2025/06/29 のログ
憂炎 > 一歩ずつ歩む、度、度。
膝頭が衣擦れする、音、太腿が擦れ合う、音、滑らかな黒髪が夜風に揺れて頭の角が白絹を不規則に揺らす、音。
目は使い物にならないけれど耳から伝わるそれらが徐々に徐々にと彼女の像を綴じた瞼の裏へと書き込んでいく。

うっかり誰かと間違える、事なく、昨年の夏にふと繋いだ縁の持ち主であると改め認識する。

「名前?」

サングラスを外しても綴じた瞼は変わらないが形がやや怪訝な感じに。

「あれ、言われてみれば、おかしいな、去年の事とはいっても……あ」

甘味屋で『あんみつ』を馳走した折に確か……名乗った……ような……?
等と思い起こしてみたが思えば記憶が定かでないような気もするから不思議。
腰が痛いの膝が痛いの、見目と実齢のわりには年寄りくさいが頭の方まで年寄りにはなっちゃいないはずにしても朧げ過ぎる。
じゃあどうして名前がこんなにすんなりと出たのかという疑問は丁度彼女が連想した頃合いと同じく――

「ッハハハ。いや、いや、だったら、去年に“はじめまして”は失礼だったな」

十年前に、目がまだ開いていたときに、戦場の戦が終わったその後の惨状に彼女を見たのだったと記憶が蘇ればまた笑気が零れ出る。

「改めまして、久しぶりだね、枢ちゃん。
 ……お互い様変わりしたものだ、いや、見掛けはそう変わっちゃあいないが他に色々と」

くつくつ、くつくつと、頻り頻り喉が鳴っては可笑しそうに零れ出る笑気は止まらないながらに頷いた。

枢樹雨 > 真っ先に思い起こされたのは、黒い蜜の甘さと喉を通り抜ける寒天の滑らかさ。
また食べたいな…なんて、いまだに肉体あってこその体験に飢える妖怪。
しかし"そう"なるよりも前。
年数にしてみれば大したこともないはずなのに、酷く遠く感じる記憶。
其処に見つけた貴方という存在。
これはいったい何であるのか。戸惑いに仄暗い蒼が揺れる。

―――と、貴方が笑った。
記憶と共に遡る意識を"今"へと引き戻されれば、改めて貴方の顔を見遣り。

「………火花?…本当?」

あれが自分であったのかすら曖昧。
だからこそ同じ記憶を思い起こしたかのような貴方の言動に、瞳見開かずにはいられない。
憂炎と共に教えられた字名。無意識に薄い唇で紡いでは、左の手を伸ばす。

ガラスボトルに浮かぶ沢山の結露。それに濡れた細い指先。
貴方の目元に触れようと。

憂炎 > 滑らかなあんこ、歯応えのある白玉や色鮮やか……であるかは伺えなかったけれど瑞々しいキウイや蜜柑の優しい甘さに黒蜜の濃厚な甘さ。
記憶というのは景色よりも音よりも味こそが一番残るというが成程思い起こすと舌にそれらが乗っかった感触が一番思い起こしやすい。
『美味しかったよねぇあれ』だとか『今度また食べに行こっか』などと言うより先に甘味をよく鮮明に蘇らす前に。

「そう、あの“火花”。ものすご~いスピードでさ、こうした」

黒い手袋に包まれている手指のうち人差し指をちょこんと持ち上げて己の唇に当てる。
面白可笑しく撓んだ唇を人差し指が叩いて、彼女の唇を指して。

「……不思議なものだ、本当に不思議だ、何で去年は思い出せなかったんだろうなあ」

自慢の豪脚と必殺の貫手を、止まったのでなく止められたのは本当に数少ない珍しい体験だった。
どうしたもんだこれ! 等と悩んで悩んで取った手段を笑い話にして笑いながらも不可思議さには首傾げ。

「あのあと間もない」

かつては、鮮やかな瞳が彼女を見据えていた、去年も今もそれはもう瞼がすっかり塞いでしまっている。
たどたどしいほど、おっかなびっくりか、おずおずとも伸びてくる手指を厭うでもなく触れさせれば、
眼球ではない代わりのものが詰まっているらしい感触が瞼越しに感じられるだろうし目元も患いに強張っている。

枢樹雨 > 黒の手袋に隠れた手。それが、人の子を形作った己の手とは随分違うこと。
昨年の夏に知ったことだけれど、それ以上に知っていると記憶が訴える。
店まで案内しようと優しく包む温度と、襲い来る猛禽類の鋭さ。
相反するそれを飲み込むつかの間、一本の指が互いの唇を示すなら、それに伴う温度を思い出し。

「………不意打ち、だった。…今考えてみても、意味がわからないよ。」

意味はわからないが、争いを避けるという意味では間違いなかったと言わざるを得ない。
少し首を傾げれば、さらりと流れる長い前髪。
覗く仄暗い蒼はあの時と変わらない。―――その色だけは。
対して貴方のあの鮮烈な赤はどうだろう。
触れた目許。瞳は瞼に隠れたまま。指先は壊れ物を扱うように瞼を撫で、その感触を確かめて。

「美味しそうな赤だった。勿体ない。」

それは無意識の呟き。
細められた仄暗い蒼が再び揺らめく。此度は戸惑いではなく、妖しく、深海を覗き込んだかのように。
指先は名残惜しむように瞼を撫でた後、そっと離れていき。

「それにしても……、老け込んだね。」

傾いだ首を元に戻せば、前髪に隠れる蒼の瞳。
同時にしみじみと紡がれた台詞は、淡々と抑揚ないが無邪気に無遠慮なそれで。

憂炎 > 「戦術的判断と、加えて、私情少々やぶれかぶれが極僅か、かな?」

うまくいったろう、などと歴戦の兵感は出しちゃあいるけれど……。
すっかり失せてしまった赤色だけれど、あの頃みたいな若々しさももう無いけれど、
悪戯っ気な笑みばっかりは変わらず悪戯大成功と言わんばかりに八重歯を覗かせ笑う。

