2025/08/03 - 23:01~00:16 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 ラウンジ」にオルヴィさんが現れました。<補足:銀髪紫瞳のエルフ/制服姿/ショートソード装備/鞄/試運転中>
オルヴィ > 思ったより時間がかかってしまった。かけさせられてしまった、というのか。
部活の手伝い、なんてやるものではない。
ただ働きなんてするつもりはないけれども、元々人手が足りない部活なんて意味があるのかないのか。
いかにもな貴族のお坊ちゃんが主催する歌劇部、それが近日行う発表会なるもののの準備を頼まれてやって。

――あれが出来るから、これも。
――此れも出来るようなら、ついでにそれも。

声をかけられ、ラウンジのデザートのチケットを報酬の代価として受けてあげていたら、頼まれて。

「……――疲れた」

夕刻を過ぎて夜を迎えようとする王立コクマー・ラジエル学院のラウンジ、そのテーブル席で突っ伏する姿が零す。
おかっぱ風に整えた艶やかな銀髪がさらさらと零れ、天を向く耳の先がぴこぴこと揺れる。
むくりと顔を起こし、言葉通りに疲れた顔を見せるのは小柄なエルフの少年で相違ない。
黙っていればそれなり以上に見れる顔でも、心底疲れ果てたという有様を見せていれば、曇りもする。
制服のポケットを漁れば、取り出す紙片はラウンジで使用できる食券(チケット)のそれ。
貴族や王族の子弟がこぞって買い求める高級デザートも無料で食べられる、という類のもの。

(どうしよ……)

今使うか。使わざるか。休息がてら手近なラウンジに来たのは良いが、使い処は今が正しいのか。
突っ伏したまま、顔の前まで運んでぴらぴらと揺らす。使うなら早めの方が良い気がしてならない。

オルヴィ > (んー……)

考える。寮に戻れば食事はあるだろう。食事が無ければ適当にどうにかする。
それが出来ることが当然のような生活をしている。小遣いという雑費を稼ぐには、それ位出来て当然だ。
学生同士でも、次第によっては割合高額で取引されているような品を手元に置いているとどうなるか。
カツアゲなんてされたことはなくとも、される気もなくとも、無遠慮無思慮に鞄を漁られるようなことは避けたい。
だからと言って、此れを誰かに高値で売り付けるというのも――なんか違う気がする。

「仕方ない。……使おう。何かあったかな」

ぽつと零し、ばっとバネ仕掛けの人形宜しく身体を起こす。
目元を擦る仕草は寝起きの猫が顔を洗うさまにも似て。ふわりと欠伸しながら、昨今の流行りのメニューを思い出す。
座る椅子の足元に鞄を置き、ラウンジに併設された厨房のの注文口の方まで歩む。
食券が対応しているのは、デザートのみに限らないらしい。
食べて育つかどうかが昨今どうにも怪しいが、食える時にちゃんと食うべきなのは、親から言い聞かせられている。
粗食が美徳――というのも、何かせせこましくて好きじゃない。食べたいときはしっかり食べたいのだ。

「……あ。オムライス定食と、季節のベリー添えのクリームチーズケーキと、紅茶。支払いは此れで大丈夫?」

目についた処で気になったものを、食券を引き換えに纏めて頼む。ゴルトでの支払いは……無さそうだ。
少し待っていれば、頼んだメニューがまとめてお待ち!とばかりにトレイに乗って出されてくる。
それを抱え、零さないように気をつけながら、キープしておいた席に持って行こう。

オルヴィ > 時間も時間だ。ラウンジの人気が全くなくなったとは言えないが、夕飯を他所に求める学生も多いだろうか。
寮の食事がまずい、という舌が肥えた(自称)お貴族様も今の住まいの寮には少なくない。
それならわざわざ寮に住まう意味はないのではないか。話を聞くたびに都度、そう思わずにはいられない。
だが、親の意向?なるものがあると、仕方がないのだとかなんとか。つくづく知ったことではないが。
取り敢えず朝晩の食事がどうにかなるなら、それでも御の字だ。今の暮らしで家庭の味なんて求める気もない。

