2025/10/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にネーラさんが現れました。
ネーラ > ある日の平民地区、鍛冶屋の軒下で一本の剣を買うネーラ。
膝丈の七分袖ニットワンピース一枚、靴はくるぶし丈のブーティ。

「……依頼の通りの仕上がりにはなったが。あとはこちらで必要な術式を付与することになる。真銀製ブロードソード、剣聖拵一振り。光子収束術式付与。魔法剣士であればこれで百人力やもじゃが。」

店のしつらえは小さいが重厚で、いい仕事をしそうな町の独立系店舗というところ。
鍛冶屋の主人はエルフとドワーフの夫婦。エルフが魔法面の設計をし、ドワーフがものを鍛える。なおエルフが男性でドワーフが女性。

剣を手に取り、軽く持つ、あるいは振るう。
ネーラは護身程度の剣術しかできない。

「大抵は自力でなんとかできるが、私は魔法専門じゃ。万が一魔法が封じられた時のためにと思ってな?……これに、剣聖の擬似人格をつけるか、適当な精霊なり霊魂なりを封じて私のサーヴァントとする。まあインテリジェンスソードと言う程度か。そのようには考えているが…」

ネーラの言わんとすることはこうである。
剣に自ら反応させ、戦わせる。

ネーラ > どのように必要な知性を付与するかは、いくつかのアプローチがある。
人造人格は単純だが誤りない。
霊魂付与は柔軟な知性を持ち人間の戦術センスで戦えるが、持ち主に逆らう可能性がある。
理想を言えばどんな剣聖の斬撃にも対応できる速度が欲しい。刃を受けきるだけの剛性もいる。全部を兼ね備えたものを即金で作るにしても、ネーラの資金では一本が限度ではあった。

「欲を言えば7本くらい欲しいのじゃが」
厳しそうな顔をする店主夫婦。
「7は完全数。その本数にすることで術式自体に強化がかかりさらに効率良くなるが…どうじゃろうか?…そうか、ならぬか。」
以前彼ら夫婦のピンチを軽く助けた時の貸しと引き換えにしよう、と思ったが。6本の魔剣の代金としては足りないようである。

「商人としては正しい。」
代金は前払い済みだから問題ない。

他にも、発注していた装備をさらに引き取る。

真銀のメガネ、樹齢500年のトレントの骸で拵えたスタッフ、クリスタルのアサメイ。
アサメイは魔術用の短剣で、生物には頼りないが、ネーラの手に持てば霊魂を断つことが可能になる。

「私の実家の真銀の帷子が一つあるんですが、あれ古くなってきまして、要りますか?」と店主のエルフ曰く。

いらないのならば是非いただきたい、とネーラ。
突き刺されても刃傷を負わない魔法がかかっているというのだ。
あれを溶かして糸にして…とネーラは希望するが、金属の紡績は高いですよ、と止められる。
「…じゃが鎖帷子という柄ではない。なんとかならないかのう?」

ほかにも、あーでもないこーでもないと雑談と装備のネタ出しの話は続く。


ネーラさんは、ただの色ボケ風の店主ではないのだった。

ネーラ > 最近ぼちぼちとネーラからの発注依頼があるので。冒険者にでもなるのですか、とドワーフのほうが聞く。

「ああ、これは、必要な素材を自分で取ったほうが早いのではと思ってな。
 冒険者に依頼するのは楽なのじゃが、高等な素材となるとこなせる冒険者が限られる。自分で採ったほうが早い。」

多少狩には覚えがある、とネーラ。
店の経営ができ、娼館とも関わりがあり、素材が取れて、レベルの高い魔法使い。
どれだけのことができるのか、と人間なら思うが、エルフとドワーフであるこの夫婦は、当たり前ですねえ、と言わんばかり。

「大体10年やれば一人前になるからの。」とネーラ。
「あとはそれぞれ時間をかければいけますね」とエルフ氏。
「何か新しいことをやっていないと、頭が鈍りそうでな」

と、言いながら冒険に使う魔獣の革でできたベルトを買い、腰に巻く。
ナイフのホルスターにアサメイを納め、片手に身の丈の霊木スタッフを持つ。

「うむ、悪くはない。」
そのまま、鎖骨のあたりの空を掴み、引くようにすると、空間に収納しているいつも使用している魔女の白いケープが羽織られる。
「サマにはなっておるな…」

まだ本日のお買い物は続く。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からネーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にネーラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からネーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にラリーさんが現れました。
ラリー > 平民地区内のその小さな古書店は、わりと地区の中心の近くにありながらほとんど目立たず、立ち寄る者もそう多くない。
また古書店という性質上、商品の劣化を避けるために出入り口の向きなど日差しが殆ど入らない設計になっていて、店内は薄暗い。
そんな店の奥、接客カウンターの向こうで椅子に座って文庫本を読んでいる店番らしき少年の姿があった。

この店は少年の実家が経営しているもので、書類上は別の人間を立てているが実質的な店長は少年が務めている。
それ故、この店は少年にとって学院の図書館以上に自由のきくテリトリーである。
獲物となる対象が訪れれば、ほぼ確実に術中に囚われる羽目になるだろう。
もっとも、客足の少なさから獲物の出現は図書館以上に運任せではあるが…その時はその時、が少年のスタイル。
ただ静かに、読書に没頭しながら客の訪れを待ち続ける。

なお主な客層は通常の書店では見つからないような商品を求めるマニアックな本好きか、
遠方の客との本のやり取りの依頼を受けた冒険者あたりとなる。
少年の修理の腕はそれなりに定評があるため、そうした依頼もぼちぼちやってくる。

「…ん」

そうしていれば来客を告げるドアベルの音が響いて、少年はゆっくり本から顔を上げ
珍しく現れた客の姿を視界に入れた。
さてその客は少年の獲物になりうるような者なのか、それともなんでもない一般客か…。