2025/08/19 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にレヴァレットさんが現れました。
レヴァレット > 深夜の温泉。ほとんど人のいない広々とした浴場に、大きな白い影が浸かる。
身長2m以上の巨大、その頭からは2本のウサ耳が揺れている。
おそらく純血ではないが、ミレーの血を継ぐ女。
体格に相応しく、何から何までがデカイ。

今日も既にこの温泉には一度来ていたが、それはあくまで主の入浴を補助するため。
使用人である白ウサギ本人の入浴は、全ての仕事が終わった夜遅くだ。
一日の疲れなど全く感じさせない無表情な顔だが、どことなくリラックスした雰囲気。
とはいえ、浴場にはメイド服も身分証も持って来ていないので、あまりのんびりはできないのだが。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」に枢樹雨さんが現れました。
枢樹雨 > 霊体であれば睡眠も食事も必要としない妖怪は、それでも実体化を行い、睡眠と言う心地良い行いに浸る。
それでもふと、目が覚めた。
覚醒しきらない状態で部屋を見渡してみれば、氷室から拝借した氷が溶けきり、涼やかな空気が夏夜の暑さに犯されていた。
そのせいだろうか。
ゆっくりと覚醒していく意識の中で思えば、汗纏う身体に気が付き、その時点でもう向かう先は決まっていた。

旅籠の廊下を歩き辿り着いた温泉。
脱衣所にて旅籠の浴衣を脱ぎ、折りたたんだタオルで雑に鬼角隠せば、身体を隠すことはなく湯気に包まれた浴室への扉を開く。
簡単にかけ湯をすれば、その音がは先に湯舟へ浸かる貴方へ届くだろうか。
温かな湯ながら、汗流され心地良い。
そうして向かう広々とした湯。――そこで、気が付いた。先客の存在に。

「………一人の時間、少し邪魔をさせてもらうね。」

この時間の入浴。一人を好むが故のものと咄嗟に判断してしまえば、反射的にその言葉を向けていた。
淡々と、抑揚のない声音。
それでも気遣うよう、出来る限り湯に波を立てないよう、刺青のような蒼の炎絡む真白の氷肌を沈めていき。

レヴァレット > ぴくり、とウサ耳が揺れる。
浴室の扉が開く前、脱衣所に誰かが入って来た時点で、
ウサギ系ミレーの鋭い聴覚が新たな利用者の来訪を感じ取っていた。

けれど、動じることなく湯に浸かり続ける。利用料は支払っているし、
この巨体が故にミレーという理由で因縁を付けられることは少ない。
もしミレーとの入浴に不快感を示すようであれば、こちらが先に上がればいいだろう。

その表情を確認するため、湯煙から現れた人影をじっと確認する。
惜しげなく晒された美しい肌。頭を隠している割には長い黒髪は収められていない。

「構わない」

返す声もまた起伏が少ない無感情な声。
同様にその顔にも表情は少ないが……その肌を這う蛇のような蒼い炎に、
わずかに首を傾げて見せた。なんらかの魔法だろうか。

「むしろ、ミレーと一緒で平気?」

枢樹雨 > 他者がその会話を耳にしたならば、互いに起伏のない声音に険悪な関係でも想像するだろうか。
その実、他意も何もない地の口調。
己がそうあるが故か、貴方から向けられた無感情な声音に気を揉むこともなく、腿までを湯に浸す。
…と、続けられる貴方からの問い。
改めて貴方へ視線をやれば、その頭上に頭髪とは別の存在が伺える。

白く、柔らかそうでありながら、湯気の湿気でしっとりと艶めく獣の耳。
しかも何度か目にしたことのある、猫や犬を思わせる獣の耳とは違う、兎のそれ。
それを見つけた妖怪は、前髪の隙間から覗く蒼の双眸を丸くする。

「ミレー…。この国の、先住民。」

瞳に反し、変わらず抑揚も起伏もない声音。
白の印象が強い貴方の中で、殊更目を引く赤の瞳を、じぃ…と見つめる妖怪。
おもむろに左手を持ち上げたかと思えば、己の頭に置かれたタオルを取り。

