2025/08/23 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」に射干さんが現れました。
射干 > 一夜明け、少し仮眠を取ってから訪れた旅籠屋。
一番安い部屋だったけれど、それでも大半の湯は使えた。たっぷりと其の湯を堪能して少し逆上せてしまったと、自らの医者の不養生を笑い。
今は畳の敷かれた休憩所で横になっていた。

昼食も終わり賑わいが収まったその場所で、また仮眠でも取ってしまおうか。そんな甘い誘惑に駆られながら……。

「部屋に──、戻るのも億劫だなんて……。本当に自堕落だなぁ。」

自分に向けてそんな呟きを零した。
湯上りに買って来た瓶のジュースも、半分を残して近くのテーブルに置かれたまま。脱力感に身を任せて目を閉じる……。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にピーターさんが現れました。
ピーター > 「うーん……湯は良いんだけどなあ、湯は」

浴場から休憩所へ、少年がひとり歩いてくる。
些細な事から旅館の利用券を手に入れたので、息抜きと魔力補給も兼ねて訪れたのだが。
混浴と聞いていた浴場はほぼ利用者は居ないし、完全に出端を挫かれた形となって少し不満げ。

「お風呂でナンパは失敗したから、今度は休憩所で……って」

やってきた休憩所はまたしても閑散としており。
今日はどうにも機運が悪いのか、と呻きながら頭を抱える始末。
もう部屋に戻って不貞寝でもしてやろうか、と思った矢先、テーブルの陰から足が覗いているのに気が付いた。

「ん? ……誰かお眠だったり……?」

ワンチャン女性であれ、と祈りつつ横たわっている女性へとひょこひょこ近付いていく。

射干 > もぞり、うとうとと舟をこいでいる女は寝返りを打つ。
特に大きな音もしない、掛けられる声もない。
そんな快適な空間だからこそ、普段仕事場では何時急患が来るかしれない緊張感もあって、それから解放されたからこその無防備さ。

「んっ……はぁ──。」

気だるげな感覚に、側臥位で身体を丸めてからもう一度仰向けになりぐっと伸びる。
霞がかった意識の中、うっすらと瞼を開いたところで映る物はただの天井。
普段ならば気づいていただろう近づいてくる小さな存在に、結局最後まで気づく事はなかった。

ピーター > 誘われるように傍までやって来る少年。
途中から足音は抑え、息も押し殺してそーっと様子を窺うように覗き込む。
その視線の先には、畳の上で心地良さそうに微睡む女の姿があった。

(わお、ビンゴ♪)

浴衣に身を包んでいても判る凹凸のある肢体は無防備に横たわり。
艶めかしい鼻声と共に体を伸ばす姿はまるで誘っているかの様で。
当然向こうにそのつもりは無いのだろうけれど、これに惹き寄せられなきゃ男じゃないわ、と生唾を呑んだ。

さてどうやってお近づきになろうか、等と考える暇もなく。
反射的に匍匐の態勢取ると、静かに這って近付き始める。
青年姿なら珍妙極まりないが、今は幼気な少年姿だから誰に咎められる心配もない……はずだ。
ともあれ、周囲の目など初めからほぼ無い様なものなので気にせず、ふんすふんす、と意気込みながら女へと肉薄すべく接近するピーターだった。

射干 > 見上げた天井、そして疲れを引き摺っていたのかどうにも鈍い手に足に、力を籠めるよう膝を立てて、手は指を絡めて握ると腕を伸ばして逸らせるように突っ張った。

そのまま、再度猫が伸びをするように、とはいかないが、立てた膝はそのままに地面を踏み、腕を引っ込めて全身に力を入れるようにして伸びた。
立てた膝のせい、浴衣ははだけて何一つ布地の無いその奥を晒す。
が、流石にそこまで身体の調子が戻ってくれば、流石に畳に伝わる振動、衣類の擦れる音に気付いて、膝を立てたまま身を起せば、そこに這う虫が1匹……。