「我ながら痛恨の出来事だった、お陰で随分とまあ苦労する羽目になったよ」

目を失った経緯を掻い摘んで話す最中も、目を失った当初は怒りやら悔しさやらも滲ませたものだが今だと笑みもそのままつらつらつら。

「多分あんみつよりは美味しくないから止めといたほうがいい」

美味しそうだなんて物騒な台詞も、ふと、見えていない筈の瞳と綴じた瞼が揺らいだ瞳にぴたりと合ってから可笑しそうなまま首を振り。

「ところでそれより何より今聞き捨てならないことが聞こえた気がしたが気の所為だな?
 “昔より格好良くなった”というのをきっと聞き間違えたんだと思うがもう一度言ってみてくれ」

それより何より、そんな事より、『老け込んだ』等と言われて確実に聞こえているのだが聞こえないふり聞き間違いした振り。
ん~? と耳に掌をあてて大げさなまでに彼女の一言を聞き出そうとする真似をしてから、最後に物凄く小声でぼそりと、
『聞き間違いじゃなかったら尻百叩きじゃ済まさんぞ』云々こっちはこっちで物騒? な台詞を零している。

枢樹雨 > 「よく、思いつくね。…でも、それが存外心地良かったから、こうしてこの身を確かなものにできたのかもしれない。」

いまだによく解っていない、自身がこの肉体を得た経緯。
思えばあの日も己は実体があったのだと、今更な驚きを感じ乍らに、貴方の瞼の温度残る指先を胸元に置く。
得意気に笑み作る貴方を見遣れば、どうしたって重なる戦場の火花。
やはり同一人物なのだと感じると、改めて貴方の顔を、その姿をゆっくりと眺めて。

「白玉みたいにもちもちはしてなさそうだね。」

妖しく眼球喰らう発想を見せた妖怪はどこへやら。
記憶鮮明なあんみつへとあっさり意識が返っていけば、あの魅惑の歯ごたえに想い馳せる。
…と、己の純粋な感想への食い気味の反応。
『老け込んだと言ったのだけれど…』とは言わない。ただゆっくりと瞬き数度。

から、ころ…。

一歩、二歩、後方へと後ずさる下駄の音。
着物故の一歩の短さで、一応の距離を取り。

「変わらず綺麗な顔をしているよ。ただ、立ち居振る舞いが時々、……老けて見える。」

更に一歩、もう一歩。ちょっとずつ後方に後ずさりながら、引き続き答えよう。
歯に衣着せぬマイペースな妖怪。若干の危うさは感じたようで。

憂炎 > よっこいしょ、とか、うんしょ、とか、いちいち座ったり立ったりする時にいつも零れ出る年寄りくさい声。
――その一つもなく硬い靴が地面を擦る音も衣が擦れる音もほぼほぼなくまるで水が流れるようにするりと立ち上がる。

「……」

から、ころ……ゆったりとした音色もどこか元気を失くしたように響く音に紛れるように無音で一歩また一歩。

「立ち振舞も。うん。お顔と同じぐらい綺麗だときっと聞き間違えたのだと思うんだよなあ。
 ……ああ、うんうんお顔が綺麗と言ってくれたのはありがとうだけれど」

彼女が一歩後退る、度、彼女に一歩近づきながら、聞こえないふりをしながらも滑らかな頬を撫でつつ『うんうん』だなんて頷いて。

「ところで、枢ちゃんのその、名前は知らないが俺の一撃をも止めうるその“黒い”の……
 敵意。害意。殺意。所謂攻撃の意図がなければ反応しないというのを以前知った訳だが。
 たとえばー。くすぐるとかどうだろうね。ね……?」

両手が持ち上がる。黒手袋を外すと、昨年も、十年前も、今もあいも変わらずにあるのは猛禽類という印象を抱かせる分厚い爪と筋張って手指。
それが『こちょこちょ』と擽るような仕草で宙を掻きながらさらに一歩踏み込んでから。

「……百叩きじゃあ済まさん、それはもう、笑い死ぬかってぐらい擽り倒してやるぁー!!
 だーれが老け込んだだ老けて見えるだ人の気にしてる事ぉーーーー!!」

正味、己でも感じていなかったわけではないが気にしていた事でもある事突っつかれて怒りが爆発した。

枢樹雨 > 貴方が立ち上がれば、それにつられて視線が持ち上がる。
両手の中、ガラス製のボトルに注がれたレモネードは、溶けた氷で幾分か薄まってしまったか。
ガラスの表面に伝う結露の雫が、両手の指を濡らしていく。
一歩後退れば一筋零れ、もう一歩後退れたまた一筋零れ。

「…知ら、ない。」

そう、知らない。あの日扱った力、貴方の一撃を防いだ力。
それを今の己が持っているのか、皆目見当もつかない。
似たような"黒靄"は居るけれど、それで何かを防いだ試しは一度もなくて。

「試さなくて、大丈夫。」

どうだろう。ひとまずどうだろうのままで良い。
ともすれば優雅に、しかし黒手袋から覗く手を見れば途端に獣感じる歩みで、距離を詰めてくる貴方。
余計なことを言っただろうか…と、やっとその考えへと至れば、しっかりくすぐりのお試しは断っておく。
とはいえそれは無意味なこと。
器用に動く猛禽類の指先を見れば、ぱっと踵を返して噴水の方へと走り出す。
途端、背後から響く貴方の声。
からころと下駄慣らし、深夜の広場で追いかけっこ……になるだろうか。

円形の噴水をぐるぐる回ろうと試みるも、両手はレモネードで塞がったまま、歩幅は着物の裾乱さぬ程度。
運動の"う"の字とも縁のない妖怪は、正しく鈍足であった。

憂炎 > ぽたりぽたりとボトルに浮かんでは滴って落ちていく雫は、まるで彼女の冷や汗の代わりの様な……
そんな極々小さな音の一つも聞き取って、より正確に、より精密に、より鮮明に、己との距離を十分に図ってから。

「お互い、良い勉強になりそうだ」

己も、彼女当人ですら知り得ぬ何某かの力をよく知るいい機会だと彼女本人は知りたくないと言っても勝手に嘯き。

「遠慮することはないさ待たんかぃこらーーーーーー!!!」

ぱっ、と駆け出した音に目掛けて追っかけるその形相と来たら。
お口は真四角お目々は三角と漫画であればそれはもうコメディチックな表現になるだろう怒り顔。
くわっ! とオノマトペが背景か頭上に飛び出てきたっておかしくない。
真剣な意味で大激怒ではないにしても、おふざけ混じった大激怒であるにしても、うねうねと器用に手指を動かし走る足。

