2025/08/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からクリストフ・ブラックさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にさんが現れました。
> 平民地区の片隅。夜の帳が下り切り、街がどっぷりと闇に沈んだ頃に魔女が営む魔道具雑貨店は店を開ける。
知る人ぞ知るその店には、冒険者や学生、時々貴族もお忍びで来ると言う。
今宵、噂の店へと訪れたのは白髪の少女だった。
少女は燃えるような緋色の瞳で、窓から店内を見渡し、ほかに客がいないことを確認してから、ゆっくりと扉を開く。

カランカラン……。と、軽快な音を立ててベルが鳴る。
それに少し遅れて、カウンターに座る店主らしき女性が此方に視線を向けた。

「…………」

軽い会釈を交わしつつ店内へ足を踏み入れ、早速目的の品を探し始める。
買い求めるは、術の効力を上げる、または持続時間を伸ばすような魔道具。
もしくは、其れ単体で身体の変化や、他者の視覚を騙すもの。
前者は冒険者や学生が買い求めるため値段が張る可能性が高い。
後者は、ミレー族やそれ以外の異種族が隠れ住む王都の中では重宝されるものなので、数は出回っている。

さて、良い品があれば良いのだが……。

> 指輪、腕輪、ペンダント、髪飾り……。
身に着ける形状の魔道具が棚の上に並ぶ。値段はまだ手が届くものがほとんどだが、効果の説明はない。
見ただけでどんな力を持つかなどわからない少女は、店主へ振り返り。

「……すみません、此処に並ぶ魔道具の中に魔術などの効力を上げるものや、持続効果を高めるものはありますか?」

淡々とした抑揚のない声だったが、店主は嫌な顔もせず、顎に人差し指を当て、艶っぽい唇に弧を描く。
彼女が言うには、そこに並ぶものは安価なもので、変化の魔法を使えるようになるものらしい。
つまり、

「ここには、無い。と、言うことですね……。他の場所ならある?」

緩く首を傾げて問いかけると、彼女は肩を竦めて首を横に振った。
つい先日までは魔法の効果を上昇させる指輪があったが、冒険者が買ってしまったそうだ。

「そうですか。残念です。
 また、店頭に並ぶ可能性は……?」

無いものは仕方ないと引き下がり、それでも入手の方法を探して尋ねる。
すると、彼女はまた少し考えるような表情になり、約束はできないと言う。加えて、一つの事を教えてくれた。
平民地区で魔道具を取り扱う店は多いが、他の店では値が張ってしまう。予算が限られているなら、方法は二つ。
迷宮に潜り自分で探すか、貧民地区の方に出回る魔道具から目的に合うものを探すこと。此方であれば手間はかかるが、金額は正規で買うより安く済む。
少女は彼女の話を一通り聞き終え、なるほどと頷いてから思案し考え込む。

> 買い物も勉強の一環。目利きは目を鍛えることで、鑑定士には及ばないが物の良し悪しを判断できるようにはなる。
師曰く、そういうものらしい。
魔道具を買うために貰った小遣いで、変化の魔法が込められた魔道具なら買うことは出来るが――。

「……承知しました。丁寧な説明、感謝致します。……考えて、みます。
 ので、今日は一度帰ります」

納得いくものを買って報告したい。
結論から言うと、少女は財布の口を閉じたまま店を後にすることを選んだ。
店主は少し残念そうに微笑むが、「またいらしてね」と妖艶な笑みを浮かべて少女を見送るのだった。

カラン、カラン……と、ドアベルが響き、また店には女店主一人。静かな夜を過ごす……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にセラフィーナ = ハーデン さんが現れました。
セラフィーナ = ハーデン  > 夕暮れ時の食堂街は、様々な香りが混ざり合い、賑やかな喧騒に包まれています。
左手の串焼き屋からはジューシーな肉の香りが漂い、店主の方が大きな声で「今日の特選は竜の尾肉の塩焼き!」と叫んでいます。
…本当にそんなものがあるのかはわかりませんが、漂う匂いは大変食欲をそそります。

「…結構なお値段するんですのね。」

ワタクシは財布の中身と見比べ、どうするか決めかねています。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からセラフィーナ = ハーデン さんが去りました。