2025/09/02 のログ
グスタフ > 珍しい時間に、物珍しい衣装の美人がいて目を惹かれた。
こんな時間にテラス席で読書なんて、随分と余裕がある女性だ。
スタイルを強調する衣装もそうだが、見た目が随分と若い。
よくよく見れば手に取っている本も最近流行のやつだ。

「今晩は。こんな時間に読書かい?」

見咎めるように聞こえないよう、柔和な口調で話しかける。
声を掛けたのは下心からだが、一応本に興味もったように続けて。

「その作者、読みやすい文体で軽妙で推理小説なのに推理は本題じゃないんだよな」

知っている作者だったので、なんとなく話合わせに話題を振りつつ。
彼女のそばに来ると、いろんな視線が集まってくる。こんな美人に声掛けたら、そりゃそうか。
近くに来ると予想以上に若く見えて、少し滾った。
本を読み終えたあたりで声をかけたのは、読み終わるのを待っていたからだ。
しばらく談笑して、距離感を近づけ露骨に誘ってみる。

「……俺、グスタフっていうんだけど、この後暇なら、うちに来ない? 
 蔵書は少し自信があるんだけど――」

ファンフア > 「ええい、折角ここまで浸っておったというのに。真剣に推理した時間を――うん?」

内心高めに保っていたテンションがガタ落ちし、怒りと失望がないまぜになった嵐に変化しようとしていた矢先、声を掛けられる。
少しばかり不機嫌さを滲ませた声色、黒い瞳は男の様子を堂々と観察するように上から下まで舐め。
普段の女なら軽くあしらうところだったが、この時ばかりは作品への愚痴を吐いてでも口直しをしたい気分が勝った。

「うむ、その通りよ。そなたも知っておるのか……なに、本題ではない……? なんだ、そうか……そうだったのか」

推理を主題としないと聞かされて、毒気を抜かれたようにため息を吐く。
そのまま不完全燃焼感を抱えて腕を組めば、豊かな乳房がより一層強調されるかたちとなり。
しばらく話に付き合ったあたりで、男の真意に見当をつける。

「ほう、グスタフな……この余を誘うというのか、面白い。今は気分ゆえ、乗ってやろうぞ」

蔵書だけが理由だと思うほど初心ではなかったが、この気分を拭えるならば悪い誘いではなかった。
いざとなればどうとでもなる――とは考えつつも、笑みを深めて男に頷いて見せ。

ファンフア > 【移動いたします】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のカフェ・テラス」からファンフアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のカフェ・テラス」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリルアさんが現れました。
リルア > 「あちゃ~」

気の抜けた声である。
貴族の友人の家に遊びに行った帰り、小銭入れを忘れてきたことに気づいた。
自分と違って向こうは富者。なけなしの財布など盗むことも無いだろうが…

「明日返してもらうにしてもな~」

陽は落ちたものの、買い物して帰ろうと思っていた。
すなわち家には何もない。食べるものは勿論、飲み物も──せいぜい水くらいだろうか──
どうやって空腹をやり過ごすか、あるいは今日だけ他の友人のところへ転がり込むのもありか。
うーむ、と考えこむ。富裕地区の何の変哲もない道端である。
一応、治安という面でいえば他よりはマシだろうが。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からリルアさんが去りました。