光を失って、年寄りくさい言動をするようになった原因には腰痛だの膝痛だの若い頃の無茶が祟って、尚、
十年前からその豪脚は一切陰りを見せていないということを彼女が知るのはさて数秒後か数分後か。

「まーーーーーーーてーーーーーー!!!」

とてとて、と可愛らしさまで伺える鈍足にあっさりと追いついて擽りの魔の手が大層彼女を蝕んだか。あるいは、霊体化まで駆使して逃げ回る彼女を執拗なまでに追っかけ回して、捕まえられたのか、逃がしたのか。――その結果は果たして如何なるものになったのかは当人たちと、その騒ぎをたまたま見つけた近隣住民や大通りで飲んでいた酔っ払い達の後の語り草になるだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から憂炎さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から枢樹雨さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にスルーシャさんが現れました。
スルーシャ > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリリーさんが現れました。
スルーシャ > リリーがスルーシャの手に堕ちてから半月。

ご主人様の指示通りに恋人の元へ戻り、元の生活をしばし過ごした後、スルーシャから連絡が届く。
届けたのは冒険者。しかし表情を失った尖兵。リリーよりよほど等級の低い者は傀儡として扱われる。

リリーはスルーシャからの寵愛を受けて欲望を抱き、意志を保ったまま愛されていることの証左。

連絡の内容はデートの誘い。
恋人と別行動で受けた依頼を完遂した日、冒険者ギルドの宿にリリー名義で部屋をとっているから鍵を受け取って合流すること、そしてデートの衣装はこちらで用意してあるという内容。

いつでも、リリーのことをご主人様は見ていて行動を把握していて。

そしてもう一つ。
冒険者の中に潜む尖兵達はリリーの好きに使っても良いということ。
それこそ、自分と離れている間、欲望のはけ口に使っても良いと。

部屋に向かえばスルーシャがいつぞや会ったときと同じく、冒険者に擬態して待っているだろう。

「お疲れ様リリー。どうだった、最近の生活は」

近づいてくるならば、頬を撫でて、その唇を親指でなぞってあいさつ代わりに口づけを落として。

リリー > あの日から半月、言われるがままに元の生活へと戻っていったリリーは、ごく普通の生活を送っていた。

あの日に刻まれた暗示は全て残っているのだが、幾つかがバッティングして、というか、拮抗して、というか、
時間を置いたことで多少の齟齬が出始めるころでもあって。
その頃にもらった手紙を手にすることになる。

少なくとも、リリーにはご主人様がいて、そのご主人様は親友で、恋人で、レズセフレ。
彼よりも愛していて、大切な人。
……そんな人って元々いたんだっけ?

上級冒険者として登録され、数々の難解なミッションもクリアしてきたからこその強い精神力と意志力が
ほんの微かなほころびから疑問を覚え始めたのが丁度この頃。
まるで、それを見越したかのような連絡を受けるのだが、暗示自体は十分有効なのだ。

だから、連絡の手紙を開き、その中身を読んだ時、すぅっ、とその瞳から意思の光が弱まって、
『ご主人様』からの指示に悦びを感じるリリーが表に現れてきた。

ただ、この半月の動きの中で、スルーシャから離れている中で、尖兵達をはけ口に使うことはなかった。
スルーシャが把握しきったかどうかは不明だが、ここには二つの理由があった。
1つは、『ご主人様』に操を立てていたこと。
元々、性的に弱い彼氏だったとしても、欲望を抑え込んでまで操を立てていたのだから、満たしてくれる『ご主人様』に操を立てることはリリーにとっては当然の思考だったのだ。
もう1つは、スルーシャの手に落ちてなお、消しきれていなかった善性。
自分よりも格の低い尖兵すらをも『仲間』と認識していたがため、欲望のはけ口として使うという認識を持てなかった。

そういう意味では、リリーはまだまだ『調整』が必要なのかもしれない。

そして、指示のままにやってきた宿。
目的の部屋の鍵を受け取って、部屋までやってくれば、鍵を開け、扉を開き……

「あぁ……スルーシャ!」

久しぶりに会う恋人の名を呼ぶように、感極まったような声で彼女の名を読んで、
当然のように近づいていけば、頬を撫でて来る手を嬉しそうに受け入れて、
そして口づけが落ちる。挨拶代わりのそれにも嬉しそうに微笑んで。

「最近は……特にはどうという事もない、かしら。
いつものように依頼を受けて、いつものように普通にこなして。
特に変わり映えのしない毎日だったわ。」

向けられた問いに、最近の近況を口にする。
スルーシャのものという認識はあれど、役割らしい役割を与えられたわけでもなく、
本質はまだリリーのままゆえにこんな感じになっているのだろうか。

更には、見られている、とささやくスルーシャの言葉。
マスク越しでも沢山の人間が自分を見ていることを察することは容易くて。
恥ずかしそうにしばし身もだえて。

スルーシャ > 調整が必要。それが不完全かと言われれば真逆。
リリーの持ちうる素養。それは能力のみならず染めるに値する強い善性。
共に組んだ中級冒険者や新人の中にも潜む尖兵達から経過を報告されて、合流前に味見をしたくもなる。

本当は、生じた齟齬も含めて、恋人の目の前で犯して再洗脳、定着、眷属化を行って
奪われる快楽、堕とされる恍惚を堪能してもらおうと思ったが、尖兵に一切手を出さないのも好感が高い。

微細な調整を施さないことでこうも調律し甲斐のある素養を見せて来るとは思わなかった。

何より、調整の必要はあっても洗脳から脱する心配は一切していなかった。
あれから恋人の方も調査をしたが、本当に”清い交際”をしているようだった。
男の尖兵から聞き出せば、疑問に思っていた短小早漏ぶりも事実のようで、それであれば尚のこと。

何より上級冒険者であること、堅牢な護りと善性が重なって寝取ろうと言う手合いが他にいなさそうなこと。

何より、未調整で堕ちていないと言うことは、一度満たされた後に待っているのは
己に心酔して迷いなく己の掌中に堕ちて快楽に溺れるという幸福を抱くことなく、
恋人との性生活に満たされることなく渇望が募っていくばかりで、ただただ土壌が熟しているだけで
スルーシャにとっては楽しみを取っておくに苦痛の無い期間とも言えた。


そして出会えば、声の張りに色が帯びて、己の口づけにも抵抗はない。

「ふうん、私と不倫する前と比べて、もっと普通の生活を実感し過ぎちゃってるわね……。
 なら、今日も恋人に内緒で私と不倫デートしましょう……?

