室内。

顔のどこかを隠す仮面の着用を義務付けられた酒場は客が忍んでやってくる場所。

一応は立場などを忘れて酒精など楽しむ場として。
あるいはそれを建前としてここに着てはいない…ことにして、密やかな話や邂逅を行う場として。

素性明かすのは自他どちらからも勧められはしないが、それをして楽しむ者もいる。
逆に言えばそこらの機微は当人同士で間違わなければ店としては許容するという程度。

秘密の酒場…の風味を楽しむような場所。ゆえに門戸もそこまで狭くはない。
貴族以外でも使えるし、同じく仮面を着けた店員たちも臨時雇われのものなども多く。
平民や、冒険者、昼間は別の職に就くものなどいろいろ。

給金も場所柄か、一応は守秘をと約する故か、相応に良いらしく。

(…学生やら、金に困る貴族やらも給金につられるらしいのぅ)

自身も獣人めいた耳飾りのついた、顔の上部だけ隠す仮面を着けながら一席を使う老魔導師。
傍には店員が侍り、身体を触れられては愛想笑いを漏らし、酒を注ぐ。
そういうことまで含めたサービス内容でもあるのだろう。

誰ぞ知己が居たらそっと声をかけても良いし、気に入る店員を呼んでも…などと考えながら、注がれた酒精を口元に運んでいた。

ルーベル > その日は格別な出会いはなく。店の雰囲気と上等な酒精だけを楽しんで、その場を後にしていく…。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からルーベルさんが去りました。