2025/08/28 - 22:24~23:29 のログ
エリビオ > 天井を見上げたまま、静かに息を吐いた。
水面に浮かぶ自分の影が、揺らぎながら形を変えていく。まるで別人がそこにいるようで、思わず笑ってしまった。
「……水って正直だな。力を入れすぎれば跳ね返されるし、気を抜けばすぐ沈む。俺たち人間よりよっぽど気難しい。」
指先で水をはじけば、飛沫は光を受けて小さな宝石のように砕け散る。
その煌めきに一瞬目を細め、ふっと瞼を閉じる。
「でも、だからいい。難しいほど夢中になる……魔術と同じさ。」
体を傾けると、水面がざわりと揺れて小さな波が広がる。
仰向けに漂ったまま、掌を伸ばして――誰もいない空間に、軽く水を跳ねかけた。
返ってくるはずのない水音を想像しながら。
「……ま、今日は俺ひとりで贅沢に使わせてもらうか。」
黒髪を濡らしたまま、ゆっくりと水に沈みこんでいく。水面が閉じ、光が淡くゆらぎ、耳に届くのは自分の鼓動と水音だけ。
その静寂さえも、まるで対話のように心地よかった。
エリビオ > やがて肺が酸素を求めて疼き水面を蹴った。
――ぱしゃり。
光の世界に顔を出すと、冷たい空気と共に笑みがこぼれる。
「……ふぅ。いい気持ち。」
それでも、黒い瞳はどこか愉快そうに揺らしてプールサイドに瞳を向ける。
プールの縁へ泳ぎ着くと、濡れた髪を手櫛でかき上げて水滴を散らした。
そのまま更衣室へと歩み消えてく。
残された水面はまだ、彼の軌跡を映すようにきらきらと揺れていた。
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 水練場」からエリビオさんが去りました。<補足:黒のスイムウェア>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 庭園・温室」にルーベルさんが現れました。<補足:リミット眠気まで/後入り、別部屋・別シチュ移行、私書での呼び出しなどいずれも歓迎>
ルーベル > 学院の一画。
王都近郊ではあまり見られない植生も見ることができる庭園。
学外にも開放されている其処には多種多様な庭園がある。
その温室の一つで、いくつかの草花を前に記録用紙広げて何事か書き込む講師が一人。
ある意味色々都合もよい学院に自身で使える温室を構えている魔導師貴族は、
半ば自身の研究のために講師を務めているような側面もある。
そして、講師という立場も、貴族と言う立場も、学院でその研究を進めるための被検体を釣るにこちらも都合が良い。
もちろん餌が無くては釣れるものも釣れない。
男にとってだけでなく相手にとっても、報酬、成績や貴族への伝手など益もあるようにしてもいて。
「ぬ、む。…最近籠り切りだったからのぅ…」
魔族の国由来の植物を植えた場所を眺めながらにふむぅ、と唸る。
記録用紙を置いては、腰に手を当て伸ばすように背を起こし、関節を解す。
研究室に籠る日々はこういう弊害が起こりやすい。
何をするにしても体は資本でもあるから、対魔族の前線を退いても体力の維持は心がけているが、
寄る年波というものは、どうしてもあるもので。
特に腰は"色々な意味で"酷使もする。またぞろ温泉に逗留に行くのも良いかもしれないと思案しながら、一つ息を吐いた。