2025/08/17 のログ
プリシア > 屋内の温泉が多い中、ドアを抜けた先に見えたのは空が良く見える露天風呂。

「わ…今日は、お空が見えるの」

パッと顔を輝かせながら、お風呂セットを抱えたまま少しの間だけ空を見上げる。
そして改めてお風呂に入ろうと視線を戻すのだけれども、湯気が濃くてちゃんと奥を確認出来ない。
それでも取り敢えずは掛け湯をして、先ずは身体を洗わないとと洗い場へと向かおうと歩き出す。

「えっと…こっち…?」

小柄なのもあるのだろう、余計に湯気で見え難い為に行く先がはっきりとせずで。
湯気の抜けた先は幾つもある内の温泉の一つ。
こっちじゃなければどっちだろうと小首を傾げる幼女だが、そこに見える人影に気付けば。

「あ…えっと…こんばんは、なの」

その相手が知っても知らずも関係なく、挨拶と小さなお辞儀。
彼の様に湯舟に浸かっていない人も見掛ける事が多々あるので特に疑問に思いもしない。

オズワルド > いっそ、女性の客が居れば…なんてことも考えるくらいには、媚薬によってゆだる思考。
ぱたぱたと片手で顔を仰いでそれを祓おうとしていれば、届いた声に、すいっと視線がそちらを向いた。

「おや。こんばんわ。」

そこに居たのは小さな女の子…ただし、頭やら背中やら尻についているものを無視すれば、だ。
どう見ても、ドラゴンっぽい――!
一寸触ってみたいなあ。 うず、て小さく肩が揺れた。

「お湯に入るなら、体を洗ってからにした方が良いけど、もう洗ったかい?
 まだなら、おにーさんが手伝ってあげようか。」

両手を軽く持ち上げて、わきわきさせつつ、そんな我欲の混じったちょっとした提案。
これがもし家族連れだったなら、ボコされるかもしれないが…それよりも、好奇心が勝ったのだ。
なお、好奇心が勝らなければ、下心で同じ動きをしていたかもしれないのだけれど。

プリシア > 挨拶に挨拶が返ってこれば、ニコッと小さく笑顔を見せる。
温泉には色んなお客さんが居るのだから、ちょっとした不安はあるのだけれども。
良い人そうな男性であったのなら、どこかホッとしたのだろう。
一瞬動きを止めた小さな翼や尻尾だけれど、気を取り直したかの様にユラユラと揺れる動きを再開する。

尤も彼の考えている事なんて解らないのだから、自分を見て如何に思っているのかは知る由も無い。

「あ…あのね、プリシア、洗おうかなって、思ったのだけど…
見えなくて、こっちかな、って思って…でも、違ったの」

彼の言葉に少しだけ考える様な仕草をした後に、片手でお風呂セットを抱えたままで。
空けた手でアレコレと身振りを加えてここまでの経緯を説明してみる。
最初に洗って入ろうとしたのだけど、間違えてこっちに来てしまったのだと。

「あ、その…プリシア、自分で、洗えるよ?」

そして小首を傾げながらに続けた言葉は彼の手の動きを見て戸惑った上での答えではなくて。
どちらかといえば出来るのに手伝って貰うのは悪いかな、と思っているような意味を含めたもの、と解るかもしれない。

オズワルド > よくよく見れば、可愛らしくお団子にまとめられた髪や、すぐに日に焼けてしまいそうな白い肌。
それで焼けてないともなれば、ドラゴンらしい耐久力があるか、或いは大切に守られているお嬢様か。

「――んっ、」

お嬢様ドラゴンロリ。一瞬変な声が漏れた。こほん、咳払いしてごまかして。

「ああ、湯気で見えなかったのか。湯気多いもんな…。」

少女の言葉に、露天風呂を軽く見渡せば納得も沸く。
何せこの湯気も、しっかりと媚薬を含んでいるのだから…そりゃ湯気も多めにするわと納得しかない。
再び視線を少女に戻す。帰ってきた言葉に、いやいや、と緩く首を横に振って。

