2025/08/25 - 21:42~00:22 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 身分混合クラス 大教室」に篝さんが現れました。<補足:黒を基調とした制服/ベレー帽に赤いブローチを飾る/白髪赤眼/認識阻害の術で容姿を記憶に残りにくくしている>
篝 > 学院には多くの人間が通っている。生徒や教師は勿論、清掃員にコック、その他諸々含め大勢である。
その中で、全ての人間の顔を把握している者は、そうは居ないだろう。
何食わぬ顔で生徒の群れに紛れ込む者が一人や二人いても、きっと大概が気付かない。
特に、相手の記憶に靄をかけるような術を嗜む者の顔なんて覚えていられる方が稀だ。
あれ? 見たことないような、あるような……。気のせいか。
そんな違和感をねじ伏せ、少女は他人の目を掻い潜り納得させて学院を自由に歩き回る。
ラウンジ、食堂、庭園と回って、授業終わりの大教室をチラリと覗くと、生徒たちが続々と出てくるところに出くわした。
「…………」
一歩下がって道を譲り、出入りが落ち着くまで待ってから教室の中へ足を踏み入れる。
篝 > 魔術や、剣術、学問、色々なものを学べる場所。学院はそれくらいの認識しかない。
学院の歴史はかなり長く、ヴァリエール家と並ぶ程だと聞いた覚えがある。
裕書正しい貴族の多くがここに通い、優秀な平民にも学ぶ機会を与えるために在籍を認め、身分によってクラスが分かれている……と言うのを、今しがた知った。
噂では、単位欲しさに身売りする生徒がいるとか、逆に教員が脅して奉仕を強いるとか。
何処までが本当のことやら、信ぴょう性は不明だが――少なくとも、師は勤勉に働いているそうだ。
真面な教師と、不良教師の割合を今度調べてみようか。
……特に意味はないけれど、忍び込む際に注意するべき人物は見極められると思う。
「…………ん」
出入りが落ち着き、教室に残るは数人。
他愛のないお喋りに花を咲かせる貴族クラスのご令嬢方がいるが、その内彼女たちもお茶会へと向かうらしい。
話を盗み聞きしながら、教室の中を進み一番後ろの窓際の席に腰掛ける。
開けっ放しの窓から吹き込む生温い風が、白いカーテンを揺らし木漏れ日が差し込む。
篝 > 他の生徒は去り、教室には少女だけが取り残された。
しんと静まり返ったそこには、遠く、生徒たちの笑い声や、訓練に励む声が時折聞こえてくる。
今までに感じたことの無い不思議な心地良さ。この感覚を、少女はどう言葉にして良いかわからなかった。
命令をされたわけでもなく、特段理由もなく、こっそりと忍び込んで学院を歩き回り、観察し、幽霊のように誰にも気づかれずに一日を過ごす。
でも、確かに此処に己はいて――。
日が傾き出すまでの短い間、少女は一人、教室の片隅から運動場を眺めていた。
この感覚、感情を言い表す言葉は未だ見つからない――。
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 身分混合クラス 大教室」から篝さんが去りました。<補足:黒を基調とした制服/ベレー帽に赤いブローチを飾る/白髪赤眼/認識阻害の術で容姿を記憶に残りにくくしている>