2025/08/29 - 21:51~22:54 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 水練場」にエリビオさんが現れました。
エリビオ > 水面に差し込む陽光が揺れ、青い波紋が天井まで届いていた。
その真ん中で――静かに浮かんでいた。

黒髪は濡れて頬に貼りつき、切れ長の瞳は水面に反射する光を追う。
やがて息を整え、水面を軽やかに割って泳ぎだす。

「……ふう。やっぱり水の中は、いいな。」

言葉は小さく、けれどどこか恍惚とした吐息を含んでいた。
泳ぎは得意だ。水を抱くように腕を伸ばし、指先で流れをすくい上げる。
その一挙手一投足に、波紋が幾重にも広がり、空間全体が彼の軌跡を映し出す。

「泳ぐのは魔法と同じ。力任せに動かず身を預けて溶けこむように動く。」

水しぶきが虹色にきらめく。その様に濡れた黒瞳が妙に艶めいていた。

やがて水面に仰向けになり、両手を広げて静かに漂う。

「……俺ひとりが泳ぐだけじゃ物足りない?大丈夫、今年は暑いからもう少しプール開きが続くさ」

語る声は浸るプールへ。水の精霊の声など聞こえぬが、それでも語らうように、誘うように、手のひらで水をすくい、そっと放つ。
淡い波が、仰向けになる体を中心にゆらゆらと広がっていった。

エリビオ > 天井を見上げたまま、静かに息を吐いた。
水面に浮かぶ自分の影が、揺らぎながら形を変えていく。まるで別人がそこにいるようで、思わず笑ってしまった。

「……水って正直だな。力を入れすぎれば跳ね返されるし、気を抜けばすぐ沈む。俺たち人間よりよっぽど気難しい。」

指先で水をはじけば、飛沫は光を受けて小さな宝石のように砕け散る。
その煌めきに一瞬目を細め、ふっと瞼を閉じる。

「でも、だからいい。難しいほど夢中になる……魔術と同じさ。」

体を傾けると、水面がざわりと揺れて小さな波が広がる。
仰向けに漂ったまま、掌を伸ばして――誰もいない空間に、軽く水を跳ねかけた。
返ってくるはずのない水音を想像しながら。

「……ま、今日は俺ひとりで贅沢に使わせてもらうか。」

黒髪を濡らしたまま、ゆっくりと水に沈みこんでいく。水面が閉じ、光が淡くゆらぎ、耳に届くのは自分の鼓動と水音だけ。
その静寂さえも、まるで対話のように心地よかった。

エリビオ > やがて肺が酸素を求めて疼き水面を蹴った。
――ぱしゃり。

光の世界に顔を出すと、冷たい空気と共に笑みがこぼれる。
「……ふぅ。いい気持ち。」

それでも、黒い瞳はどこか愉快そうに揺らしてプールサイドに瞳を向ける。
プールの縁へ泳ぎ着くと、濡れた髪を手櫛でかき上げて水滴を散らした。
そのまま更衣室へと歩み消えてく。
残された水面はまだ、彼の軌跡を映すようにきらきらと揺れていた。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 水練場」からエリビオさんが去りました。<補足:黒のスイムウェア>