2025/06/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からラリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 廃神社」にキタさんが現れました。
■キタ > 街の奥、森の入り口から微かに伸びる朽ちた石畳の参道。それを抜けた先に篝火の灯る廃神社が建つ。参道を挟むよう立つ篝火の灯を頼りに、
賽銭箱の後、本殿前の階段で読書に勤しんでいた。
「嗚呼……いい勉強になったわ。」
目を通しているのは歴史書の類、とある童より神社の事を聞かれ上手く説明出来なかったことが心に残ったよう。
歴史を知り、語り部としての物語を読めば少しは勉強になるだろうと。
ただ、揺れる篝火を頼りにしていたためか視界が少し安定を欠いた、本を閉じ傍らに置くと空を眺める。
いつもは真っ暗闇、降るような星空を眺められるが、今は篝火のせいで少し遠い。
しかし、それもまた是。内なる存在からすれば火の揺らめきこそが夜の灯なのだから。
ただ、そんな平穏な光景も、外から見れば廃屋に灯る篝火の横に人、という怪しげな儀式や異形の類を連想させるかもしれない。
■キタ > 森を抜けてゆく風は、陽の無い夜には心地よい。時折強く吹く風が虎落笛となって抜けてゆくけれどそれはそれで賑やかに。
階段より腰を持ち上げて足を向けたのは手水舎、瞳と同じ赤色の炎を反射し煌めく水面を見下ろしながら、そこに映りこむ自身の顔、頬に手を当てる。
「ふふ……、本当に良い。 嗚呼もしこの顔だったら……もしこのカラダだったなら」
『アイシテクレタ?』
その言葉は口にこそ出なかったが女の根源たる想いそのもの。
ぴちゃ、と水面に波紋を広げた赤いもの……それが血液や涙ならどれだけ可愛いものだろう。今落ちたのは醜くも長い舌。
それが整った顔を映し出す水面をかき混ぜる。
灯の無い夜はやはり、安定を欠く。そう自覚するからこそこの場に留まってはいるのだが──。
篝火と同じく揺れる心根。水面より顔を上げると伸びた舌をそのままに、また空を眺める。
最早星になる事すら許されぬ身、だからこそ、星に憧れもする。
■キタ > 既に時刻は深夜に片足を踏み込んだ頃。どうしても抗いきれない衝動に草履を引き摺る音が森から街へと向けられた。
篝火が消えても尚、その姿が現れる事なく
代わりに街で長い舌の物の怪。其の目撃情報が広がった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 廃神社」からキタさんが去りました。