2025/11/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/宿屋兼酒場」にヴァンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/宿屋兼酒場」にナイトさんが現れました。
酒場の喧騒 > 夜、王都平民地区住宅街、『ザ・タバーン』。
宿屋兼酒場であり、銀髪の男の住まいでもある。
先日、伯爵の邸宅で研修の話が決まった際、いくつか渡すものがあるから自宅に来るようにと男は少女に語った。今日がその日だ。

少女が店に到着した時間は、ちょうど周囲の住民たちが夕飯を食べに集っている頃合いだった。
家族連れや独り者、冒険者達などが思い思いに食事を楽しみ、その間をウェイトレスが廻っていく。

『……お、ナイトちゃんやな? あの宿六から話は聞いとるで。部屋がどこかはわかるやろ?』

カウンターの中にいた黒髪眼鏡の女が目敏く少女の来店に気付き、親し気に声をかける。
バーテンダー服を着ているが、立ち振る舞いからしてこの店の店長らしい。
男の部屋は三階の一番奥、間違いようがない。女は、少女が男の部屋を訪れたことがあると記憶しているようだった。

『お腹減っとるんやったら何か作るで。持って上がってもええし、奥の席で食べるんやったらあいつ呼ぶけど、どないする?』

女が指さした先には、予約客用なのか奥まった場所にあるテーブル席を示す。
近くにパーテーションが置かれていることから、半個室として使えるのだろう。
何か頼む前提で話しているが、少女がそのまま階上へ向かうなら引き留めはしなさそうだ。

ナイト > 屋敷を出る前に主へ断りを入れた時のこと。
少女が夜に出歩くのが珍しかったようで、何処へ行くのかと尋ねられた。
正直に話すべきか少し迷いはしたが、別に疚しいことがあるわけでもなし。

「ヴァン――……様から、呼び出しで」

そう答えると、主は書類を数える指を止め、一度少女の方をチラリと見る。
ただそれだけだった。止めるでもなく、『騒ぎは起こすな』とだけ釘を刺す。
主からの忠告を胸に、少女は約束通り平民地区の宿屋へと足を運ぶ。

賑わう店内へ足を踏み入れれば、すぐにカウンターにいた女性に声を掛けられた。
彼女が店長だと言うことは以前訪れた際に彼から聞いていたので、話が通っているなら丁度良いと片手を上げて挨拶を返す。

「どーも。繁盛してるようで、何よりね。
 そうね……。じゃあ、何かエールに合いそうなおすすめのを一品頂けるかしら?
 部屋は知ってる、けど……。 ――わ、私は奥の席で待ってるからっ! あのバカ呼んでちょうだいっ!」

犬歯を見せて溌剌とした笑顔を向け、少し考えてから注文を一つ。
言われてチラリと階段、そしてその先にある部屋の方へと視線を向けたが、勢いよく背を向けたかと思うと声を張り上げ、どすっ、どすっ、と大きな足音を立ててテーブル席へと向かうのだった。
夜に男と密室で合うことがどれだけ危険な行為であるか、それを学習した少女はまた一つ賢くなったことだろう。

ヴァン > 『あいあい。せやったらエールと……チーズとソーセージの盛り合わせやな。
安心しぃ、お代はぜーんぶあのバカにつけとくから。じゃんじゃん頼んでや?』

少女の言葉にニヤリと笑うと、女はよく通る声で厨房へと注文を通す。
壁に据え付けられた配管の出口に口を近づけている。おおかた三階の男の部屋に来客を告げているのだろう。


エールと料理が届いた直後に、銀髪の男が階段から姿を現した。
店長と火花が散りそうな睨み合いをした後で、少女が座るテーブルへと向かう。
男を知る常連客は、何かあったのかと興味深そうな視線を男と少女に向けるが、視線が通らないこともあってやがては消えていく。

「やぁ、ナイト嬢。部屋に来ればよかったのに……」

やや奇妙な呼び方だ。(ミス)は一般的には苗字につける敬称といえる。男の故郷では普通なのかもしれない。
ナイトは苗字にもある言葉なので、周囲に聞き咎める者はいない。男が敬称を用いることに興味を持つ者はいるかもしれないが。
着席した後、男は手に持っていたナップサックを掲げた。少女が持ち帰ることを考えてのことだろう。

「昨日手に入った。中には説明が必要なものがあるから、食事がてら聞いてほしい」

そう言うと、ナップサックの中身をみつつ取り出し始めた。
机上に置かれたのはネクタイ、蝶ネクタイ、スカーフといずれも首に纏う装飾品と、タイピン、スカーフリングといった品。
布地は全て黒で統一され、金属製品は銀色――というより、銀そのものだ。硬さもあるから銀合金なのだろう。