「────何か、言い訳はあるかい?」

そう、両ひざに自らの腕を載せて小さな子供相手に詰問を。

ピーター > 「……ふにゃ」

再び女が動き、その身を再び伸ばす。
艶めく肌がはだけて覗き、その光景に鼻息も荒くなろうというもので。
……が、その所為か此方に気付いた女が身を起こせば、流石に接近を止めた。

「……えへ、気付かれちゃった。
 あんまり気持ちよさそうにお昼寝してたから、一緒にお昼寝しようと思ったの、ごめんなさい」

此方を見降ろす形で問う女へ、悪戯が見つかったかの様に身を竦ませてバツの悪そうにはにかみ笑いを浮かべ。
実際のところまだ何もしてないけれど、素直に謝罪を述べた。
一応保険として印象悪化を防ぐ程度の魅了の光を、その瞳に宿しつつ。

射干 > はぁ、とため息を深くついた。特段嫌がる素振りもしない代わりに、まったく、と言葉を零してから。

「それにしたって、近づき方ってもんがあるだろ? 君のやってる事は変質者のそれじゃぁないか。」

子供らしく振る舞う彼に、チクリと刺す釘。この街では子供のようでそうでない存在が幾つも居る事は知っていたから。
膝を崩して座りなおすと、改めて彼へと向き直り。

「子供なら子供らしく、起こさない様になんて考えずに来るんだよ。」

そう、崩した膝の腕をぽんぽんと叩いて見せた。
彼の瞳が光ったような気がしたが、元々魔の因子も持ち合わせる身にその光は大した効果を与えなかったようで。
純粋に、彼を迎え入れるためだけの、行為。

ピーター > 「はぁい……だって本当に気持ち良さそうだったんだもん」

見つかった以上伏せていても意味など無く、身を起こして膝立ちになれば軽く自身の服を叩く。
ついでに言えば近付いてから横になるより、最初から横になって近付いた方が楽とかなんとか、
そんな理由もあったけれど些事なので話すのは割愛した。

「えへへ……今度からそうします。
 それじゃあ、遠慮なく……?」

瞳術の効果が見られなかった事に、まあ省エネ状態である事も要因だろうかと鑑みつつ。
それでも受け入れてくれる旨を伝える仕草から、どちらでも良いかという結論に至って。
膝立ちから四つん這いになると、子猫さながらの敏捷さで女の膝に納まるべく飛び掛かる。
なけなしの魔力で重力中和程度の浮遊を行っているため、受け止めても非常に軽く衝撃も少ないだろう。

射干 > 「そりゃぁ、睡眠不足の後の風呂に畳、最高に気持ち良かったからねぇ。

って……
まったく、遠慮はしなくてもいいけど勢いってのは考えなよ。」

動物が飛び込んでくるような恰好でとびかかるその身体を受け止める。
衝撃が軽いのが幸いしたけれど、結局バランスを崩して彼に押し倒されるような形へ。
もう一度、まったく、と声を零しながらも、その身体へ腕を伸ばし、脇を抱えてやれば自らの胸に抱えるよう抱いてやった。
寝そべったまま折り重なるような形で、彼の頭部を、背中を軽くたたいてやるのは、一緒に寝ようとした。その言葉を信じて、まるであやし寝かしつけるような所作。

ピーター > 「睡眠不足?あんまり寝られてなかったの?

 わ、とと……勢いつけすぎちゃった。
 ごめんなさーい、気を付けます。大丈夫?怪我とかない?」

飛び掛かって受け止められた勢いのまま、女と共に畳の上に転がった。
正確には畳の上に倒れた女の上に、ピーターが乗る形。
その柔らかな感触に自然と頬が緩むが、一応は押し倒してしまった身の上、相手に怪我が無いか心配する様に女の顔を窺い、次いで身体に異常が無いか確認する。
緩くはだけた浴衣に包まれた女体が見れるだけだった。非常に眼福。

