2025/10/27 のログ
■イグナス > さて。どれくらい待ったか、しばらくしてようやく雨もやみ――
大男の姿は街の中に消えていって、とか
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「にわとこ商会」にネーラさんが現れました。
■ネーラ > 秋の午後。昼。
まあ100年以上生きているので慣れっこなのだが、程よく思春期に差し掛かった少年たちが、ふらっと店に来て、棚を一通り見るのはよくある。
その時にチラチラと店主、つまりネーラを見ることもよくある。
「……文房具でも買いに来たのか?まあなんでも良い。適当に見ておれ」
そして朝刊を適当に読んでいる。
今日の服装はハイゲージのチャコールグレーのニットワンピース、タイトで膝上丈。
黒いストッキングに紫のローヒール。
せいぜい薄口のときめきに鼓動を早めておれ。今しかないぞ。
ネーラは無言で、メガネの向こうに少年たちを見ながら、もう慣れきった様子でその向こうの街路も見つめている。
冒険者が入ってきて消耗品を買って帰ったりもする。
近所のおじさんが来て雑談していくこともある。
少年たちは近所のおじさんがくると、さっと店から出ていく。
恥ずかしいのだ。
ところがこの近所のおじさんも大体20年前はネーラさんに幻惑されてきたのである。
ネーラもおじさんも思いっきり苦笑している。
■ネーラ > 「お主の好みを曲げたことについては誠に申し訳ないが」
ネーラさんが天然であまりにどエロいので、褐色肌の女性が性癖になってしまい、やや青春を拗らせたのがこのおじさんであった。
「…まあそのあと無事に幼馴染と結婚できてよかったではないか。」
このおじさんも大人になるとネーラさんがただの雑貨屋のお姉さんではなく、むしろオババ枠であり、(外見年齢で接するのが平和に生きるコツじゃぞ:ネーラ談)いやそれどころか高レベル魔術師であり半端ない…ということを理解してしまった。
薄口のときめきについておじさんと雑談している合間、時々お子達をあしらいに席を立つ。ほらほら夕方になるぞ、はよ帰れ。
薄口のときめき。すなわち実際に童貞を捨てた大人になってから感じる青い味わいである。ちょっとエッチてマジでちょっとえっちだったんだよねとおじさんは言った。
そう、意外と出版社は寸止めしているのじゃよ云々。
「まあその中でなんとか作中に捻り出されるデッドボールに深い味わいを感じるべきじゃな…」
童貞でなくなったからと言って今日から世界が変わるわけではなく。むしろ自分は自分のままであると気づいてからが人生じゃな、ともネーラは言った。
適度に中身のない雑談をしておじさんも帰り、店の中にいま人気はない。
とりあえず、ネーラは壁にかけてある箒とちりとりを手に取り、店の前を掃いている。だんだん落ち葉が増えている。もうじき冬であろう。
■ネーラ > がさ…
がさ…
落葉を集めてゴミ箱に捨てる。
いかな賢者とて、なんでも魔法で済ませているわけではない。
普通に手を動かせば済むことは、皆と同じようにやっている。
箒を石畳について、首を回している。