「故郷から取り寄せた。首に黒いウール製品と銀……シルバーブレイド家の者の麾下にあることを示すものだ。
戦場で騎士が盾に紋章を描くのと同じだと考えてもらっていい」

メイド服なら蝶ネクタイは違和感がないし、スカーフを巻くのもいいだろう。
どれも一目見て丁寧に仕立て上げられていることがわかる。男はともかく、属する家は辺境伯という名に恥じぬものらしい。

ナイト > 「ありがと、そうさせてもらうわ!」

遠慮なんてするつもりは無いらしく、強気な声だけを投げかけ奥のテーブル席へと腰掛ける。

――さて、それからしばらく。
ジョッキに入ったエールと大皿の料理が届く。
エールを右手に、左手でソーセージを摘まもうかとしたところで男がやって来る。
周りの視線も遮るものがあるならばそこまでのこと。わざわざ聞き耳を立てに来るもの好きもいない。

「行かないわよ。二人きりになったら何されるか、わかったもんじゃないもの」

先日とはまた違う呼び方をされ、片眉を上げて首を傾げる。
これも場所や立場によって敬称を変えていると言うことだろうか。
人間の世は不可解で難解だ、と眉を顰め、摘まんだソーセージをかぷりと頬張り、ツンとした態度でそっぽを向いた。

しかし、掲げられた袋の中身には気になる。
手にしていたエールをテーブルに置いて、袋から取り出されるものに興味を引かれ少し前のめりに。

「ふーん、これが例の……? なんだか、どれも高価そうに見えるわ。
 麾下って……まぁ、一応学ばせてもらう間は従者的な扱いになるわけだけど。複雑な心境ね」

先日話題に上がっていた『連絡手段』なのだろうか?
机に並べられた数々の装飾品を眺めながら、蝶ネクタイ、スカーフ、どれも良い品なのは認める。
貴族の下で働く者として、一目見ただけで主が分かると言うのは大切なことだ。
ナイトもヴァリエールの印が入った懐中時計を持たされているので、まぁ理解はできる。

が、どうも浮かない顔になってしまうのは、それが首輪のように思えて仕方ないからだった。
噛んだソーセージがパリッと良い音を立てる。

ヴァン > 何をされるかわからない、との声には苦笑して肩を竦めてみせる。

「相手の意思を尊重しているんだがな……」

とはいえ、少女にとって男は前科がある。当然警戒するだろう。
どうやら、人がいる場所での呼び方は決まったようだ。

「これには魔力や特別な機能はない。あくまで身分を示すためのものだ。
俺は伯爵から君を預かることになる。その間の責任の所在を示すという意味合いもある」

万が一少女が何かしでかしたなら、それは伯爵以上に男が責任を負うことになる。
一方で、少女に何か危害を加えようとする者がいたならば、伯爵以上に男を敵に回すことを示している。
しがらみ。端的に表現するのに一番適切な言葉だろう。

「次が前話した、『連絡手段』だ。今後のことを考えて隠匿性と実用性を重視した。
蝶ネクタイの下でも使えるようになっている」

男は二つ、紙製の箱を取り出した。掌大のものと握り拳程度のもの。前者をぱかりと開けた。
納められているのは親指ほどの太さ、革製品相応の厚さ、丁寧に鞣されたことがよくわかる、規則的に穴が開いた艶やかな黒さの柔らかい羊革製チョーカー。
――こう表現すると聞こえはいいかもしれないが、一般的な感性を持つ者はこう呼ぶだろう。『首輪』と。
少女が先程まで想像していた、「首輪のように思える」ではない。ずばりそのものだ。

厄介なのは、男はしごく真面目な顔をしていることだ。男が時折みせる、からかう時の独特な笑みがない。
使い方を説明するつもりなのか、身に着けるようにジェスチャーをする。
それと同時に、己がつけている聖印を手に取った。どうやら、男が持つ連絡手段はそれらしい。

ナイト > 「むぐ、んぐ……んっ。尊重って言葉を辞書で調べ直すことをお勧めするわ」

頬張ったソーセージを呑み込み。
ツンケンとした少女の態度は変わらずだが、黒髪の隙間から覗く耳は赤く染まっていた。
何を思い出したか。可愛げのない態度も照れ隠しの一つなのだろう。

「なぁーんだ、これは普通の装飾品なのね。
 む……。わかってるわよ。
 これからは殴りかかる前に警告するし、極力暴力で解決しないように努力するから安心しなさい」

などと、まったく安心ならないことを口にして、とんっと軽く胸を叩いて見せる。
あくまで努力であり、問題を起こさないとは約束しないので、何も安心などできないのだが……。
少女はドヤ顔でにっこり微笑み、景気よくジョッキを煽りエールでのどを潤して。

