2025/09/08 のログ
セニア > 悪趣味だ、の何だのとは言わない。
この辺りの、所謂ニーズにあわせてあるのだろうから。
無論、それが好きでやっているのかもしれないが、それを判断する手段はないワケで。

頬杖をついてぼんやりとそんな事を考えながら待つ事しばらくして、給仕がお待たせしました、と酒と軽いつまみを置き、去っていく。
ちらりとやはり服装を見られたが干渉はする事は無いのだろう。
さっさと次へと向かっていった。
こちらとしてはその方が有難い。
ちびり、と酒を煽る。

「……ちゃんと美味しいは美味しいんだな……」

一番安い、と言っても向こうの酒場の数倍はするであろう金額のものであって味は流石だった。
ただ酔えればよし、みたいなものでもないので飲みやすい。
しばらく滅多に飲まないであろうその美味しさに舌鼓を打つ。
折角頼んでいるのだから、楽しむのは楽しまないと損だろうと。

とはいえ、何杯も頼んで飲むほどの予算も無いが、時間を潰すような飲み方も出来ない。
そこそこ目立たないようにと頼みつつ、マスターが手すきの時を狙うつもりで。
マスターから何かしら聞くに当たって、変にケチったりなどしないで頼む方が話通りがいい事が多かった故。
軽く1杯目を飲み干し、次はそれよりかは少しばかり高いものを頼む。

セニア > しばしそのように頼み続けて、ゆっくりとお酒を楽しんだ後。
マスターが少しばかり手すきなようになったのを確認すれば、軽くマスターに話し始める。
といはいえすぐには本題を出さず、酒が美味しかった、どの産地の奴なのか?など辺り触り無くこの酒場の話から始めていく。
聞けばやはりこの酒場は色々な用途で使われる、と言うのがわかる。
直接的な表現はしないが口ぶりから大体は予想がつくもので。

「そうなると色々後が面倒そうですね」

一応口調はその場に合うよう丁寧に。
無論、マスターも笑って誤魔化すが、後始末やら何やら面倒なのは目に見えている。
時に、貴族であるからこそ、ネジが外れている事なんて吐いて捨てる程あるのだから。

軽く談笑しながら、少しずつこの場所や近隣などの話題を聞いていく。
向こうもプロだろうし、何か聞きたい事がある、というのはわかるだろうのでそれでも直接聞こうとはせず、回りくどく話を近づけていく。
これも兵士時代、色々経験した時に身に染みた事だが、とかく貴族とかは直接的な話をしたがらない。
回りくどく、暗に自分は困っている、という事を周りに伝え、察してもらう。
自分が直接それを望んだとは言わないように。
マスターがそうかはわからないが、そこはこの場に倣うべきだろう、という事で。

―――それを察したりして手を汚すのも面倒くさかったなぁ、とか昔を思い出しながらマスターとの話題を繋げていく。

セニア > ある程度話題も進み。
マスターとの話題もこの店からこの辺りの店事情などに移り変わってしばらくした所で。

「この辺の事余り詳しくなくて、○○の辺りって何、ありましたっけ」

メモにある住所近くの話題を出す。
直接的ば場所ではなく、近くさえわかれば後はどうとでもなる。
マスターは少し顎に手を当てて考えると思い出したのかその場所の事を話してくれる。
そこは聞けばなんてことは無い場所であり、ただ少しばかり入口がややこしい位置にある、とのことで。
頭の中で先ほど歩いた場所の事を思い浮かべて―――あの辺か、とアタリを付けて。
その後もしばらく別の話題で会話を続けて、お酒が丁度尽きたタイミングで。

「ありがとうマスター」

お金と、少しばかりのチップを払い、店を出る。
ここから先、縁があるとも思えないが―――覚えておこうと思い。
よし、と一つ呟き、聞いた場所へと歩き出した。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からセニアさんが去りました。