2025/08/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にオルヴィさんが現れました。
■オルヴィ > 今日もよく働いた。――否、よく射った。
弓使い銃使い等、何らかの射手であれば、ひとつ得することがある。
自分にとって有利な射撃点を確保していれば、単身で複数体の敵を制することができる。
例えば、小規模なゴブリンの群れの退治がその典型例をとも言える。
外そうと思わない限り、自分の矢は大体にして狙い通りに当たる。
であるならば……依頼通りに群れを潰して証拠を剥ぎ取り、たまたま見つけた薬草を三株程、帰り道に採取しておく。
この組み合わせがどうなるか。薬草は自分のポーション作りにも使うが、時たま採取の依頼が挙がるもの。
時期が噛み合えば、例えば晩夏に採取の依頼が上がり出すと知っているのであれば、予めそうしておくことで……。
「……――嗚呼。偶には、良いかも」
夕刻を過ぎ、夜を迎え始める平民地区の冒険者ギルド。
隣接する酒場の片隅の卓に座した少年がぷはぁと口をつけた杯から唇を放し、甘い匂いを伴わせながら息を吐く。
卓上に広がった食事は沢山食べる肉体派には、慎ましい位の分量だが、でんと置かれた瓶が目立つ。
淡く甘い匂いを放ち、冷やされて汗をかいた瓶の中身は、少々お高めの林檎酒だ。
空いた椅子の背凭れに矢筒と弓入れを引っかけ、吞んで食い、幸せそうに長い耳の先を揺らす。
見た目は少年のよう。中身も少年そのもの。
今の住処である学院の寮でも出来なくもないことだが、性分的にこちらが気楽でいい。
■オルヴィ > 「矢の追加はー……明日で、いいか……」
酒の強さはそれなり、と思っているが、それなりという認識が厄介だ。
この歳にして呑み友達なんて言えるものはなく、そもそも友達?というものがいないと言われたら、返す言葉がない。
調薬用途で蒸留酒は少量、寮にストックしているといっても、それは飲酒用ではない。寧ろ強過ぎて苦手だ。
だから、此れ位が良い。ちびちび嗜むのが良いのであって、景気よく呑んでしまうとこうもなる。
フワフワしていい気持ち。これだから、癖になって仕舞いそう。子供は呑むな?それを言ったらお終いだ。何が?何かが。
「……あー。そろそろ休みも、終わりだったっけ。んー……まぁ、いいか」
夏のこの時期、学院の講義が幾つか休みになっていたりするものだが、そろそろその時期が終わりそうだ。
街の実家や故郷に戻っている者も居るが、そんなものがない者となると、暇と欲を持て余す。
であれば、何かやって稼ぐしかない。手っ取り早くもないが、腕に覚えがあるから狩りをやって小遣い稼ぎもしなければ遊びようもない。
もーいっぱい。空になった杯にしゅわしゅわ泡立つ果実酒をたっぷり注いで、もう一杯。ぐびり。ぷはぁ。
並べた皿の上には、量は少ないが肉と野菜を挟んだパンがあり、付け合わせとばかりに蒸かして潰した芋も添えられている。
小さい口で齧りつき、芋を掻っ込んで、もう一杯。ついでにもう一杯。いい気分だ。