2026/01/31 のログ
ナイト > そろそろ早い者は昼食の席に着く時間帯。店が混み出す前に、適当な空いている席についてメニューを眺める。
串焼き、ポテト、サラダ、オムレツ、シチュー、厚切りベーコン……。所々、食堂と言うより酒場に並んでいそうな料理が入っているのが、冒険者ギルドらしいと言えばらしいのか。
メニューの裏面を返して見れば、ランチ限定で本日のおすすめなるものが目にはい入り。
ウエイトレスの話によると、本日はチキンソテーのトマトソース添えとオニオンスープ、サラダ、バケットがついたセットになっているらしい。

「そのソテーって、香草とか使ってる? 抜いたりできるかしら?
 そう、じゃあそれを一人前お願い。あと、食後に紅茶とパンケーキもつけて」

注文を書き留め厨房へ駆けて行くウエイトレスを見送り、料理が届くまでの時間を待つ。
朝食に食べたサクサクのパイ生地に似た食感の……そうそう、クロワッサン。習ったばかりの試作品だとかコックが言っていたか。
アレは美味しいのだけど、腹持ちがあまりよくなくて、メイドには人気だが兵士からは不評である。
どちらの気持ちもわかる少女としては、もっと量を増やしてくれれば一番いいと思うのだが、そう言うわけにはいかないのがお屋敷の懐事情。
貴族と言っても資金源が無限に湧いてくるわけではない。
これでもうちの伯爵様は使用人に十分良くしてくださっていると、年配の執事が皆の我儘を叱責していたが、納得した者は少ないだろう。

――休日まで屋敷のことに頭を悩ませるのは無しだ。
湯気の立つ鶏肉とスープが運ばれて来れば、少女はパッと楽しそうな笑みを浮かべ。

「では、いただきまーすっ!」

フォークとナイフを手に取り、料理と向き合うのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からナイトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にラリーさんが現れました。
ラリー > 平民地区内のその小さな古書店は、わりと地区の中心の近くにありながらほとんど目立たず、立ち寄る者もそう多くない。
また古書店という性質上、商品の劣化を避けるために出入り口の向きなど日差しが殆ど入らない設計になっていて、店内は薄暗い。
そんな店の奥、接客カウンターの向こうで椅子に座って文庫本を読んでいる店番らしき少年の姿があった。

この店は少年の実家が経営しているもので、書類上は別の人間を立てているが実質的な店長は少年が務めている。
それ故、この店は少年にとって学院の図書館以上に自由のきくテリトリーである。
獲物となる対象が訪れれば、ほぼ確実に術中に囚われる羽目になるだろう。
もっとも、客足の少なさから獲物の出現は図書館以上に運任せではあるが…その時はその時、が少年のスタイル。
ただ静かに、読書に没頭しながら客の訪れを待ち続ける。

なお主な客層は通常の書店では見つからないような商品を求めるマニアックな本好きか、
遠方の客との本のやり取りの依頼を受けた冒険者あたりとなる。
少年の修理の腕はそれなりに定評があるため、そうした依頼もぼちぼちやってくる。

「…ん」

そうしていれば来客を告げるドアベルの音が響いて、少年はゆっくり本から顔を上げ
珍しく現れた客の姿を視界に入れた。
さてその客は少年の獲物になりうるような者なのか、それともなんでもない一般客か…。