続いて取り出された箱に目をやる。大小二つ、まず大きい方が開かれ、その中から艶のある黒のチョーカーが取り出された。
先ほど抱いた“首輪”と言う印象から、もうそれにしか見えない。
サファイアの瞳がすわり、ジトーッと男を見るが、どうにも悪ふざけでもない様子。
ますますたちが悪いと頭を抱えたくなってしまうのだった。
しかし、連絡手段が欲しいと言ったのは自分なわけで。無理を通して準備してくれた相手の努力を無碍にも出来ない。
ぐぬぬぬぬ……。そう唸り、悩んだ末に――。

「~~~~っ! わかったわよ、つければ良いんでしょっ! つければ……っ」

頬を膨らませながらチョーカーを手に取り、自ら首に巻き付ける。
狂犬に首輪とは。屋敷の兵達が見たらどんな顔をするか……。

ヴァン > 男は食事を既に摂ったようだが、少女が美味しそうに食べているのでテーブルの上を見渡す。フォークはない。
店員がスタウトを持ってきたが、男が何か言う前に立ち去ってしまった。

「あー……そうだな。これからはその前に、『俺にお伺いを立てる』を入れられるようになる」

伯爵が頭を抱える理由を察しつつ、数ある連絡手段から選んだのは間違いではなかったと確信しつつチョーカーを見せた。
少女の目が細められ、軽蔑とも不審ともつかぬような視線を浴びせられる。
最悪のケースでは殴り掛かられると警戒していたが、そこまでではなかったらしい。

「……うん、言いたいことはわかる。そういう反応が返ってくるだろうとは思っていたが、まぁまず話を聞いてくれ。
これはラインメタル水軍でも正式採用しているもので、俺の嗜虐的な趣味とは無関係だ。
咽喉収音器といって、喉の震える音を拾う。口の中で小さく唱えるだけでも受信側にははっきり聞こえる。
この部分を動かして通信のオンオフを行うが、魔力が少しでもあれば触れずとも簡単にできる。
屋敷で使っている魔導具をよりコンパクトにしたもの、と考えてもらえればいい」

頬を膨らませたことに苦笑しつつ、真面目な話なんだとすぐに表情を戻した。
チョーカーは喉の左右にあたる部分だけ、少しだけ肌触りが異なる。全体に柔らかい素材だからか、圧迫感はない。
ともすればつけていることを忘れそうだが、それはそれで問題になりそうだ。金具部分でオンオフの切り替えをするらしい。

「こっちが、君が聞くためにつけるものだ。耳たぶを伝わって聞こえるようになる。慣れるのにちょっとかかるらしいが。
そうだな……俺がカウンターまで行ったら、小さく何か言ってほしい」

握り拳大の箱を開けると、こちらには銀製のネジ式イヤリングが入っている。落ち着いた目立たない装飾品といえるだろうか。
男の言う事が正しければ、男の故郷での軍事用品一式を渡されていることになる。

男は席を立つとカウンターへと歩いていく。辿り着くと少女に手を振って背中を向けた。
少なく見積もって10メートル以上あるし、その間には利用客がたてる音がひっきりなしに響いている。
男の耳は常人よりは良いようだが、それでも少女の呟きを聞き分けることはできないだろう。

ナイト > 酒場のツマミはこう言うもの。特にフライドポテトやチーズなんてフォークでお上品に食べる者は滅多にいない。
郷に入っては郷に従え。庶民が気軽に酒に酔いしれる場にテーブルマナーは最低限で良いのだ。

「お伺い? そんなことしてたら、相手に逃げられちゃうじゃない」

何言ってるの? と言わんばかりのキョトン顔で首を傾げ返しつつ、話は進む。
疑心がたっぷり注がれた視線は彼にも伝わったようで、良い訳とも取れる弁明を織り交ぜながら道具の説明がされた。

「……それ、無関係だったとしても黙っといた方が良いと思うわよ。堂々と口にして良い類の趣味じゃないでしょ?

 ――軍で使ってるねぇ。ふーん、よくそんな物持ち出せたわね。
 忘れがちだけど、ヴァンもこれで一応貴族のはしくれってことかぁ……“アンタ”とは本当に気軽に呼べなくなるわね。
 ふむ、屋敷のアレと比べるとかなり小さいのね。それに、喉の震えだけで音を拾うって……」

色々と言いたいことはあるが、今は置いといて。と、手で虚無を持ち上げ脇に下ろすジェスチャーを挟み。
軍で使っていると言うだけあって、最新式のものなのは説明だけで理解する。
実際の使い勝手は試してみれば良し悪しも含めわかるだろう。
軽口を返しながら、続いて開かれた箱の中を覗き込む。そこにはシンプルなイヤリングがある。これまた銀製の品の良いものだった。
言われるままに人間の耳にイヤリングを嵌め、軽く頭を振って落ちないことを確かめて、席を立ち離れて行く男を見送った。