 それとも、デートに出かける前にここで一度楽しんでいく……?」

齟齬が生まれて尚己の言葉に疑問を持たない”恋人”へ囁きかけながら腰に腕を回して。

「この部屋はね、貴女の名前だけで部屋を取ってあるの。私はここにいない。
 貴女は恋人が他の依頼に出てる今日はただこの部屋で休んで一日を過ごすだけ……。
 それが周りの認識。
 でも本当は、恋人に内緒で、嘘を吐いて、私と一日不倫して火傷しに街に繰り出すの……♡」

代り映えのしない毎日に、刺激を垂らす。受けてしまえば劇薬となりうる甘い刺激。

「どちらにしても、リリーにはドレスに着替えてもらうから【私の前で恋人に全然満たしてもらえない牝の体を晒しなさい】」

齟齬を調律する為に、平凡への不満を再び増幅するように暗示を注ぎ込む。
その一つの要素、シンプルかつ強固な暗示は強い善性と言うシンプルかつ強固な貴女を反転させる為の布石の始まり。

リリー > 自分に対するスルーシャの真の評価がどのようなものか、それをリリーは知るはずもなく。
もし、その真の評価を知ればなお、喜んで堕ちていきそうなほどに心酔は間違いない状況ではあるのだが。

そして、スルーシャの狙いの通り、『清い交際』を続けて行くことで、過去の自分がフラッシュバックすることも多々あるのだが、
同時にあの日、スルーシャに開発され、深い快楽を覚えた肉体が、満たされない生活だけで満足しきるはずもなく。
深層心理の奥の奥でどろどろとした欲望、渇望を半月分貯めこんでいたのは事実だった。

そんな中で向けられる言葉。
二つの提案はどちらも魅力体だった。
囁かれる言葉に抱かれる腰。
その所作からリリーの心に『愛』が流れ込んでくる。
その愛の真実がどちらを向いているかは別として。それでもリリーの認識の中では『愛情』なのだから。

「そう、ね……出かける前に楽しみたい気もするけれど……」

どうしようと考えている中で、更に囁かれ、耳に届く言葉が背筋を這いまわるゾクゾクとした背徳の快楽を流し込んでくる。
いつもの毎日から刺激的な一日への飛躍。
倫ならぬデートで恋人を裏切る背徳の快楽。
あぁ、全てあの日に覚えたものだ。いずれもとても、素敵だった。

「……まずは、デートに行きましょう。
だって、ここに戻ってきたら、『いないはずの貴女を想って』私はたっぷりと慰めるのでしょう?」

口ぶりから、スルーシャはここにいないことを理解した様子。
『想った』スルーシャが自分を慰めてくれることを知った上で、1人慰めると言ってのける言葉。
そう、ここにいるのは自分一人だと理解したことを伝えるために。

そして、注がれる暗示にこくり、頷けば、己が身にまとったものを下ろして、脱ぎ落としていく。
盾を置き、鎧を脱いで、いつもの服も脱いだ後に畳んでしまう。
全てが終わってこの部屋から出ていくときに、決して誰にも怪しまれないように。

目の前にさらされるのは、引き締まった、それでいて豊満な”あの”恵体。
ご主人様の前に彼には決して満たされることのない、雌の肉体をさらけだすのだ。

スルーシャ > 「私とのデートに応じてくれたのに終わったら放置なんてするわけないでしょう……?」

目の前で瞳を細め、己の唇を舐めてみせてから再び口づけをする。
ゆっくりと、音を立てずに舌を差し入れて絡ませ合う恋人同士の口づけ。
それにしばし興じた後に、耳元へ唇を寄せて。

「デートから帰ってきたら雌犬の不倫まんこを一晩かけて躾けてあげる……♡
 この部屋に遮音の魔術を仕込んで、貴女が牝犬の鳴き声を絞り出しても誰にも聞こえないように……♡」

ここにスルーシャはいない。いないはずの存在に犯されて一晩中不貞の一夜を過ごすのだと。
デートはその始まり。
今日一日は、恋人から離れている間は”普通の日常”には帰さないのだと。

そして暗示を受けて目の前で得物を置き、鎧を脱いでいけば服を着ている段階で伺える恵体。
それが己の為だけに惜しげもなく晒されて、そして誰にも不審に思われないようにきちんと衣類を畳んで。

暗示をかけたまま姿見の前に連れて行けば、背後から両手で無遠慮に豊満な乳房を鷲掴みにして卑猥に歪む様を貴女に見せながら、
首筋に牙を立てて魔力を吸い上げる。

甘美な喜悦。あの日味わった刺激的な夜を体に思い出させるようにしてから、背後で己も身に着けているものを脱ぎ落し、テーブルから薄いなにかを二枚手にして、それを巨乳の頂に押し当てて。

「これを乳首につけておきなさい。そうじゃないと浮かび上がっちゃうもの。
 あと、下着はつけちゃ駄目よ。」

衣類を畳んでいる時に、スルーシャが用意したドレス、装飾品、そして目元を覆うマスクがテーブルに置かれていることに気づくだろう。
そして街中で胸が目立たないように一時的に張り付けられたのは粘ついた胸当て。
乳首に吸い付いて甘噛みする感触は何故か常にスルーシャに舐めしゃぶられている恍惚を帯びるだろう。

「このマスクは、身につければ周囲に認識阻害を生じさせて、貴女だと認識させなくするわ。
 ……今日はマスクをつけている限り、何をしても貴女がしたことにならないの。
 私とどんなことを愉しんでもいいのよ……♡」

そう囁くとドレスと装飾品、マスクを身につけるように囁いて。
それからスルーシャも対の黒いドレスを身にまとえば、夕暮れの闇に二人して足を踏み出して。

スルーシャはバーで連れていくと言う。普通のバーとは違う、淫行目的の者が集うバー。
そこで貴女を自慢するのだと、道すがら貴女の尻を撫で回して鷲掴みしながら連れ立って。