「むしろ、人でないものと一緒で、良い?」

それは明らかに貴方の言葉を真似たもの。
項の辺り、長い髪を両手で束ねると、そのまま己の胸元で抱えるようにして上半身も湯に浸していく。
どうせ一人だからと髪まとめるのを怠った、せめてもの対処。
そして貴方の返事を待たず、妖怪は貴方の傍へと近づいていく。
胸元まで浸かった身体で湯に低い波を広げながら。
逃げられることなければ、すぐ傍らにて移動を止めるだろう。

レヴァレット > 視線が頭上のウサ耳を捉えたことに気付くが。
続く声からも嫌悪や忌避の感情は伝わってことなかった。
少し驚いてはいるようだが、どうやら急いで出る必要はなさそうだ。
ほんのわずかに息をつく。

「ん……」

けれど、続けられたのは予想外の言葉。
タオルの下から現れた一対の角を見止めれば、こちらも少しだけ目を見開いた。
それからすぐに自然をあなたの瞳に戻し。しばし、赤と蒼が交錯する。

「……それも、構わない。人間より安心」

波紋を広げながら、近付いて来る人ならざる者。
けれど白ウサギは逃げる素振りもなく、湯に浸かったままあなたを待つ。
例え正体がなんであれ、最もミレーへの差別意識が強い人間よりはマシだ。
隣をどうぞ、というようにスペースを少し開けて。

「何か、聞いても良い?」

ただ、あなたの正体に純粋に興味はあった。
胸元に這う蛇炎にちらりと目を落とし、首をかしげ。

枢樹雨 > 近づいてみれば際立つ、貴方との体格差。
湯の中で座っていて尚、目線の高さが違う。
しかしそれよりも、妖怪の好奇擽るのは貴方の頭上にある長い獣耳。
控えめな浴室内の照明に照らされた蒼の双眸は、許可を得たことで貴方の双眸からその兎耳へと向けられる。

「その耳、毟って売り払ったりしないから大丈夫。」

それは己の角へと向けられたことがある言葉。
照明受けて艶めく青碧色の鬼角は、売ればお金になりそうと言われた経験があるものだから。
しかし、貴方に対してその心配は無用と結論付けたのだろう。
妖怪は必要のなくなったタオルを適当な場所へと置き、貴方が開けてくれたスペースへと収まる。
貴方の左隣。正座を崩したような体勢で、貴方へと身体の正面を向けて。

「何…。難しい質問だね。
 ……その耳、触らせてくれたら教えてあげる。」

右胸の外側から臍の上を通り、左腰、左の臀部、左の内腿へと絡む蒼の炎。
刺青にも似たそれは、触れてみれば凹凸もなく、肌に浮き出た痣とも紋様と説明できそうなもの。
其れへと向けられる視線に気が付かぬまま、問いかけに同じく首傾ぐ妖怪。
わかり易く好奇心孕んだ双眸は変わらず兎耳を見つめ、まるで甘いお菓子に見惚れるかのような、
見目にそぐわぬ幼げな様子を醸し出し。

レヴァレット > 湯煙の中、大きな影と小さな影が並ぶ。
あなたも女性としては平均的なサイズのはずだが、
横の白ウサギが大き過ぎるせいで、まるで大人と子供のよう。

「多分、売れない」

安心させようと言ってくれたのだろうが、言葉のチョイスがなんとも残酷だ。
あなたがかつて言われたことだとは知らないが故に、
子供のように無邪気な残酷さだと評する。
わずかに歪めるように口端に浮かんだのは、もしかすると苦笑か。

だが、そもそもその宝石のような美しい角と違い、
ミレーの耳など売値は付かないだろうけれど。

「耳?……ん、どうぞ」

目をパチパチ瞬かせるも、すぐに身を屈めるようにして頭の位置を下げた。
白くふわふわの、少しだけしっとり湿った耳がゆらりと揺れる。
まだ大分高い位置ではあるが、十分手の届く範囲ではあるだろう。

