2025/11/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」にアルジェントさんが現れました。
■アルジェント > 冬の気配が色濃い街並み。
北風が鎧戸を叩き、頬を撫でる風にぴり、としたひりつきを感じるような。
王都に訪れる冬将軍の、その先ぶれってところかな、などと考えながら、大きめの帽子を深く下げる。
寒さには強い方ではあるが───、寒さを感じないわけではないし。
路面に面した飲食店、あるいは露店や屋台そんなものの狭間をふら、とあるく。
胃袋、あるいは鼻に従うというかそんな感じにいい匂いにつられるままの挙措。
石畳の底をざり、と分厚いブーツの靴底が詰る。
(何にすっかな───)
味についてはさほどうるさくいう性質ではないのだが、それでも好みの匂いかそうじゃないか位はある。
■アルジェント > 「じゃ、一杯。………どーも」
立ち寄ったのはおいしそうな匂いで客寄せしている路面店の一つ。
惣菜と、パン、スープ類を提供し、立食スタイルで背の高い小さなテーブルがいくつか並んでいるその店で、ミルクスープをカップ一杯分。
木製カップは飲み終えたら、窓口に返却するスタイル。
大きめのカップに細かく刻んだ根菜と肉の欠片が沈む乳白色のスープ。
ふわりと揺れる湯気が、寒空に融けてゆく。
時間的にはそうした酒場や、オープンテラスの飲食店がにぎやかだ。
寒さを補うようにテラス席のそばには薪ストーブが出されつつある。
そうした火の灯りも、気持ち的な温かさに多少は寄与するんだろう
自身はあいたテーブルにカップと軽く肘を預けてそんな喧騒ごと味わう。
■アルジェント > 細かく刻まれ、煮込まれて半ば溶け崩れた根菜類がスープにとろみを与え、舌を温める。
肉の欠片も、たんに出汁というわけではなくて、きちんとまだ歯ごたえと味わいが残っていた。
もご、とそれらを柔らかく咀嚼し喉に通す。
はふ、と呼気を揺らせば、白く染まった呼気が点る。
帽子越しの耳に届くのは、普段路地裏で耳にするような後ろ暗い話ばかりでもない。
他愛のない、恋愛の会話、冬の燃料費に溜息をつく声音。
冬の野営のつらさを愚痴り合う会話だとか、そんなものも聞こえてきた。