リリー > 「……はい♡」

理解したことを伝えた後で、その理解が正しいことを伝えてくれるスルーシャの言葉に体が熱くなる。
あの日の快楽を思い出しのか、ほんの少しだけ発情香が漂うかもしれず。

そして、曝け出した恵体は姿見の前へと。

「んっ……ぁ、は♡」

背後から卑猥に歪まされる乳房と、両手からもたらされる快楽に熱い吐息が帆の漏れて。
そして、薄い二枚の何かを押し当てられて、つけるように言われれば頷いて、言われるがままに着用する。
下着をつけてはいけない。それだけでいけない事が始まる予兆として、頬に、体に朱が走る。

準備を終えて振り返れば、見慣れぬドレス、装飾品、そして目元を覆うマスクが。
全てスルーシャが準備してくれたものと思えば身に着けていくだけで心が躍る。

いつもはしないおめかしをしている感覚は、いつもの日常から離れていくことを自分に意識させて。
そして、服の最後に胸当てを付けた時

「あんっ♡……これ、ってぇ♡」

乳首に向けられるこの巧みな愛撫のような刺激は、間違いなくスルーシャのもの。
つい甘い声が漏れそうになるのを堪えて、そんなことをされて堪えている自分を感じるだけでも興奮する。
更には、マスクの説明で、今日は何をしてもリリーがしたことだと知られない。
それを理解すれば、鼓動が早くなっていく。
今日は、何をするのだろう……なにを、『してしまうのだろう』と。

「……はい、今日はいつもの私じゃない、んですね。
スルーシャと一緒に、どんなはしたないことでも楽しんでしまう、そんな私……♡」

スルーシャの意図していることを自分なりの言葉でクリア消しただけで、興奮する。

ついに出来上がった非日常の様相。
そのまま二人、連れ立って街へと足を踏み出していく。
いつもの自分じゃなくていいのだから、スルーシャの腕に腕を絡め、身を寄せて、甘えるように。
こんな、『女』を晒した自分の姿など、人前に晒したことなどなかったのに。

そして、道すがらに伝えられる行先。
経験のあるはずのない、淫靡な空間の説明。
こくっ、と小さく喉が鳴るのは、期待感の表れだろうか。

「私を……自慢……♡」

大好きなスルーシャが自分を自慢したいがために連れていく場所。
それだけでも心躍るのが自分でも分かっていた。

スルーシャ > 「リリーは良い子ね……♡」

己の一方的な欲望の押し付けに忌避どころか声が艶を帯びて牝の香りを帯びさせていく。
堅牢な護りの内側で熟した極上の雌は殻を貫いて貪られる悦楽で心を蝕んでいくだろう。

そしてしばしその恵体を弄んだ後、恋人から徹底的に引き離す、日常からも連れ出すのだという背徳を告げれば
清廉なリリーが下着を身につけないというだけで高揚を覚えてしまう様に愛しささえ覚えて。

まるで大好きな玩具で遊んでもらえて悦ぶ子犬のようだと、愛玩を慈しむ目で見つめて来る。

「ふふ♡ 清楚なふりして中はエッチな雌犬のリリーにプレゼントよ♡
 ……よかったら持って帰ってもいいわよ。オマンコに貼り付けるなり、乳首に押し当てるなり♡」

絶えずゆったりと、しかし執拗に舐め転がす淫具。
恋人でさえここまでねっとりと求めてくることはないだろうか、そうであれば恋人はこの淫具以下、
リリーを微塵も満たせていない事実が結実してしまうことも意味していて。

「ええ。貴女は私の恋人。上級冒険者のリリー・ラステンとは別人。
 事実としてあるのは、そうして自分を偽って私と不倫野外デートしちゃうはしたない貴女がいるということ♡

 ……こういう気分転換も恋人はしてくれないのかしら」

苛立ちはわずかにある。ここまで魅力的なリリーを射止めておいて何も工夫を凝らさない人間の男(家畜の雄)がいるのだろうかと。
所詮人間は友愛だなんだと言ったところで他者を嗜むことなど出来ないのだろうと。

それから出かけていけば、リリーが自ら腕を絡ませ合わせれば耳元で素敵よ、などと囁いて甘えさせてリードもする。
装飾の一部、髪留めがずれていればそれに気づいてなおしてあげたり、
途中往来で馬車が近づいてくればリリーを、普段は堅牢な冒険者の代名詞たる貴女を守るように
何気ない仕草でエスコートして庇いもする。

それは、恋人の取り柄の”優しさ”など高貴な者の振舞いではなんの特徴でも強みでもない平凡な仕草に過ぎないと印象付けるように。

「貴女は他の者に対して誇って、自慢して、誇示するに値する存在よ。
 リリー、貴女は護るだけじゃなくてその価値を認められて守られて良い存在なのよ。
 それをしっかりと今日一日かけて心と体に刻み込んであげる。」

誰もが目を奪われるような存在なのだと言い聞かせてバーに至れば、
扉の前で黒づくめの男が会員証の提示を要求する。

スルーシャは何の気なしに証明を見せて店内へ案内されれば、冒険者ギルドの酒場とは雰囲気がまるで違う、
薄暗く、据えた臭いと甘ったるい香りが漂う淫靡な場が出迎えるだろう。

従業員がスルーシャを認めれば深く頭を下げてきて奥の個室へ案内しようとして、
それを断り、最初のフロアのボックス席へと案内させて貴女を誘って。

「この王都は面白いわよね。こういう表の建前を笑うような場所がどこにでもあるのだもの」

ボックス席へ至るまでに、フロアの端で女性を半ば脱がせて淫行に浸る者や、他のボックス席で事に及んでいる者もいる。
それを咎められることもない。盛り上がれば、他の客に不快な印象を与えたり、邪魔をしなければいい。
そういう暗黙の了解がある退廃とした場で。

「リリー。今日は貴女をここの中心にしてあげる。
 そういえばお酒は何呑む? 普段飲まないけど興味あるものとかあれば何を頼んでもいいわよ」

リリー > いい子、と言われれば、それだけでも心が躍る。
スルーシャからポジティブな言葉を投げかけられるだけで、心が躍るほどに心酔しているのだから。

『日常から離れる』ただこれだけのキーワードなのに、心躍るのはどうしてだろう?
リリー自身はその理由に気付かなかったが、スルーシャであれば気付いているかもしれない。
リリーと彼氏の関係性は、既に、老夫婦のようなものに近くなっていて、
老成した訳でもない、まだまだ若い体を持っているリリーがそのような関係性で満足できるはずもないから。
だから、あの日常から離れられると考えただけで心が躍ってしまうのだと。

