2025/07/20 - 19:34~00:05 のログ
プシュケ > 最近は学院に通うようになった双子の姉。
当然新しく通い始めたりすると、出る杭は打たれるで色々されることもある。
でもその時事に復讐を観光するのはプシュケの役目だった。
役目、というよりもやっておかないとつけあがるからと反撃しているだけともいう。
「特殊の度合いは違っても、特殊は特殊よ。
特に私とアスティは特殊。」
一芸に秀でる教育方針、というだけなら特に特殊ではない。
だが、王族なのに、下手な騎士より強いとか、
あらゆる精霊と交流が出来るとか、
魔術の才能だけ突出しているとか、
まだ14歳なのに、下手な錬金術師や薬師よりも素晴らしい薬を作るとか、
あらゆるものの価値を色としてみて価値を看破するなどというのは、やっぱり特殊h特殊なのだ。
「ヴィティスコワニティがすごく特殊なのは、私もそう思うわ。
でも、程度の差を無視すれば、お互いに不思議なの。
……まぁ、不思議比べは置いておいて、そんな不思議同士の両家なのだから、
何かあったら頼ってもいと思うのよ。」
結局言いたいことはここ。
だから、続いた言葉にリュシアンを見つめて
「凄いと思うなら、その凄いをたよればいいのよ。
リュシアンも、私から見れば凄いわ。
だって、自分のことをよく見えているもの。
常には難しいかもしれないけれど、時には頼ればいいんじゃないかしら。
リュシアンが強くなるんじゃなくて、強いと分かる人に助けを求める。
繰り返していれば、落ち着くかもしれないもの。」
そして、今一度目を見つめ
「リュシアンが動いていけないなら、動ける人に手伝ってもらえばいいだけの話よ。」
と、言葉を紡いだ。
リュシアン > 「それはまあ、そうかもしれないけど」
それは果たして無視していい差異なのか。
少し頭が固い自覚はあるし、史学を専攻している者故の癖でもあるのかもしれないが、どうしてもそう簡単に提示されている情報をひっくり返すということが苦手であるからどうしても首を捻ってしまう。
けれど、言われたら言われたでわかるのだ。
若くして身を建てられるほどの一芸を持つ傑物を次々と排出する家門。
それは確かに外から見ていても確かに特殊だ。
少しだけ外よりも近いところに立っている自分から見れば、当主夫婦の確かな観察眼がまずあってのことだろうと簡単に想像がつく。
才能があっても、天賦の才があっても、そのことに気づける目がなければ見いだされることはない。
同時に、見出されたとて適切な教育環境がなければ才能は決して花開くことが出来ない。
才能と、環境と、運。
その全てが揃っているからこそ、特殊と揶揄される程の傑物が次々と育つ環境があるのだろうとわかる。
そして、その特殊さを理解している彼女もまた、イフレーアの生み出した才能の一つであると、彼女の在り様からはっきりとわかる。
「…頼っても、いいんでしょうか」
兄にも言われたことがある言葉。
だから自分が、何かを頼ることが苦手だという自覚もある。
色の違う瞳が僅かに揺れて、水面に落ちて、それからまた持ち上げる。
持ち上げたところで、金緑石のようなに輝く様な碧眼とかち合う。
自分の片方も緑だけれど、彼女のように燃え上がるような輝きは持ち合わせていない。
どこか脆く、罅に怯えて生きている自分にはないもの。
それが、同じように王族の、大家族の末っ子である自分と彼女の大きな違いの最たるところに思えた。
プシュケ > 「ええ、いいのよ頼っても。だって、私が頼られたいのだから。
頼られたいと思っている人を頼るのは、その人を喜ばせたいという気持ちと一緒でしょう?
だから、頼っていいのよ。」
リュシアンから向けられた言葉に返した返事はそれ。
彼が頼ることをためらう気持ちも分からなくはないのだ。
でも、自分は頼られたいのだと告げていく。
だからこそ、気にせず頼ってほしいのだ、と。
「リュシアンにはリュシアンのいい所があるもの。
だから、無理に強くなる必要はないと思うの。
もちろん、リュシアンが強くありたいと思って努力するのはとてもいいことだわ。
でも、そこに至るまでの時間、ずっと困っていなくてはいけないわけじゃないはずだもの。
だから、リュシアンが本当に困った、本当にしんどい。
そう思ったときは頼って頂戴。
折角同じ学院に通っていて、ちょっとの差異はあれど、きっと私達は似た者同士だもの。
もちろん、性格とか考え方とかじゃなくって……」
そう、一番似ていると伝えたいのは
「……ああいう連中の悪意が向けられやすいという意味では、似た者同士だもの。」
はっきりと言ってのけた。
困った連中が、自分やリュシアンが目障りだと思う以上、嫌がらせをされるのは止まらない。
だから、自分たちで連帯するために頼ってほしいのだ、という意図で。
暫しリュシアンの返答を待った後で、リュシアンの顔を覗き込み少しだけ悪戯っぽく微笑めば。
「そろそろ落ち着いてきたかしら?
落ち着いてきたのなら、そろそろ行きましょう。
プシュケの絶対見つからない帰宅ルート探索で。
リュシアンは、今日の残り時間はゆっくりした方がいいと思うわ。だから、ね。」
プシュケの瞳は心情をも価値として映す。
プシュケが一緒に行くのなら、悪意の存在は避けられるだろう。
だから、一緒に返ろうという誘い。
乗ればこっそりと、でもどこか堂々と、一緒に帰宅の途に就くのだろう。
もちろん、それが難しいと言われても、今からリュシアンが向かうべきところまでは一緒に向かうつもりだったが。
リュシアン > 「…その発想は、ちょっとなかったです」
文字通り、目から鱗が落ちたような気持だった。
頼られたい人を喜ばせる。
頼って申し訳ないと思うのではない。
一方的に寄りかかると考えるのではなくて、互いにメリットのある関係。
自分が頼ることが、彼女にとっては喜ばしいことだというのなら。
「……うん」
手の中の水の器を支える指先に、少しだけ力を籠める。
勇気を出すとか、そういったことはではない。
かといって、気持ちを入れ替えるなんて大それたことが言えるほど大人でもない。
今の少年の指先にこもる力が示すのは、確認の一言に尽きる。
家族以外でも頼れる人が、確かにいる。
独りで不安を感じながら無理に歩くことはないのだと、教わった。
悪意が向けられやすいことを互いに理解して、そのうえで。
だから、悪戯っぽく覗き込むその瞳を見ながら小さく頷いて見せる。
「じゃあ、プシュケさまも頼ってくださいね。
…あ、でも、僕なんかじゃあんまり頼りにならないかも…ですけど」
やっぱり強く出るのは苦手だ。
だから、自分で言っておきながら恥ずかしくて肩を竦めてしまう。
一緒に、と促されると色違いの瞳がまた驚いて瞬いて。
けれど、少し考えるように視線を巡らせて小さく頷いた。
頼れる時には頼る。
今は頼りがちになってしまうけれど、いつかはお互いさま、持ちつ持たれつにできるように。
水の器を空にしたらゆっくり立ち上がって手を差し出す。
一応は男子としての教育を受けているから、レディを前にしたら手を差し伸べるのは当然のこと。
けれど、部屋を出たならばきっと一瞬の紳士としての振舞いも怯えの前に消えてうのかもしれないが、きっと目を瞑ってくれると信じていた──。
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院/雑庫」からプシュケさんが去りました。<補足:背中くらいまでのブロンドと碧色の瞳を持つ美少女>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院/雑庫」からリュシアンさんが去りました。<補足:容姿は名簿参照/やや寄れた学院の制服/>