2025/06/12 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にエウヘニアさんが現れました。
■エウヘニア > 「あー、気持ちよかったぁ……」
ほかほか、くてん。
老舗の温泉旅籠の休憩スペース。
湯上りに涼んだり、仮眠をとったり。それなりに広いスペースをゆったりと布で仕切ったその空間の一つで寝椅子に軽く寝そべって、湯上りの熱を冷ましている女が一人。
満足そうな呟きは、薬湯に使う為の薬液を納品したついでに格安で入浴できるチケットを戴いたのもきっと多分にある。
普段は少し奮発する気持ちの贅沢もこれがあるとちょっとだけ身近。
緩く笑み崩れて、後誰も見てないし、と好きなだけ自堕落に伸びてる姿は猫のよう。
湯の熱は、徐々に上がりだした気温とはまた違うのだなあ、なんて埒もないことを考えながら。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にグリードさんが現れました。
■グリード > 湯上りの心地よい疲労とはまた違う。所謂気疲れ。
今頃広い露天の湯殿では複数人の乱痴気騒ぎが始まっている。軌道に乗るまでセッティングしたところで抜けてきたが故の気だるい足取り。
「あーぁ……全く入った気がしねぇ。っと」
思わず大きな声で愚痴が零れた。そして言葉にしてから気づく休憩スペースで寛ぐ先客の姿。
「悪かったねお嬢さん、急にデカい声出しちまって。いい風呂、だったんだが接待で楽しめなくてなぁ。」
よっこらせ、と並ぶ寝椅子へと腰を下ろすと濡れて色の濃くなった髪を軽くかき上げ、そのままドサ、と寝椅子に寝転がる。
大きな声の詫びと、いやはや参ったなんて愚痴を少しだけ零して思いきり四肢を伸ばした──けれど。
「いてっ」
そこそこ大柄な男が伸びるには色々足りないようで、手を強かに打ち付けた。
■エウヘニア > 心地よい熱の名残。
サラ、と肌を撫でる休憩スペースの空気はそこまで湿度もなく、暑くもない。
様々な湯殿が用意されている温泉旅籠だから、ここからまた別の湯へと赴く客もいたりするんだろう。
思い思いに寛ぐ中で、少しうとうとしていた女は、新たに入ってきた客の声に視線をそちらに向ける。
「んぇ、……あー、そーなんです、ね?」
ヘラ、と緩い笑みで応じる。知らない人だが、まあこちらの邪魔にならないよう慮ってくれたんだろう、くらいの認識。
接待なんて言葉に不思議そうに首が傾いた。
露天の喧騒はここまでは届いてきてはないものだから。
寝椅子に体を伸ばそうとして、体格の所為か無理だったらしい。
呻き声にうとうとしていた表情を驚きに変えると、まあやっぱり隣り合った縁もあるし…とそちらへ改めて視線を向けて、声をかける。
「……大丈夫ですかー……?」
湯上りだと意外と肌が弱かったりするから、血とか出てないです?みたいな確認と共に。
■グリード > 時間も経てば徐々に気疲れも抜け心地よさが勝る。
それは気分を変える切っ掛けになった先客の存在があったかもしれない。
首を傾げる様子の相手に、あぁ、と一人ごちてから。椅子の縁に打ち付けた前腕を軽く摩りつつ。
「気が緩んだ証拠なんだろうなぁ。
大口の取引先に商品を納入した所で。今頃露天風呂で楽しんでるってな話だ。」
心配してくれている相手へと、ぶつけた袖を捲って見せる。
多少赤みがあるのはご愛敬だが外傷や内出血にまではきっと至らないだろう。
「にしても湯へまともに入ったのも久々だが、濁ってたり、花が浮いてたり、いい匂いがしたり……色んなのがあんだなぁ。」
様々な湯殿がある、とは噂に聞いていたが、ここまでとはと素直な感想。そして普段の縁の無さを象徴するような言葉になってしまったか。
■エウヘニア > 誰の目もないから、と自堕落に伸びたままだった体は、誰かがいてもやっぱり伸びたまま変わらなかったりするのだが。
……まあ寛ぐための場所だし、などと自分の中で言い訳めく。
軽く見ただけではしっかりと判断できるわけじゃないが、相手の言葉を額面通り受け取ってもいいんだろうなと判断できた。
差し出がましいことをするつもりもなく、そのまま緩くつながってゆく言葉に相槌を返して。
「お客様と一緒に来たってことですかあ…
お風呂でお楽しみ──、ふむふむ。」
───……露天、という発言にちら、とそちらの方に意識を傾けてみても、当然何か聞こえてくるわけじゃないのだが、なんとなく深堀はやめておこうと、スン、ととした表情で頷いて。
「いろいろ趣向が凝らされていて、たまの贅沢に来るのは良いものです」
相手の感想にはこちらも素直に同意。
再々訪れる、というのはなかなかに現実的じゃないけれどたまにはいいんじゃないですか、なんて応じるのだった。
■グリード > 場所柄、どうしたって身体の力は抜けるもの。とはいえ、見知らぬ男と二人ともなれば普通であれば警戒しようもの。
そんな様子もなくどこか間延びしたような声に、ふふ、と笑う声をこちらも零しながら。
「ほんと、全部巡ろうとしたらどんだけ掛かるんだろうな……。露天に個浴、地下の洞窟風呂に海側の展望風呂──」
数え上げれば切りがないし、中には上位の部屋を取って初めて使える湯もあるだろうから、
考えるだけ詮無い事ではあるのだが、そういう妄想はそれはそれで楽しい。