「あは♡……私のその一面を知っているのはスルーシャだけなのに。
今日はそれを曝け出されてしまうのね……私とは、誰もわからないけれど。」

そう、今日は他人に自らの性癖を晒す日なのだろうと認識をする。
もちろん、破滅に至らないように、この仮面が自分だとは知れないようにしてくれるのだけれど。

持って帰ってもいい、と言われる淫具にしばし触れていて、多少の逡巡を見せるものの、小さくこくっと頷いた。
持って帰る、と。欲しい、と。
その意思表示で、恋人はこの淫具以下なのだとスルーシャの確信できることだろう。

「ええ、私はスルーシャの恋人。リリーとは別人だとみんなは認識する。
……でも、私は、リリー・ラステンがこんなことをして興奮する変態だって知ってるわ。
自分を偽ってまで、スルーシャと一緒に不倫デートをしてしまうはしたない変態だって。

……するはずもないわ。だって、あの人は……」

性的には全くあてにならないのだから。
その言葉は口を突いてくることは出なかったけれど、察することなど容易かろう。
2人の間での共通言語のようなものだから。

途中途中のスルーシャの細かい心遣いが、心をとらえていく。
護る側のはずの自分を守ってくれる所作。
良く分からない心、迷いそうなところでのリード。
ずれた装飾を直すこともだが、それ以上に、事あるごとに褒めてくれる言葉は自己肯定感を上げていく。
元々低い方ではないけれど、それでもより挙げてもらえるなら、それだけ心踊っていくのは当然の事で。

そして、ついには自分は誇示すべき存在だと、自分も守られて良い存在なのだと告げる言葉が心を貫いていく。
今までの自分を転倒させる価値観。
けれど、女性としてそれを認めて欲しい価値観でもあるが故、今日一日を終わった後の自分がどう変わってしまうのか、不安と同時に楽しみでもあった。

到着した先は、清潔感とは真逆な印象。
でも、その様子こそが淫猥というべき空間でもあって。
エスコートされるがままにボックス席へと誘導されていけば、
退廃的な行為をしている者の姿まで目の当たりに。

いつもの自分であれば嫌悪感すら覚えそうなものだけれど、
今日は、リリーではなく、愛しいスルーシャの恋人であり、
はしたない変態雌犬の自分なのだという認識の今は、興奮を誘うものですらあって。

席に着いた時、スルーシャが向けてきた言葉。
いつもなら、お酒は飲まない、と答えるのだが……

「…………スパークリングワインの、ロゼを。」

たっぷり十数秒の逡巡の後で、女の子が好みそうな酒をチョイスした。
今日は一日、『女』であると決めたのだから。

スルーシャ > 認識阻害が生じるマスク。それをつけずに痴態を公然と晒して人として破滅し、堕淫に耽って己の掌中に堕ちる。
そういう尖兵の手に入れ方もスルーシャにとっては好みと言えば好みだった。

だがそういう我欲をぶつけることはない。
堕とすまではあくまで相手の背景に、身の上に配慮していく。それは心に抵抗や疑問を持たせない為の手管。
何よりこうすることで日常からの乖離、それにともないリリーから漂う豊潤さが堪らなく良い。

結婚前は貞淑に、など、死地を潜り抜けた生物に生じる昂ぶりに対しては何より毒。
堅牢とはいえ、常に危険と隣り合わせの難易度依頼をこなしてきたリリーの中で昂る生物としての欲求をないがしろにして
老いた縁側でのような日々を強いるなど、スルーシャには理解できない概念だが
人間のその価値観から引き剥がすことで巻き起こる熟した味わいは病みつきになってしまう。

「たとえマスクだけになって全裸になってもだれも貴女だと思わないわ。
 明日から貴女はまた日常を送れるのよ。」

それが幸か不幸かは告げない。
いっそ破滅してしまえばスルーシャはこの日常から連れ去ってくれるという【信頼】が生じているだろうか。
だが、乖離は平凡があるからこそ生じる。

淫具を身に着けた後に頷いて、相対的に恋人の価値を貶めたリリーの頬に両手を添えて褒めそやすように唇を重ねて舐って唾液をすすり上げて。

「そうよ。私は知っている。リリー・ラステンは貞淑で淫らなこととは無縁な女じゃない。
 でも、それって当たり前のことよ。誰でも持っている欲望。だからリリーは変態じゃない。

 ……それとも、私の手で変態だって言い逃れ出来ないぐらい染められたいのかしら♡
 そこまで貴女は私に堕としてほしいのかしら♡」

 煽り立てて、許容した誰しも持ち合わせている肉欲。
 だがその後に続く言葉には、慰めるように肩を抱いても来る。
 意図しての気遣いでもあるが、さて、リリーを眷属にする際にはその恋人をどうしてやろうかとさえ思ってしまう。
 所詮、家畜の中で劣等種は間引くに限るのだ。

「……ふふ♡ 私にほだされて女の顔になってるわよ♡
 デートなのだから貴女をエスコートするのは当然のことでしょう?

 もっとも私は貴女に下心もあるし肉欲もぶつけるし貴女が何もかもかなぐり捨ててセックスに溺れてる時の顔は好きだけれどね。
 私は貴女を手に入れる為に守るのよ♡ 貴女の心を揺さぶって、絡め取って、揺さぶって♡
 同じ女だから漬け込む隙を突いて雌犬を発情させて可愛がるの♡」

欲望も肯定して、その上でレズセフレだからこそ守るのだというあけすけな心情を告げもする。
レズセフレ。お互いの肉欲を貪り合う関係。
そうしたくなるほどの価値がある女なのだと欲望で体現して、そして、本来の目的を明かしもする。
いずれ手に入れる時の一石を投じて。

スルーシャの恋人は、友達として認められて守られているのだと。心を確実に蝕んで。

店に至り、ボックス席に至れば可愛らしいお酒を頼む貴女の頭を撫でてきて、自分もカルーアミルクを注文する。
……冒険者の他愛もない話題で女性に呑ませて酔わせていかがわしいことをする時にも飲ませる、などと風評被害さえもある酒。

