2025/11/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都に幾つか存在する冒険者ギルドの支部の一つ。
とは言うものの、その実態は冒険者が客として集まる酒場兼宿屋であり、
申し訳ない程度に店内の掲示板に日銭を稼ぐための依頼文が貼られているに過ぎない。
それでも、1階の酒場では冒険者を始めとした荒くれ者や、彼らを相手に春を鬻ぐ娼婦、
その他にも飲食の為に訪れた一般客達にて相応の賑わいを見せていた。
その賑わいの中心、客達がそれぞれの卓にて同席の身内や仲間と思い思いの
時間や食事を愉しんでいる中で、独り、周囲の卓の客にちょっかいを掛ける中年男の影が一つ。
本来であれば、嫌われそうな行為であるが、誰も文句を言わず、また、店主も黙認する理由は至極単純で。
「いやぁ、運が良かった。ゴブリンの懐を漁ったら、まさかの宝石を見付けてよぉ。お陰で俺の懐が潤ったぜ。
お、グラスが空じゃないか? マスター、俺の奢りで同じのもう一杯。ほら、乾~杯~♪」
等と、傍迷惑ながらも、明快にて、周囲の客達に見境なくも奢りを振る舞う故。
奢られた方は多少困惑するも、ただで酒が飲めるとあって強く文句を口にする事もできず、
店主も彼のお陰で儲かる上に支払い許容額も抑えている為に、この行為を見て見ぬ振りをする始末。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/神殿図書館」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > ボンファイア・ナイトという風習がある。クリスマスやラマダン、盆同様、マグメールには存在しないものだ。
しかしそれらと同様、似たようなものがある。
『ガイ・ナイト』
貴族を狙った暗殺事件。その背景にはヤルダバオートを柱とするノーシス主教と、当時勢力を伸ばしていた異端派との対立があったという。
今では異端派が奉じていた神の名は忘れ去られ、資料にも残っていない。まるで恣意的に歴史から消し去ろうとでもいわんばかりに。
ラインメタルでは暗殺者を模した等身大の藁人形を焼き、貴族の生存と統治、宗教による安寧を感謝し祝うこととなっている。
いわゆる地方の伝統行事であり、宗教行事だ。主教の敷地内で行われるのが許可されているのも、その由来による。
夜。平民地区大神殿に併設する図書館前。五十人ほど、この時間にしては結構な数の人がたむろしていた。
図書館でよく見る子供たちとその保護者、図書館が生息域の学生らしき少年少女とその連れ。
このイベントに参加する者達だ。イベントといっても、副館長が歴史を伝え、藁人形を燃やし、お菓子を配るだけのもの。
ほぼほぼ全員がお菓子目当てだ。配られる菓子袋には、富裕地区の名店の品が紛れ込んでいる。
「去年より少し多いな。この調子だと、来年はもっと声をかけないとだめか……?」
数年前は誰も来ず、男一人で藁人形を焼く寂しい行事であったが、今ではイベント運営を手伝ってくれる人達がいる。
年の頃十ほどの黒髪の少女、懇意にしている主教のシスター、図書館の同僚……
お菓子袋を配ってもらうのが主な仕事だ。視界の端で黒髪の少女がお菓子を頬張った気がしたが、見なかったことにする。
■ヴァン > ――11月5日を忘れるな。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/神殿図書館」からヴァンさんが去りました。