2025/11/29 - 14:50~15:41 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 教練場・運動場」にシトマさんが現れました。<補足:149cm43㎏/金髪ショートに青眼/修道服姿>
シトマ > 予鈴が鳴り始業に向けて学院の運動場に集まる学生たちは騎士や兵士を目指す学科の生徒たちであり、皆若者ながらよく鍛え上げている。
始業の鐘が鳴るとそんな精悍な彼らの表情は緊張で一気に強張った。
彼らの中には先輩たちや先に受講した級友たちから、この授業が「生き地獄」であるという噂を聞いている者たちがほとんどである。
彼らの目の前にゆっくりと歩を進めたのは、小柄で温和そうな修道服姿の少女である。

「コホン…。えー、皆さんこんにちは。今日の格闘術を担当します、外部講師のシトマです。」

学生たちの視線を受けた彼女は、少し緊張しながら語り始める。

「皆さん他の授業の中で武器の扱いを学んできたとは思いますが、戦闘において武器を使えない局面も必ずあります。なので体術を学ぶ意義は極めて重要で…」

まるで誰かに原稿を書いてもらったかのように堅苦しい言い回しで他人の言葉のような講釈をしながら目を泳がせる彼女に、学生の中にはこんなポンコツそうなシスターが噂通りの良きぢ語句など作り出すはずもないだろうと疑い始めるものも現れ始めた頃合いだった。

「…と、長話はここまでにして…早速始めましょうか。実践あるのみです。まずは皆さんの現状が見たいので乱取りをしましょうか。左の生徒から一人ずつ、私にかかってきてください。」

長話を終えると、少女は構えを取った。
最初の生徒は受講生の中でも筋骨隆々の大柄で、こんなちっぽけな修道女如きに後れを取るはずがないだろうという自信に溢れた様子で前に出る。
…そしてここから、この授業における最初の地獄が始まるのであった…。

シトマ > 「あなたは気の廻りと体の動きがあってませんねぇ。…はい、お次の方!」

彼女に挑みかかる生徒たちは渾身の体術を繰り出すも簡単に避けられ防がれる。
そしてたった一撃。それも手加減をしているのがあからさまなほどの軽い一撃を受けただけで生徒はダウンし呻きながら苦痛に悶える。
すでに数人の生徒が地に伏しており、彼らを伸してなお修道女は息切れ一つせず次から次へと生徒を相手取るのであった。
生徒たちは自尊心をへし折られ、そしてただの軽い正拳を食らっただけとは思えないほどの重いダメージを負っていく。これが地獄の入り口である。

「ふぅ、これで皆さんの現状が把握できたわけですが…。皆さん総じて肝心の心技体が一致してません。なのでまずは体術の基礎、身体の動かし方から学んでいきましょう。さ、休憩は終わりです。」

全ての生徒を伸した後でようやくホッと息を吐いた少女は手をパンパンと叩いて生徒たちを立ち上がらせる。
そしてにこやかな笑顔を浮かべると修道服の下から得物である分銅鎖を取り出した。

「次は遊びながら楽しく学んでいきましょう。みんな大好き鬼ごっこです。私が鬼をしますので精一杯逃げてください。極限状態になるほど心技体は磨かれると聞きますので皆さんが本気になれるよう、私も全力で追いかけますから。」

楽しそうな笑顔をみせる彼女が分銅鎖で軽く地面をたたくと、それだけで地は抉れ、運動場が少し揺れるほどの衝撃である。当たったら軽いけがだけでは済まないだろう。
今の今まで地に伏していた生徒たちは皆青ざめ、彼女がゆっくりカウントダウンを始めると一目散に立ち上がり逃げだした。
少女も手加減しているとはいえ、追いついた生徒たちに容赦なく分銅鎖で足元をすくい、正拳の一撃を加えては次の生徒を狩りにいく…。
運動場はまさに阿鼻叫喚といった様相であった。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 教練場・運動場」にルーベルさんが現れました。<補足:リミット眠気まで/後入り、別部屋・別シチュ移行、私書での呼び出しなどいずれも歓迎>
ルーベル > 受け持った講義が終わり、学院内に構えられた自身の研究室に戻ろうかというとき。
ちらりと見えた運動場での、生徒たちの悶絶姿が目に入る。

随分と厳しい指導をしているものだ、と。
自身の現役のころも容赦ない先達たちに心身ともに鍛えられたものだとも思い、興味本位で覗きに近づく。

そこに居たのは外部講師の修道女。
年若くも格闘術を修め、従軍経験もあるという女性。
小柄な身体からは想像できない、膂力か技術か。彼女よりも大きな体の生徒も厳しく指導されるのが見えて。