「いくら湯上りでも、そんなだらーんとしてると、悪い奴にさらわれるぞ。
ここじゃ夜な夜な、若い女が姿を消して、どこからともなく悲鳴が、なんて話もある位だ。」
黒い噂も、転じてしまえば怪談味を帯びる。誰もが噂をするけれど、経験者は居ない、或いは語らない。そんな話。
■エウヘニア > 「うーん、それは分からないですねー。くるたびにお風呂増えたり減ったりしてるみたいですし」
己が赴いたことがあるのは仕事柄関係のある、薬湯や、花弁の浮いた湯殿に地下浴場の個室風呂……。指を折って数えて、そのどれもがいつも同じというわけじゃないから、不思議ではある。
「明るいうちに怪談ですか……お化けも恥ずかしがっちゃいそうですね
泊ったことはあまりないので、夜がどんな風なのかは知らないんですが」
あんまり自堕落すぎてもよくはないか、とせっかくの寝椅子ではあるが身を起こす。
ふわわ、と小さな欠伸は手で口許を隠したのだった。
■グリード > 「増えたり……減ったり?」
金持ちの酔狂なのか、経営努力なのか俗人では計り知れない。そんな驚き、呆れた様子で声が出た。
とはいえ、休憩するだけの場所をこれだけ広く取る様な場所なのだから
さもありなんか、と納得は出来た。
「お化けなら、まだ救いがあるんだろうけどなぁ。
何時の時代も、怖いのは生きてる側、だったりするもんだ。」
例えば……、なんて言葉を区切る。身を起した彼女を見てから、同じようにこちらも身体を起し、立ち上がった。
もう一度その場で背伸びをしながら、一歩相手方の寝椅子へと近寄るとその姿を見下ろす。
もし、彼女が己を見上げ、その瞳、視線が重なる事があれば、吊り目の奥。赤い瞳が淡く光リ濃い紅色へ。
「ただ、どこでも欲しがり甘く啼く雌になる。そんな雌を買うってのが、ここの楽しみの一つ。って奴だ。」
湯に溶け込んだ媚薬もあろう、襲われても声の届かぬ地下もあろう。もとより愛し合うための花弁もあろう。
光る瞳が影響したならば、ただそれは肉欲を煽り妄想を掻き立てる程度の物。
気づけば抵抗も差して難しくはないだろう。抵抗が弱ければ或いは男に何かを投影することもあるあもしれないが。
向けられたもの、理解出来れば逃げ出すか、助けを呼ぶか──或いは。
■エウヘニア > 「そうそう、不思議なんですけどね。……時々お仕事でお邪魔するので。
人気のないお風呂はいったん閉鎖とかされてるんじゃないでしょうか?」
己の仕事がどんなものかは、相手は知らないし、己もそこまで深く語ることはない。
そういう不確実性も楽しみに訪れてる人がいるのは確かだろうし。
「……えー……じゃあ、お化けじゃなくて、お店の人がってことですか…?」
噂話はどこまでも噂でしかないのだろうけれど。
だからこそまことしやかに広まってゆくのかもしれないが。
後を引く言葉に視線が自然と誘導される。
立ち上がった相手と座ったままの己では自然と生まれる視線の高さの違いに、相手を見上げる形で視線が交わってしまった──のだが。
相手の赤い双眸の奥に宿る光、それを素直に受け止めて───
わずかに眉宇が曇る。
女の意識しない血筋の部分がそれに対して若干の抵抗を見せているような、微妙に遅延したような反応。
眩暈を感じたようにゆら、と頭を振った。
「は、……ええと、買い、に……ってことですか…?」
緩いが、滞りのなかった声色が少したどたどしく変わる。
茫洋としたようなそれは男の狙った反応とは少し違うのかもしれない。
とはいえ生粋の男のそれを弾くには女の魔力や、知識はそういった方向のものではなかったようす。
逃げるべきだ、と判断はくだせたが、立ち上がろうとして、数歩もいかずに膝を屈し。
■グリード > 「確かに、人気が無く空いてるなら、か。」
常に人を動かしたいのは商売の常。納得したと大きく頷くも、彼女が紡ぐ疑問。
その答えは身をもって知る事となるのだろう。
「若しくは──、こういう人物だな。」
やる気も、なんなら注意力も散漫だった男の手に掛かり、抵抗を見せてはいるようだが跳ねのけた様子は見られない。
細かった瞳が更に目が細まり薄くなる。頭を振り、呂律が怪しくなるような様子に満足げな笑みを浮かべると。
流石はこの国に生きる者なのだろう、立ち上がり歩きだしたところまでは良かった……。
「そう、例えば── この後、君が休憩所になる。とかね。」
そう膝を折った相手の背後へ歩み寄ると腕を伸ばす。その腕が忍び込むのは浴衣の合わせ目、
もう一方の手は腋下へとそうして、胸元を大胆に割りながら抱え起こせば、今はまだ誰も居ない休憩所で、男に背後から抱かれる女の姿。
浴衣の胸元がはだけた様子を露わにする事となろう。
「このまま、湯上りの男の精を。 女からは軽蔑を……。そして君は、俺の商品になるわけだ。」
甘く、甘く。耳元へ囁かれる言葉はその甘さとは裏腹に絶望と暗い未来しかないもの。
言葉と共に掴んだ胸楚の膨らみを持ち上げては落とし刻んだ眼の効能を確かな物へ。
■グリード > 【移動します。】
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からグリードさんが去りました。
■エウヘニア > 【部屋移動します】
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からエウヘニアさんが去りました。