「……えーと。ああ、ライスだからスプーンで食べれば良いのか」

見事な卵黄色のオムレツで炒めたコメを包み、赤い果実から作った調味料を掛けたのだとか何とか。
品書きに添えられた内容を思いだす。兎に角パンとか他に追加で頼む必要は、きっとなさそうだ。
食が細い認識はなくとも、あれもこれもとばかりに頼みに頼んでかっ喰らうのは無理だ。吐いてしまいそう。
オムレツ自体は初めてではないが、このような仕立ての作りの料理は初めてで。添えられた銀色の匙を見れば、嗚呼、と食べ方を悟る。
食前の祈りの所作はない。とりあえず、ン、と顎を引いて頷き、まずは一口。もう一口。味は思ったより悪くない。

菫の花弁の色に似た双眸を、小さな驚きに見開きつつ、食べてゆく。
一人の食事自体はいつものこと。慣れてもいるし考えたこともあまりない。黙々と食事を進める。

オルヴィ > 兎に角量に任せずにおいて正解だった。
冒険者の酒場などに行くと、ただ量!ひたすら量!と言わんばかりに大盛りが出るが、あれは駄目だ。
味が駄目、というわけではない。同じ金額でも味を落として兎に角量とばかりに、どかんと出てくるものが難しい。
こう言う点を素直に申告すると、先達の冒険者からは食が細いなと呆れられるわけで。理不尽なものだ。
ちゃんと身体が育って、父親等のようにひょろひょろでも上背でもあればまだ善かったのかもしれないけれども。

「ん」

文句を言っても仕方がない。メインの食事は程よい量で、実質金を出していないだけ気軽に食事を進められた。
茶で口の中を濯ぎ、いわば本命のケーキを見てフォークを構えよう。
賞味期限は今日限り、と言わんばかりの有様が此処に在る。冷やされた生地に乗った果実等と、どれもこれもが安くなさそうだ。
ぱくり。……こんなものだろうか。だが、自分で作れるか?と言われると、此れが難しい。
再現性は指定された材料を高品質に揃え、レシピ通りに作れるかどうかで決まる。安い材料で遜色なく出来るなら、それはオリジナル以上だろう。

(……僕に作れそうにないなら、旨い、かな。悪くはない気がする)

首を傾けつつ、内心にそんな感想を漏らしつつ、黙々と食べ終える。
食べ終えて茶を含む姿で耳が揺れるのは、まあまあ満足した、という処だろうか。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 ラウンジ」からオルヴィさんが去りました。<補足:銀髪紫瞳のエルフ/制服姿/ショートソード装備/鞄/試運転中>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にカグヤさんが現れました。<補足:画像参照願います。>
カグヤ > 茜色の陽射し差す図書館。日焼けを特に嫌う場所のため既にカーテンは締められ人工的な明かりが部屋を照らす。
授業を終えて、涼を取りに立ち寄っていた生徒たちも、徐々に食事や級友との待ち合わせで去って言った。

残り数人のみ、となったその図書館、元の位置に返却せずに残された本を台車に乗せて戻してゆく。
高い位置にあるものは脚立に乗りながら、何度も何度も上り下りを繰り返すのは少し骨のある作業。

しかも、そんな作業中に限って、昔探していた本を見つけてしまうのだった。
乗ってはいけない脚立の天板に両足を載せて、手にした本をそのまま開く。
本人的にはただの立ち読み、そんな気分なのだろうけれど、傍から見れば危険極まりないもの。
東方の国の歴史について書かれた本は興味を引く内容が多い。この国でも時折見掛ける奇異な格好をした人物達のルーツ。
それを知るというのは知的好奇心を満たすには最高の素材。

「神や統治機構がこうも違うなんて……、やはり国も違えばルールそのものが変わるのね……。本当に興味深いわ。」

一神教と多神教。後者等普通諍いの種であるはずなのだが見事に調和していた。
王政や帝政、法律などの違いも書かれていたが、流石にそこまでの理解には及ばず……。

カグヤ > 結局、生徒が全員帰宅するまでに寄り道のせいで仕事は終わらず。
読みふけってしまった司書は時間になっても帰れぬ自業自得を味わうのだった。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からカグヤさんが去りました。<補足:画像参照願います。>