使用人になってから、主の子供たちからよくねだられたため、
耳を触られること自体にはほとんど抵抗はないのだ。

枢樹雨 > 「え、売れない?触り心地良さそうだよ?」

問題は『毟る』という部分であるのだが、その辺り感覚がずれている妖怪。
ただただ真っ直ぐに、目に映る貴方の兎耳への興味だけで会話をするものだから、
売れそうなものだと不思議そうに首傾ぐ。
その拍子にこめかみの方へと流れる長い前髪。
湯気による湿り気でそのまま額や頬に前髪張り付いてしまえば、指先が自然と前髪を耳へとひっかける。
そうして露わとなる、目許。
兎耳に向いていた視線が顔へと降りれば、僅かに形変える唇が見えて。

「良いの?…じゃあ、触るね。」

対価に強請っておきながら、あっさり了承されれば意外とばかりに確認の問いを添えてしまう。
しかしすぐさまそのもの自体を差し出されるのだから、遠慮は要らぬのだろう。
手の届く高さへと降りてきた真っ白な獣の耳。
惹かれるままに両手差し出せば、貴方の側頭部へ掌を置いてから、指先で耳の付け根を擽るように撫で。

「人の子はね、私のことを青行燈(あおあんどん)と呼んだよ。
 妖怪とされていたけれど、怪異でもあるし、妖でもあるし、死霊や怨霊でも間違っていない。
 …君は、怪談話というもの、知っている?人の子が恐れを想像して語った物語。」

触れること叶えば、貴方の問いへと答えるべく言葉を紡ぐ。
淡々と抑揚のない声音は、それこそ怪談を語るにはちょうど良さそうなもの。
その間も指先は湿り気帯びた白の毛を擽り、根元からゆっくりと先端の方へと向けて撫で、
中ほどで手を止めれば、親指が耳の内側の感触確かめるように何度も擦る。

耳の先まで触れようとすれば、降ろしていたお尻を持ち上げ、膝立ちとなる。
華奢な肩や腰に対し、女性らしく曲線描く胸元から湯を滴らせ乍ら。

レヴァレット > 「そんなに?」

こちらもまた不思議そうな様子。自分にとってはあって当たり前のもの。
確かにふわふわしているが、わざわざ触りたがる程のものなのだろうか。
とはいえ、長い前髪の下から好奇心に輝く蒼い瞳が露になれば、
それも「まあいいか」と思え。

「んっ……」

指先が触れた瞬間、ぴくっと耳が反応した。
しかし、それ以降は大人しくあなたの手の中に収まる。
柔らかい毛に覆われ、少し弾力がある耳朶。
根元をくすぐられるように撫でられれば、落ち着かなさそうにそわそわと揺れた。
存外に撫で慣れているような手付きで……心地良い。

「あおあんどん、あやかし……シェンヤンのゴースト?
怖い話なら、マグメールにもある……けど……」

毛の少ない耳の内側を撫でられると、ゾクゾクした感覚が背筋に走る。
表情は大きく変わらないが、頬が薄紅に染まっているのは、
おそらく湯の温かさによるものだけではあるまい。

「でも、キミは、触れる」

怪談の語り部のような、生気と感情が希薄な口調。
けれど今、確かにあなたは自分の耳に触れている。ここに在る。
目の前で揺れる女性らしい丸み。……内から理性を灼かれるような感覚が強まる。

枢樹雨 > 「うん、やっぱり。良い触り心地。湿気含まないなら、もっと心地良さそう。
 でも毟るのは駄目だね。毟ってしまったら温かくなさそう。」

触れれば尚の事感じる、獣の特有のふわふわと柔らかな毛並み。
触れた瞬間に兎耳が震えれば一瞬指が止まるも、其処に拒絶が伴わないのならやはり遠慮はない。
寄ってきた野良猫を撫でるような感覚。
しかしそれよりも触れられる面積は広く、そして目の前に人の頭部があると言う不思議な感覚。

