2026/02/08 - 01:30~02:02 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 庭園・温室」にミルフィオリさんが現れました。<補足:桃色の髪/薄氷色の瞳/トランジスタグラマ>
ミルフィオリ > 柔らかな日差しが硝子越しに降り注ぐ、昼下がりの温室にて
光を受けた花々の陰が、静かに濃さを増していく其の頃合い、
少女は小さな丸テーブルの前に椅子を引き寄せ、腰を下ろしている。
その台の上に置かれるのは、小さな硝子瓶。
瓶の中には、淡い色合いのキャンディが幾つか。
桃色に、蒼色、白色に、橙色、そのいずれもが魔力の結晶体。
術を行使する為のタクトを手に取り、静かに深呼吸をしたのち
――魔術の詠句を紡ぐ。
「――――《CΔNDY・LΛP》」
触媒である、タクトの先。魔術触媒である宝石が、煌めいて。
輝きと共にそれは、小さな結晶へと形を変える。
――魔力の結晶の顕現、甘い香りを纏って生まれた糖結晶。
其れを固定させるため、魔法の包装で優しく包みあげる。
両端をきゅっと絞れば、ころりと。小さな音を立てて瓶の中へと納めて。
これは日課。
溢れすぎる魔力を、糖結魔法で封じて調整すること。
怠れば、溢れた魔力が何からしらの形となって現れてしまうから。
――だから、どれだけ忙しくても欠かさない。
ミルフィオリ > 「……今日はちょっと多いかも?」
瓶を手に取って、軽く振るう。
詰められた糖結晶同士が触れあって、からんからん、と音が立つ。
見た目からして、甘味を彷彿させるのだけど―――
どうにも、味はその時の感情に左右される様で。
嬉しいときは甘く。
悲しいときはほろ苦く。
寂しいときは甘酸っぱく――等。
此れは、誰にも伝えてない自分だけの秘密。
知られてしまえば、手の内を明かした様なものだから。
「―――魔力まで正直なんだもん。 ……ちょっと困っちゃうよね。」
ぽつと、誰も居ない温室で呟きつつ、瓶の蓋を閉めて大切そうに抱えた。
――昼下がりの温室で甘い魔力がこうして一つ、積み重なっていく。
ミルフィオリ > 「―――……万愛節かぁ。」
この時期となれば、『恋の相談』が学院中を駆け巡る。
甘い魔法を行使する少女が槍玉に挙げられるのは毎年の事。
どんな菓子選びが良いか、恋文の内容何かも打ち明けられるものだから
如何しても意識が其方に傾いてしまう。
「……あたしは、そんなに甘くないんだぞ、っと。」
どれだけ糖結晶が甘くても、
どれだけ見た目が甘くても、
本人の心までは、甘くないのだ。
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 庭園・温室」からミルフィオリさんが去りました。<補足:桃色の髪/薄氷色の瞳/トランジスタグラマ>