そんな事をしている内に、背や頭を軽く叩かれてあやされれば、豊かな胸に顔を埋める様に再び伏して。

射干 > 「子供は気にしなくていいんだよ。夜の仕事をしているだけだからね。

と、バランスを崩しただけさ。それに、おいでと言ったのは私だしね。」

胸の上に伏した子供をあやす。その金髪に指を絡めて撫でつけながら、背中を叩く事で寝かしつけるよう。ただ、その揺れは彼の枕になる双丘にも伝わって挟み込んだ顔を柔らかく包む。
彼の顔がもぞもぞと動けばそのたびに胸元の合わせ目が広がってゆき、白い肌が晒されるのもそう遠くない。
倒れた衝撃でズレた眼鏡を軽く直しながら。

「君は、何処の部屋の子かな……? 眠ったのなら送ってあげるよ。ご両親にも悪いからね。」

こんな格好を両親が見たら泡を吹いて倒れるかもしれないが、寝てしまったのならいくらでも言い訳がきくだろうから、そんな問いかけを。

ピーター > 「夜の、お仕事……へぇぇ、お疲れ様。それなら眠くても仕方ないね?
 うぅん、怪我してないなら良かったぁ……えへへ、気持ち良い」

女が無事である事を確認出来れば、安心したように身を委ねる。
柔らかな金髪を撫でられ、一定の間隔で背を叩かれれば、その気がなくても眠気が去来して……

(……いやいや、寝に来たんじゃねえだろ)

危なかった。うっかりそのまま普通に寝るところだった。
気を持ち直して眠気を振り払うべく首を微かに振れば、柔らかな双丘がふよふよと顔に当たって心地好い。

「……えっと、お部屋にはお父さんもお母さんも居ないんだ。
 一人で来たの、こう見えても一応一人前の冒険者だから」

えへん、と得意げに胸を張った。事実、天涯孤独であるため、嘘もついていない。

射干 > 自らの身体の上でうとうととするような子供の様子に、満足そうな笑みを浮かべて優しくリズムを刻む手はそのままに。
彼の顔に当たる膨らみは湯上りの体温もあって暖かく彼の頬を包み込んだ。

「本当に、この街には驚かされるね……。年端も行かぬ子どもまで冒険者だなんて……。君が私の診療所に運ばれて来ない事を願っているよ。」

それが当たり前の世界、それは理解していても本来なら親の庇護下にあるべきその小さな体躯。撫でつけていた手がぎゅ、とその身体を抱き締めてやり柔らかい身体にその小さな体を押し付けてやろう。

そんな甘い雰囲気の中、流石に湯上りの人間や食事を求める姿が現れ始め……。
流石にこの格好はまずいと思ったか、彼をまたわきの下に手を入れて抱え上げると、横へと下ろし、自らも身体を起して。

「はぁ……、良い気晴らしになったよ、君。 ただまぁ、本当に気をつけてな。見知った顔の見知らぬ顔、なんてのは出来るだけ見たくないからね。」

そう、乱れた浴衣を戻しながら、もう一度彼の頭を撫でてから、膝をついて立ち上がると。

「じゃぁね、坊や。今度はもっと上手く隣においで。」

そう揶揄するような言葉と共に軽く手を振って休憩所を後にした。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」から射干さんが去りました。
ピーター > どうにもペースが乱れるというか、思う様に事を運べない。
気が急いてしまってるだろうか、と反省する頭をよそに、身体は女の柔らかな感触に脱力していく。

「診療所……お医者様、なんだね……」

やり取りの間に聞こえた単語で、相手の職業を何となく察し。
それならば夜の仕事、というのも納得出来る。
慈しむ様に抱き締められれば、ふにゃんと表情を崩して。
もうこのまま共に微睡んで居るのも良いかもなあ、と思い始めた矢先。

「えっ、あ……はぁい、気を付けまぁす」

他に利用者が来た事でそれすらもおあずけとなってしまって。
生殺しじゃないか、と内心地団太を踏みつつ、手を振って休憩所を離れていく女の後ろ姿を見送った。

「……まあ、こんな日もあるわな」

女の姿が見えなくなった後、深く溜息を溢してからその場を後にしたのだった―――

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からピーターさんが去りました。