湯に濡れた手で触れるのだから余計に貴方の耳は水分を含んでしまうも、毛流れにそって撫でれば
艶々と毛並み良く、膝立ちのまま手だけを耳の中ほどまで戻し、その毛並みを指先で擽るように乱し。

「ごーすと…、ああそう、そうだね。それも似ている。
 私が生まれた国には百物語という文化があって、私はそれがあったから生まれた。
 人の子が語った数多の物語が、恐れられるナニカが、集まって出来てる。」

貴方と同じくピンと来ない単語に?が浮かびそうになるも、以前呼んだ書物に書かれていたゴーストの文字を思い出す。
それは確かに己の中にあるものの一つと近しく、認識として間違ってはいない。
だからこそ一つ頷き答えれば、親指と残る四指とで耳を挟み、悪戯に乱した毛並みを直すように耳先まで撫でいく。
四指の腹は柔い毛を、親指の腹は耳の内側を、ゆっくりと丁寧に。

しかし触れると、貴方の言葉が届けば、ふと手を止めて貴方を見下ろし。

「……うん、触れる。触れる肉体を、貰ったから。」

兎耳の先まで撫でた手が、離れていく。
代わりに蒼の双眸が、貴方の顔へと視線注ぐ。
見つけたのは瞳の赤がにじみ出たように、薄く染まる頬。
ゆっくりと瞬いた後、まだ湯の熱に侵食されていない、本来持つひんやりとした体温残した両手で、貴方の頬に触れ。

「触る?」

レヴァレット > 触れられ、撫でられ、乱され。それが再び整えられてゆく。
うっとりするような心地良さと、正反対に湧き上がって来る熱い衝動。
それらを内に燻らせながら、綺麗に整えられた耳をあなたの声に傾ける。

「百の物語と、畏怖、それとゴーストの集合体。
……ん、なんとなく理解した」

正しくはないが、おそらくニュアンスとしては近しい認識。
シェンヤンの文化には疎いので、これ以上の理解は難しいが、
それでも今はこの認識があれば問題ないだろう。

それよりも、問題なのは。

耳から指が離れていく感覚に、俯き気味だった顔を上げ。
じっとあなを見つめ返す。再び交わる赤と蒼。
けれど、赤の奥には先程はなかった妖しげな光が揺れていて。

「うん」

頬に触れる冷たさを感じながら、頷くとともに細い腰に腕を回し。
そのままぎゅっと大きな胸の内に抱き寄せてしまおうか。
触れ合う湿った肌。まだ温まり切っていないあなたに比べ、
白ウサギの体温は、非常に高い。

「名前、聞いてもいい?」
「キミのこと、もっと知りたくなった」

腕の中の柔らかさを感じながら、囁くように問い掛ける。

枢樹雨 > 「ん、それで良い。もとより正解もないようなものだから。それで十分。」

存分に貴方の耳を、ミレーであり兎のそれを触れさせてもらったから。
貴方なりの答えが導き出せたこと良かったと、小さく頷く。
此方としても、ミレーには兎の耳持つ者もいるのだと、新たな発見があった。
野良猫に触れることは多く在れど、野兎に触れたことは一度だってない。
だから殊更に触れてみたいと、好奇赴くままに強請っていた。
それを叶えてくれた貴方は、満足いっただろうか。

そうして覗いた深い深い赤の瞳は、先と違う色を湛えていた。
だから、触れていた。そして、問うていた。
欲滲むそれが、綺麗で。好奇心が、再び疼いて。

「っ………枢(くるる)。…他者の体温が、心地良くて、好き。」

問いへの答えは明快で。そして突然。
碌に運動もしない身体は華奢で弱く、引き寄せる腕に容易く倒れ込む。
触れ合う白皙と氷肌。
貴方の柔らかな胸元に妖怪の薄い唇が触れれば、互いが浸かる湯が跳ね、幾重もの波紋が広がる。
妖怪の柔い乳房もまた貴方の鳩尾の辺りに押し付けられることとなれば、互いの其れが撓むか。
そして顔上げた妖怪は、求められるままに己の名を告げる。
至近距離の蒼は細められ、しっとりと湿り気帯びた頬が貴方の胸元へと懐き。