仕草で貴女を酔わせて手籠めにするのだと示しながら、お酒が来れば。
スルーシャの方がロゼを手にして

「呑ませてあげる……♡」

そう言うと一口含んで、それから貴女の頭を抱き抱えて唇を奪い、舌をねじ入れながら酒精を注ぎ込んでくる。
しばし、お互いの口腔で混ざり合う炭酸を味わいながら舌を絡ませて、ドレスの裾を引き上げて
直接的に秘部へ指を伸ばして陰唇を揉み転がして来る。

堅牢な壁役(タンク)を席に抑えつけ、股を割るように膝を置いて、秘部を撫で回しながら強引に求めて来る。
周囲へ見せつけるように、貴女の存在を誇示するように。

リリー > 人間の枠を出ない、善性のものであれば、貞淑であることが美徳とされるのだろう。
そして、リリーも元々はそういう善性のものである。
けれど、今のリリーは全盛の向こう側を知ってしまった。
たとえ天使であっても知ってしまえば堕ちていく欲望。肉欲。

今の日常では味わうことのできないその欲望は、スルーシャとだけ満たすことが出来る。
……いや、実際にはそんなことはないのだけれど、元々のリリーの善性が、スルーシャとだけ満たすことが出来ると決めつけていた。
これを外してしまうのも1つの堕落でもあるし、これを残したまま堕としていけば、ふとごろ刀とも言えそうな尖兵が出来上がるかもしれない。

自分の期待と迷いから出た言葉も、スルーシャはきちんと補強していく。
自分は明日からも日常を送ることが出来ると。
それ自体は、リリーに安心感を与える。

そして、あの手紙を手にした時に表出したもう一人のリリー。
悪性を覚えたもう一人のリリーは、いっそ破滅してしまいたいとすら思ってもいる。
そのどちらも本人であって、どちらもまた嘘ではない。

悪性が彼氏を貶めることで、スルーシャは褒美を与える。
まるでリリーの悪性を育てるかのように。
そして、その意図の通りに悪性はゆっくりとゆっくりと萌芽していく。
まだ、善性を塗りつぶすほどではないけれど。

自らがはしたなく、変態であることを知っている、と告げてなお、
スルーシャはそれは当たり前だと受け入れてくれる。
誰でも持っている欲望だから。だから自分は変態ではないのだと。
でも……

「……この前、変態雌犬宣言した時、とっても興奮したの。
きっと……スルーシャになら、私の全てを委ねて堕としてほしいと思っているんだと思う。」

ちょっと他人事めいた口調だけれど、それは自分を俯瞰してみたからこそ。
そういう自分もまた存在するのだ、という悪しき告白。

スルーシャは自分の前では全てを隠さないとすら思っている。
あけすけに、裏表なく、目的すらをも隠さずに。
それでもいい、と思いつつある自分がいるのもまた事実で。

そう思っている自分が出来上がっていることこそが、スルーシャが心を蝕んだ結果の1つであるのだけれど。

注文が届けば、グラスを手に取ろうとして、己のグラスをスルーシャが持ち上げる。

「……はい♡」

呑ませてあげる、その言葉の意味はもう分かる。それだけスルーシャとの関係が深くなってしまったから。
だから、目を閉じて、唇を捧げるように上を向いて待てば、
唇が重なって、頭を抱き抱えられて、深く深く重なり、舌と舌が絡み合うほどの口づけと同時に流し込まれるロゼワイン。
甘く、酸っぱく、酒精交じりのその酒に、スルーシャの香りがつけられれば、今日この場で自分を支配している者の烙印を刻まれたようにすら錯覚して、
そして、その烙印が何よりも心地よくて。

両腕をスルーシャの体に回していけば、引き上げられるドレスの裾。そして、スルーシャの手が、指が、己の秘所を刺激する。

「んぅっ♡……んっ♡ ふっ♡ んちゅっ♡ んっ♡ んはぁっ♡」

深く深く重なった唇のままに秘所を晒して弄り回される姿。
ボックス席故に、ちょっとのぞきこまれれば見られてしまうあられもない姿。
けれど、その見られているかもしれない感覚が深い深い興奮を誘う。

興奮して赤く充血した秘所の粘膜を晒しながら、スルーシャの指に導かれるままに、蜜をあふれさせ、淫らな香りを放つ淫花を見せつけるように。

スルーシャ > 善性の内側に植え付けられ、芽生えた悪性。

最終的にどう堕とすか、これまでのリリーから解き放たれた淫蕩の限りを過ごす近衛に仕上げようと考えていた。
その為に、最終的に己のところに帰ってくるように雌犬まんこを己のふたなりちんぽの形に歪みきらせたい。

頭の先からつま先まで心酔しきった忠犬を造りあげるが、どういったスパイスを注ぐかも楽しみではある。

そして心は善性と悪性が揺らぐ中、そのどちらも満たす折衷案としての呪具たるマスク。
外してしまえば破滅してしまえる危うさが、己の欲望一つで叶えられる。
だがそれを維持しながら決して明日以降の生活が脅かされることなく火遊びに溺れる。

リリーの二面性をどちらも許容して、そして熱に歪めていく。

いずれ悪性がその善性を食い破り、己の雌犬として堕ちるその日まではこの平凡を味わってもらうのだ、と思っていた矢先

「……ふふ♡ それがリリーの望みなら叶えてあげる♡
 貴女の全てを私好みに歪めて、ゆっくりと、恋人から貴女を奪ってしまおうかしら♡」

変態となることは願望、ひいては己を解き放つ宣言。
あけすけに語ってくれたのだから、大切な友達(ご主人様)として満たすのだと。

店に至れば事に及ぶ。駆け引きなどもうしない。
目の前の変態牝犬を満たすように、周囲の目も憚らず、ボックス席から己の身が浮き上がって目立っても
リリーの唇を深く奪ってお互いの唾液、香り、酒精、粘膜。全てを混ぜ合わせて
唇を上向けた貴女が酒精を飲み干してもしばし舐るように唇を貪って堪能して。

覗き込めばリリーの”変態牝犬まんこ”が丸見えになる程スカートをたくし上げて粘ついた音を響かせて
陰唇を嬲っていた指がぐぶりと沈み込んで粘膜を掻き回しながらクリトリスを親指で押し潰す。

