2025/11/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にケストレルさんが現れました。
ケストレル > ある日の冒険者ギルド、その片隅
依頼が公示されている掲示板の前で、ケストレルは貼り出されている依頼を眺めていた
既に今週は幾つかの依頼をこなし、当面の生活費には十分過ぎる程の資金を得てはいるが、
かと言って冒険に出ないで居れば身体と勘が鈍ってしまう
なので、難度のわりに報酬が乏しい依頼を探しているのだが…

「まあ、そう都合のいい依頼なんてある訳無いわな」

そもそもが一般的に割に合わないと判断された依頼が公示される事自体珍しい方ではある
そういうものは大抵、職員の手元で保管され、然るべき冒険者へと回されるものだ
……然し、先刻受付で訊ねてみたところ、『今トリーさんに回せるのは無いですねー』と良い笑顔で返されてしまった
笑顔の裏に『そういう依頼ばっかりじゃなくてまともな依頼こなしてください』という意図が見え隠れしていた

「……気を使ってくれンのはありがたいけども……」

好きでやってる事なのは互いに承知の上ではある
ただ、ギルド側の言い分としては、ケストレルくらいの経験者であれば相応の依頼をこなして冒険者全体の士気を高めて欲しいという意味合いもあるのだろう
分かるんだけどさあ、と掲示板を見遣ったまま独り言ちる

ケストレル > 小さく肩を落とし、他の冒険者たちに場所を譲るべくすごすごと掲示板前から退いて
近くの空席を見つけると、よっこいせ、とばかりに腰を下ろした
中堅どころは辛いよなあ、なんて誰に向けた訳でもない呟きを溢し

「まあ、せっかく都合の良い依頼が無いって嘆くんなら
 ムチムチボインな女の子と同行出来る依頼が無いーとか、そんな風に落ち込んどきたいわな」

当然、そんな依頼も無い
否、あるかどうかすら確認していない、と言う方が正しい
要するにケストレルなりに気分を前に向かせようという軽口である

自身と入れ違いで掲示板前へとやって来た、新人パーティを眺めながら再び小さく溜息
騎士と冒険者の働き分け、なんて面倒な立場でなければ固定のパーティでも組むのにな、
とは思うもののどうしようもないものはどうしようもなくて