「君の名前も教えて。」

レヴァレット > 「うん。でも、知りたいことは増えたかも」

一つ満足しては、また欲が増える。
上から覗き込むように見つめた瞳、その中に輝く好奇心が映れば
それが自分だけではないと理解して。あなたの心も満たしたくなる。

「レヴァレット。……『レヴィ』でいい」

倒れ込んできたあなたの体重程度では、その巨体はびくともしない。
柔肌があなたを受け止め、さらに押し付け合うように、ぎゅっと抱きしめる。
どこか獣臭くも官能的な香り。……発情した獣のニオイ。

「なら、もっと感じさせてあげる」
「だから……キミの全部、教えて」

見上げるあなたの唇に、覆い被さるように上から口付けを落とす。
まるで食べられてしまいそうなほど大きな、しかし繊細な唇。
触れ合った肌から、唇から、白ウサギの熱が伝わって来る。
……いや、それだけではない。接触を通して魔力が流れ込んでくる。

白ウサギに魔術は使えないが、直接触れた相手に魔力で干渉することができる。
行うのは、あなたの体の耐久性と柔軟性の強化。
加えて感度の上昇と愛液の分泌量向上。
あなたと深く『触れ合う』ためには必要なこと。

枢樹雨 > 「レヴァ、レット。……じゃあ、レヴィ。温かい。」

告げられた名を、反芻する。それは覚える為であり、名とはとても大切なものであると知っているから。
だから貴方が許して初めて、略称でもって貴方を呼ぶ。
頬寄せた胸元。口端に触れる柔らかな感触。視線の先にある抜けるように白い肌と、影作る胸の谷間。
湯の中での触れ合いは温かくて当たり前なのかもしれないけれど、それでも妖怪は確かに感じる。
貴方の、貴方だけの体温、熱、温もり。
瞼閉じそうになり乍らスンと鼻を鳴らせば、鼻腔満たすのは貴方の香り。
温泉特有の香りは不思議と遠く、湿り気帯びた獣の其れが、不思議と妖怪の情欲を擽り。

「んっ、……っ、……んぅっ!」

己も知らぬ己のこと。全部を貴方に差し出せるだろうか。
そんなことを頭の片隅に置けば、そんなこと知らぬとばかりに寄せられる唇。
自然と閉じられる瞼。隠れる仄暗い蒼。
小ぶりでいて薄い妖怪の唇は、貴方の其れに喰われ乍らも、唾液に濡れた舌を差し出し応える。
心地良い、粘膜の触れ合い。それを求めようとするのだが、不意に流れ込むナニカ。
そのナニカが何であるのか、妖怪はよくよく知っている。
己を満たす妖怪異の力に似た、魔の力。
敏感に感じ取った妖怪は華奢な肩を跳ねさせ、切なげに眉根を寄せ。

「―――っ、…っふ、」

力の扱いを誰に教わったわけでもなく、その力が肉体に及ぼす影響など知る機会もなかった妖怪。
故に酷く無防備で、無垢なその力は、他者の魔力への拒絶も知らず、入り込むそれをスポンジのように吸収していく。
内包する力の泉に広がる大きな波紋。
それが内側から肌を震わせ、ぞくぞくと背筋粟立たせる。
貴方の頬にあった両手は縋りつくように貴方の腰のあたりにしがみ付き、きゅうと下胎収縮させると共に、貴方の白皙の肌に爪を立ててしまう。

スッと鼻を抜けるような、菊の花にも似た妖怪の香り。
其処に甘いものが混ざりこむのは、欲に濡れた証か。
無毛の恥丘の奥で蜜滲ませれば、貴方に分け与えられるように妖怪もまた熱帯びていって。

枢樹雨 > [ 後日継続にて――― ]
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」から枢樹雨さんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からレヴァレットさんが去りました。