「ずいぶんと酷…いや、しっかりとした教練ですなぁ」

生徒を追いかけまわしている修道女が自分の近くを通る際に声をかける。

それで彼女が足を止めるのなら、生徒たちには救いにもなるだろう。
実際幾つかの視線は現れた別の講師に、彼女を止めてくれるのではという期待の視線も向けている。

それらの視線に曖昧な笑みを浮かべ。
修道女を見ては、明確に笑みを深める。

見た目からは考えられない分銅捌きを見せる修道女は、その細身の体躯の割に服の下からも解る女性的な体つき。
垣間見える肌も随分と美しく、若々しく見えて。
それについ、暗金の瞳細めながらに笑んでしまうのが、怪しく見えるか、親し気に見えるか。

シトマ > 運動場の阿鼻叫喚は壮年の男が彼女に話しかけるまで続いていた。
途中でリタイアした者も多数現れ、最後まで生き残った生徒たちも疲労困憊で逃げきれなくなった頃合いであったこともあって、ようやく彼女は分銅鎖を納めた。

「ええと…あなたは確か、魔王討伐の…?」

こちらに話しかけた男の魔力のプレッシャーを感じ、またその見た目の特徴には彼女も覚えがあったらしい。
生徒たちに休憩を告げると分銅鎖を納めぺこりと頭を下げた。

「すみません、少し騒がしくしすぎたようです…。遊びながら楽しくと思っていたのですが、皆夢中になったようで…。」

微笑みを浮かべ親しげに話しかける彼に対して好感はあるようだが、教鞭を振るう者から授業中に話しかけられたのだから苦言を呈されるのだろうと少ししょんぼりとしてしまう。

ルーベル > 運動場のあちらこちら。
脱落したのだろう若者たちが幾人もぐったりとしている。
そこを追い立てないのは優しさか、あるいはまだ動けるものを徹底的に追い込むほうにしたのかと。
わずかに苦みを浮かべる笑みは、たしかにやりすぎの講師へ何か言うようなふうにも見えるかもしれず。

「討伐の話も随分古いものでの…とはいえ知ってもらっているのは光栄というべきか」

相手がこちらを見知っていると思えば、笑んだまま頷いて肯定し。
彼女に追い立てられていた生徒もその場に崩れ落ちては、休憩の声に息を切らしているのが見える。

「遊びながら、楽しく…のぅ…ふむ。少々たしかに張り切りすぎたようだの。
 良ければ少し彼らに休憩と、自主性を促すよう自習させる合間、私の研究室でそなたも休まれぬかの?」

授業中、その場を離れることを彼女が良しとするかどうかとも考えながら。
生徒たちのことを考えて、と、もっともらしい言い訳を用意しつつ、自分の研究室にと誘う。

好々爺とも見える笑みを浮かべながらの言葉は、この場をいったん離れて静かにせよという苦言にも。
彼女と生徒のことを思っての申し出のようにも、どちらとも聞こえるかもしれず。

シトマ > 「戦場に立った者の間では英雄として語り草ですし。私もお会いできて、ご挨拶までさせていただけてとても光栄ですよ。」

僅かな苦笑も交えつつも好好爺とした態度の男に笑みを返す。
彼の英雄としての側面を知り、敬意を持っている彼女は男の提案を聞くと、そこに苦言の意も籠っていることに気づきその提案を受け入れた。

「そうですね、自発的に修練を重ねるのも意義がありますからねぇ…。では皆さん、心技体を揃えた動きの感覚もつかめてきたでしょうし、身体を休めた後は各々で掴んだ感覚を意識しながらの自習といたします。では、また次回の授業で。」

彼女の言葉に生徒からは安堵のため息と男に対する謝意の眼差しが向けられた。
彼女もパタパタと修道服の土埃を払い、男についていくのであった。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 教練場・運動場」からルーベルさんが去りました。<補足:リミット眠気まで/後入り、別部屋・別シチュ移行、私書での呼び出しなどいずれも歓迎>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 教練場・運動場」からシトマさんが去りました。<補足:149cm43㎏/金髪ショートに青眼/修道服姿>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 教練場・運動場」にシトマさんが現れました。<補足:149cm43㎏/金髪ショートに青眼/修道服姿>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 教練場・運動場」からシトマさんが去りました。<補足:149cm43㎏/金髪ショートに青眼/修道服姿>