2025/10/29 のログ
イグナス > そうそう、簡単におもろいことが転がってるわけもなく。
ふむ、とちょっとだけ肩を竦めて、歩き始めるんだった

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/露天市場」にアシュベールさんが現れました。
アシュベール > 普段、貧民地区に店を構える少年ではあるが、立地的な問題もあり、その魔道具が他者の手に渡ることは稀である。

そういう時、利用するのは平民地区の露天市場だった。
老若男女問わず、自分たちのとっておきの品を並べ、路を歩く王都民や冒険者に見て貰う。
店を持つ存在ではあるが、貧民地区の店の主が誰かの許可を取るわけでもなく、平民地区で商売をするにはもってこいの場所だった。

「―――今なら薬が安いよ~。
 魔道具も売っているよー。」

喧騒の中では掻き消えるような、少年の小さな声。
しかし、僅かに魔力を含ませて、聞こえる人には聞こえるようにしていたりもする。
腰掛けた茣蓙には【SALE!】と書かれた木材の看板。
其処に並ぶのは、赤、青、緑。様々な色を持つ瓶入りの液体と、宝石箱に入った指輪が数個。

はたから見れば、外見年齢もわからないローブを纏った小さな男が売っている謎の製品。
しかし、例えばその相手が冒険者や薬に詳しい薬師等であれば―――。
其処に並んでいる道具のひとつは所謂ポーションであり、その品質が非常に高い事が分かるだろう。
他にも精力剤や、睡眠導入剤。卑猥な塗り薬。色に合わせた効果を持つそれは、平民地区の薬屋で買うよりも、随分と安価である。

他にも、濃厚な魔力を宿す指輪が魔道具であり、少なくともこんな露店に並ぶものではないと気づける人もいるかもしれないが。

―――まずは手に取ってもらうことが大事。
そのため、少年は傍らに宝箱を置き、その中から取り出した鉱石を磨きながら、誰かの来店を待っていて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/露天市場」にネーラさんが現れました。
ネーラ > 魔力の乗った声ならば、魔女の耳に聞こえるのは道理。
その魔女が、ほう、と呟きながら店の中に入ってきた。
が、この魔女はおよそ魔女らしい服装はしていない。
どこかの娼館の関係者か何かのような雰囲気。
長袖で、胸元が空いたハイゲージのニットワンピースとストッキングを着て、レザーのショートブーツを履いた、褐色肌に丈長い銀髪の妙齢の女が、真剣に道具の数々を見ている。

ふむ、ほう?これは…

出物ではないか…

きっとこれを作った攻防はよほど腕が良いのであろう…と思うが、それにしても安い。
指輪から漂う魔力の仕上がりも、これは…とみる眼差しを正す出来。かなり真剣な目をしている。これは財布を開けるつもり満々の表情。
買うことを前提に、いささか確認したくなり、品物から目を挙げ少年に彼女は問う。

「丁稚奉公のところ悪いが……つかぬことを伺うのじゃが、これは本当にこの価格で買っていいのか…?」
値札が間違ってはいないか、とメガネの向こうで心配そうな目をしている。
そしてあまりに店主が若いので、丁稚奉公の小僧だと思っている。まだ魔王に連なる何者かであるとは気づいていない。

アシュベール > 肌寒い冬の空。露店と言えど、簡易テント等を展開している。
風を遮る生地で作ったそれの入口が、ぺらり。とめくれたのは、長身の女性が入ってきたからだった。
見た限り、そういった道具が必要とは思えない。――残念ながら、少年は外見だけだと娼館等に行くこともないので、彼女がどういった存在だかは気付けなかった。
しかし、真剣な眼差しを床に敷いたマット。其処に並ぶ様々な魔道具に向ける様子を見れば――。

「いらっしゃーい。ゆっくり見ていってねー?」

誰かが来るまで時間が経過していたからか、わずかに眠たげな響きを混ぜ込んだ声。
魔物の濃厚な魔力を活用した魔道具は、どうやら彼女のお眼鏡に適ったようだ。

「――ああー。これは、ぼくが作ったものだから奉公じゃないんだよね~。
 こう見えて、錬金術士みたいなもので、色々と作っているんだよー。

 ……で。値段だけど。
 本当にこの価格で買って良いものだよー。何せ、素材にあまりお金がかかっていないからね~?……その分、利益も出るからこのお値段ってわけー。」