「じゃ、おにーさんが案内してあげよう。
 何、遠慮することはないさ。温泉に来たなら裸の付き合いだ。
 一期一会の相手に洗ってもらうのだって普通の事だよ。」

明確な拒否でないことをみてとれば、口先三寸で押し通しにかかる。
ざぱり、と湯から足を引き上げて立ち上がれば、タオルで隠していたチンポがタオルに突っかかってテントを張るあたりは、どう見ても性犯罪者だが。

「ほら、こっちの方だよ。」

そう少女に告げて、肩をぽんと叩いてついてくるよう促し、体の洗い場まで案内していこう。
案内した先では、ついてくるようであれば、これに座って、と風呂備え付けの椅子までとんと用意しよう。

プリシア > 「……?」

咳払いをする彼に不思議そうな顔をするも、湯気の事を云われるとコクンと小さく頷いた。
背丈があれば影響も少なさそうだが、そうでない彼女からすれば十分に見えなくしてくれるから。

洗う事を手伝って貰う事は必要ないけれど、この見え難い状況で案内をしてくれるのは助かるもので。

「…うん、分かったの。
え、っと…いちご…いち…え?…洗ってもらうの、普通、なの?」

彼の云った事を全て理解した訳ではない、特に言葉によっては難しくて理解し切れてないような表情をするも。
それが普通なんだと云われると、逆にそれを問い掛ける様な言葉まで返してしまう。
湯舟から足を引き上げ立ち上がる彼に続け様に移動を促されれば、そんな問い掛けの答えを聞く間も無くて。

「あ、あの…えと、分かったの」

そのまま、彼の案内を受けて洗い場へと向かうのだ。
案内の後にアレコレと彼の指示があれば、きっと云われるままに流されてしまうのだろう。

オズワルド > 【部屋移動】
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からオズワルドさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からプリシアさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」に枢樹雨さんが現れました。
枢樹雨 > ご縁からよく冷えた米酒を頂き、ささやかなあてと共に楽しんだ後の事。
若干覚束ない足取りにて暖簾をくぐり、やって来た静かな温泉。
他者の気配のない脱衣所にて、着物の扱いばかりは丁寧に脱衣を済ませれば、長い髪をシンプルな一本簪でまとめ上げる。
その更に上。頭頂部を合間に置くように在る対の鬼角を畳んだ白タオルで雑に隠すも、蒼の炎絡む己の身体を隠すことはしない。
広い浴室への扉を開け、ぺたぺたと足音鳴らし、真っ直ぐに向かう露天風呂。
礼儀として習ったかけ湯だけを済ませ、辛うじて転ばず岩風呂の端まで辿り着けば、足先からゆっくりと湯に沈めていこう。

体温の低い妖怪には、殊更熱く感じる露天の湯。
それでも冬の外気にかじかんだ足先浸すのとは違い、温度に馴染むのも随分と早い。
あっという間に肩まで身体沈めると、夏のまとわりつくような暑さとは違う湯の温度にほっと息ついて。

「……あたたかい、」

当然の温かさではあるが、零れた呟きには様々な感覚が込められている。
長い前髪から覗く双眸を細めると、持ち上げた左手で左の首筋を撫で、そのまま左の頬に触れる。
真白の頬は酒と湯とに仄かに染まり、どのような効能を持っているとも知れぬ湯を見下ろして。

枢樹雨 > 若干とろみを感じる湯は、肌にしっとりと絡みつき心地良い。
以前も浸かった覚えのあるその湯は、保湿の効果を持っているらしい。
湯上りの乾燥がなく、肌のケアなど気にしたことのない妖怪ですら、そのしっとり具合に驚いたのはいつのことだったか。
揺らめく思考の中で思い出そうとしてみても、寒い季節であった事を思い出すので精一杯。

頬にある手を改めて湯に沈めれば、両手で湯をすくい上げ、落としてと手遊びを。
そうこうする内にこめかみや首筋から汗滴らせ、共にアルコールが抜け落ちたのか覚醒していく意識。
これならばもう少し飲めそうだと、湯上りの飲酒を算段するのは酒好き故。

湯から上がれば来た時とは違うしっかりとした足取りで浴室へと戻る。
そして髪や身体を洗って水浴びをした後、旅籠の浴衣を身に着け脱衣所より消えていった――…。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」から枢樹雨さんが去りました。