2025/09/03 のログ
ファンフア > 「……ふぅむ」

ゆるゆると扇ぎ続けていた手が、不意に止まる。湯上がりの熱気も冷めて少しばかり肌寒さを感じた。
窓の外からは虫の声が響いているものの、今のところ他の利用客の気配はなく。
そろそろ部屋に戻るのもありだが――女の細い指が思案するように顎先に添えられ、少しばかり。

「いや、折角だ……もう少しばかり楽しもう」

この雰囲気を存外に気に入っていた。直ぐに帰るには惜しく思えて、籐椅子から腰を上げる。
団扇を置き、休憩所から岩風呂の際まで歩むと浴衣を寛げ、豊かな乳房から艶めいた曲線を描く尻まで裸体を晒す。
暑さが引いた夜気とかすかな風に心地よさを覚えつつ、そのまま浴衣を濡れない場所に置くと、湯に足先をつけて。

「ん――ふぅ、ぅ……ああ、やはり良いものだな、たまには露天というのも……」

一息に肩まで浸かると、全身から力を抜いて浮力に身を委ねることにする。
自然と漏れた吐息が静けさの中、かすかに響き。

ファンフア > 風呂の縁を枕代わりに首をもたれ掛けさせ、湯けむりをぼんやりと眺める。
後は何をするでもなく、心ゆくまで楽しむのみ――。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」/離れの湯」からファンフアさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にネクタルさんが現れました。
ネクタル > 夜も更けたと言っていい時刻――

つるりと磨き上げられた木張りの湯船に大きな体をざぶりと沈み込ませた。
湿った髪をかきあげて固めて、これまた大きな腕を広げて縁へ預けて寛ぐ。

そうだ、今日はゆっくりと湯に浸かろう。
そう思って繰り出した温泉旅籠に、ひとりのさみしい夜という訳ではない。

自分が見初めた学院生徒。或いは、学院関係者。
一緒に寛ぐ一晩はどうかと微笑みかけて、みっちりと魅了の眼を見つめてもらって。
教師と生徒『秘密の恋人』、はたまたこれから仲良くなろうという浮ついた関係、はたまた割り切ったワンナイト――
ともあれ、快く、連れ合ってもらって。

「――――はあ……いい湯だよ、はやくおいで?」

湯船の中から、今夜の連れ合いへ声を向けた。
一晩の宿には些か贅沢な露天風呂付き客室だ。

ネクタル > 旅籠の夜はしっとりと熱を帯びて、更けて――
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からネクタルさんが去りました。