2026/02/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアシュラスさんが現れました。
■アシュラス > 真冬の気候から一転して、春の様な暖かい風が街に吹いた。
先日までの肌を切る様な冷たい北風と違って南から流れて来たかのような柔らかな春風に気を良くして。
その男はついつい、少し深酒をしてしまった。
宵の口に一軒目。ほろ酔い気分で二軒目。
まだまだ飲めそう三軒目。
大分出来上がって来た2月21日の夜11時前。
さすがに泥酔とまで羽目を外してはいないが。
足元は少しばかりおぼつかない。
心地良い酩酊気分で酒場を出た。
「ごっそさーん、また寄らしてもらうわー」
馴染みの酒場の店主へ上機嫌でそう挨拶をして店を出た、までは良かった。
問題はここから。
「~~~♪」
ふんふんと鼻歌交じり。
さてこのまま帰路につくか、もう一軒…最後に一杯だけひっかけて帰るか……と楽しく悩んでいたその時。
どんっ
背後から誰かにぶつかられた。
「う、ぉ、っと……!?」
普段なら少しよろけるくらいで踏み留まれるのだが。
深酒でのやや頼りなくなった足取りでは、情けないことにそのまま、衝撃に前後した身体は大きく前傾して。
ずてんっ……
かっしゃーん…っ
思い切りすっ転んで、顔から眼鏡が吹っ飛んで路傍に転がった。
■アシュラス > 決して小さくはない大の男が喜劇か何かのごとく派手に転倒し。
「っ……たたた……って……
!眼、鏡……!!」
ノーメガネノーライフ。
ど近眼にとっては眼鏡損失は死活問題。
碌に視界が利かず、街灯の暗がりに眼鏡を探して慌てた様子で這い蹲って手探り。
昼間なら多少、物の陰影くらいは分かるのだが……街灯の光のみな宵闇の中ではほとんど視界が利かず。
ぺた、ぺたぺた……
「ど…どこや……僕の眼鏡~……」
困り果てた様子で掌の感覚頼りに地べた這いまわって冷たい路上に素手で探る。
先程までのご機嫌酩酊気分も根こそぎ吹っ飛んで、一気に暗澹たる心地。
なまじいい気分でいたばっかりに一層不運が際立つ。
心底そんなもん際立ってくれなくていい。
■アシュラス > 「……あ、ったぁ……良かっ………ない……」
探っていた指先に触れる馴染みのある硬質な感触。
つかんで引き寄せると確かにそいつは先ほど泣き別れた眼鏡で。
けれど、安堵したのもつかの間。
レンズが割れていた。
神は我を見放したもうた。
寧ろ最初っから眼中になかった。
「かなしみ……」
悲嘆にくれるアラサー眼鏡が街灯の光をスポットライトよろしく浴びてしばし突っ立っていたのだったとか。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアシュラスさんが去りました。