やがて、十分距離を取り足を止めた彼から合図が来る。この賑やかな店内では、幾ら耳の良い彼でも此方の声までは聞こえないだろう。
少女は半信半疑ながらそっと口元を手で隠しながら口を開く。

「――ヴァン、聞こえる?
 聞こえたら……そうね、ウィンクしてみて」

少し迷った末に、当たり障りのない指示を飛ばす。
本当はもっと目立つようなことをさせてみようかと悪戯心が湧いたが、後が怖いので自重した。

ヴァン > 「君は……同じことを伯爵にも言えるのか……?」

相手が逃げる、との言葉に男の口がぽかんと開く。男相手だから揶揄っているのか、心の底から思っているのか判別がつかない。
相変わらずジト目を続ける少女に対して、

「普段は黙ってる。君相手だから言ったんだ。
――兄貴にちゃんと筋を通して頼んだからね。海上は(おか)よりもうるさいことが多いから必要になるんだ。
まぁ……騎士爵だから端くれではあるが。本当に他の貴族連中が列席する場で言わないでくれよ。
他にも意識するだけで意思を伝えられるものもあるが、それは手で掴んだりする必要がある。戦う人間にはこれが一番いい。
さっきも言った通り、ネクタイ類で首元を締めたり、スカーフで覆ったりできるから装着していることを隠せる。
人の目がある所で内緒話ができる、って寸法さ。有効距離は魔力がなければ100メートル程度。あれば王都内なら通じる」

他の通信手段の存在を伝えつつも、チョーカーを選んだ理由を述べる。
少女に魔力があることは何度か手合わせした経験から知っている。男なりに考えて、使い勝手のよいものを選んだのだろう。


少女が小さな声で呟くと、ゆっくりと男が振り返る。
怪訝な表情をして、ぱちぱちと右目を閉じる。少女はこの店で新たに一つ学んだことができた。
ウィンク一つするのにも上手い・下手がある。

≪……ウィンクって、こういうのであってるか?≫

やや戸惑ったような男の声が聞こえたが、その聞こえ方は少女にとって問題かもしれない。
まるで男が耳元に唇を寄せて囁くような低い声が、両耳に聞こえてくる。
息遣いはないが、男が先程言った『慣れるのにちょっとかかる』というのはこのことだろう。

≪通信をオフにしている時は装着していたらイヤリングが震える。外していたら金色になる≫

囁き声を続けながら、道具の説明をする。
十分に連絡手段の説明はできた、と感じたのか男はテーブルへと戻ってきた。

ナイト > 「? 言うわよ?
 でも、私が何か言ったりしたりする前に、旦那様が支持をなさるから不本意なことも従うようにはしてるわ」

少女が問題を起こすよりも一手先を見通し指示を出す。伯爵は今までそれで何とか問題を回避してきたのだろう。
チェスが得意なヴァリエールだからこそ、狂犬の手綱を握ることが出来ていると言っても過言ではない。

だが、常に傍に置いて目を光らせているわけでは無い。
目の届かないところで娘が起こすトラブルに頭を悩ませている現状がある。
幸いなことに、他の貴族を殴り飛ばしたり、自ら決闘を挑んだりと言うトラブルは今の所は伯爵が知る限り無いはずだ。

そんな主の悩みを知っているのかいないのか、少女はケロリとした顔で頷くのだった。

「……その言い方は狡い。はぁ……っ、もう。

 お兄さんに? なるほどね、海の上でも使えるものなら音のやり取りは問題なさそうね。
 む。わ、わかってるわよ……。少し口が過ぎたわ。私も人前では気を付ける。
 ああ、それであの装飾品ってわけ。確かに、サイズ的にもこのチョーカーを隠すには丁度良さそう……」

口を尖らせて拗ねるのもほどほどにして、溜息を吐くと耳を傾け相槌を打った。
からかい半分で言った軽口だが、相手を困らせたいわけでは無いのだ。他の貴族もいる席では勿論慎むと肩を竦めて小さく頭を下げる。
チョーカーの効果範囲は想定していたよりもずっと広く、これなら王都にいる間は魔力さえ通せばいつでも連絡が出来る!と嬉しくなり、うっかり出てしまいそうになった耳を慌てて手で隠し隠し。戻して。


此方の声が聞こえた様子の彼の反応を楽しみにしていたが、こちらに向いたのは怪訝な顔?
少女はパチクリとサファイアを瞬かせ、男の低いテノールが返ってきた瞬間――。

「――ひゃっ!?」

イヤリングを付けた耳を手で押さえ、小さく椅子の上で飛び上がった。
まるで耳元で囁かれたような近さに目を白黒させて、変わらず囁き続ける声にくすぐったくなり、途中で外しテーブルに戻ってきた彼を見上げ。

「……と、とりあえず、使い方はわかったわ。説明ありがとう」

慌てて取り繕う少女の頬は赤く、視線はすぐに逸れてそっぽを向く。