2025/10/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 歓楽通り」にドリィさんが現れました。
■ドリィ > 平民地区――通称 “歓楽通り”。
読んで字の如く、娼館や酒場、逢い引き宿に賭博場等が軒を連ねる繁華街だ。
ハイブラゼール程では無い。されどもその通りを擁する区画の醸す猥雑さは、
夜こそ活気づく不夜城をひとところに凝縮したかの趣を呈していた。
露出の高く生地の薄いドレスを着飾った女達が立ち、男が吟味し、立ち止まる。
何方ともなく耳元で囀っては男が女の腰を抱き、或いは女が男の腕を引き、
けばけばしい極彩色の魔導燈の光届かぬ暗がりへ潜ってゆく。
「――――…まぁまぁ、歩きづらいったら。」
そんななか、小声に嘯く女はまるで歩きづらさなど何も感じぬかのよう、天鵞絨の毛並みの黒猫じみて優雅に闊歩する。
一瞬此方に目を向けた男が、何かを――恐らく誘い文句を発しようとしたけれども、
すぅと夕暮彩の流し目をくれるばかりに、女は我関せずに歩を進める。
格好を見れば娼婦で無いのは一目瞭然、けれども妙に堂に入った、ひょっとしたら――酷く目を惹く風情にて。
別に、何となく気紛れに――懐かしい雰囲気漂わすその道を通っただけなのだけれど。
■ドリィ > 気紛れな黒猫めく足取りは、人の波を滑り抜けるよに雑踏の間隙を、泳ぎゆく。
扠、何処に向かうやら――、それは女の気の向く次第にて…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 歓楽通り」からドリィさんが去りました。