「んはぁ……♡ リリー♡ 貴女は私のなぁに? 言葉に出して、その唇で紡いで、私に宣言なさい♡
 もっと足を広げて、私におねだりをするようにしながら♡」

ドレスの肩をずらして引き下ろし、淫具に乳首をしゃぶられる巨乳を引きずり出すと、
ねっとりと絡みついた淫具をゆっくりと、勿体ぶるように引っ張って徐々に引き剥がしていく。
乳房が持ち上がるほどの吸引、乳首を舐り回される濃厚な愛撫がぷるりと剥がされると、
テーブルに淫具を置いて、乳首に爪を立てて捻り上げて。

「マスクをつけてるのにエッチな顔になるのが丸わかりよリリー♡
 みんな貴女を視てる♡ 凛とした体にいやらしい肉を備えたその体を私に甘えさせてくる貴女を♡」

リリー > つい口を突いて出た告白をスルーシャが受け取れば、己の望みと理解して、
スルーシャ好みに歪めて寝取られる。
自分の未来をそう宣言されることで、ぞくり、と背中を走る背徳の快楽。

もう、彼の事は裏切っている。けれど、二度と戻れない位完璧に裏切り切る。
そんなことだけでも興奮してくるのだ。
実際にどうなるかは、スルーシャの匙加減次第であるし、その匙加減が如何様だったとしても受け入れ啼くのだろうけれど。

”変態雌犬まんこ”丸出しで、そこを弄り回されている。
入ってきて、キスをして、そのあとにこれ。
なかなかのホットスタートっぷりに店内の客が興味を惹かれるのも道理。
肉襞をかき回されて、クリトリスを刺激されれば

「ん、ちゅぅっ♡……あひぁんっ♡ ああっ♡ あああああんっ♡」

敏感な場所への執拗な責めに啼き声が上がる。
人間が快楽によって歌う様な啼き声とも取れるし、雌犬が快楽にいなないているようにも聞こえるそれ。
そんな中で、向けられる言葉。告白を強いる『ご主人様』の問いかけ。
ぞくり、と背筋を走る背徳の快楽。
ゆっくりと開かれる口は、もう止まらない。

「私、はぁ……ご主人様、のぉ、雌犬、ですぅっ♡
ご主人様にぃ、雌犬まんこ、かき回されてぇ♡
えっちなクリットも、いじられ、てぇ♡
はしたなく、エッチな涎をだらだらとぉ♡
垂れ流している、淫らな、変態雌犬、ですぅっ♡」

言葉を紡ぐごとにゆっくりと開かれていく両脚。
そして、最後の告白の時には大股開きで、腰を浮かせて、スルーシャの指にもっともっととおねだりするかのように腰を振り立てて
周囲に淫蜜をまき散らしすらするかのような体勢で。

「んぁっ♡ あっ♡ はがれ、ちゃぅ♡ 気持ちいいの、剥がれ、ちゃぅっ♡」

しゃぶり立ててくる淫具が引きはがされていけば、それすらをも実況するかのように紡がれる言葉。
そして、全てが引きはがされた後に、鋭く乳首が捻り上げられれば

「あひぃぃぃぃんっ♡♡♡」

体を激しく痙攣させて、秘所から噴き出す淫潮。
乳首だけで絶頂へと達することが出来る淫らな変態である姿を曝け出していく。

スルーシャ > 雌犬として寝取られる。
愛しい恋人としてですらない、調教して、歪めて、これまでの生活とは一変して塗り替えられる。
実質の所有宣言。それは裏を返せば強く求められていることでもあり、女性としての欲望を満たすどころか貪り尽くされるに等しい。

女同士。どちらも恵まれた得体のレズカップル。
かたや顔を隠し、無自覚であるが客はその顔を認識できないことに疑問さえ浮かばない。
かたや白磁の如き肌のタチは誰の目憚ることなく変態雌犬まんこを水音伴う卑猥な指遣いで劣情を煽り立てて。

「普段その声を出せば相手も興奮するでしょうに、そんな風にもしてもらえないものね♡
 不倫レズセックスで興奮しちゃう淫乱雌犬には辛い生活でしょう♡
 日常が不満になるぐらいに歪めてあげる♡ 嬉しいでしょう」

もはや人とも雌犬ともつかぬない交ぜになった嬌声に周囲の客達も煽られるように事に及び始める始末。
中には女性を無理やり連れていき犯し始めるが、不思議とそれを拒む者が少ない。

異様な空気の中、ご主人様に強いられて、マスクをしているとはいえ、認識阻害をしているとはいえ、
人前で、知らぬ者達が行き交う中で、確実に人として道を踏み外す宣言をしてしまう雌犬が強請って股を開き腰を浮かせてくる有様。
堅牢な護りを以て仲間の盾となるタンクはそこにはおらず、ふしだらな腰遣いでご主人様におねだりするケダモノに堕ちきって。

「すっかりやみつきねぇ♡ 貴女の乳首がえっちに勃起してるところを皆に見てもらいなさい♡」

指を淫襞に沈み込ませて掻き回しながら闇の魔力を注ぎ込む。
以前に馴染ませたそれが胎内に巡って行けば子宮から生まれる欲望が更に煽り立てられる。
そして、リリーの淫蜜から巻き起こる香りが強く周囲に広がり、それを嗅ぎ取った者達も催眠状態に陥って淫行にふけ始める。

女の方から男を誘い、床に這いつくばって犯し合う。淫辱に満ちた光景の中心に、ご主人様の宣言通り
リリーが据えられて、飛沫が迸れば更に周囲から淫気が振りまかれていき。

「恋人に満足させてもらえないのに、私に乳首責めされるだけで潮吹きアクメ決めちゃったわね♡
 私なしでは生きられないリリーにはご褒美をあげるわ♡」

腕から溢れる闇の泥濘。それが蛇蝎の如く細く長く伸びて貴女の首に絡みつき、まるで犬の首輪とリードのようにご主人様に握られる。
それを強く引いて顔を引き寄せ、再び唇を奪って舐り、淫音を響かせてお互いを貪り合いながら、
貴女に立ち上がるように促して、ソファに掴まって膝立ちになり、スルーシャに向けて腰を突き出す姿勢を取らせる。
背後では、みちりと音を立てて、スルーシャの股間から毒々しい肉色のふたなりちんぽが
あの時貴女を歪めて狂わせたご主人様の肉棒が再び顕現する。

「雌犬には雌犬に相応しい姿勢で寝取ってあげる♡ 恋人以外のちんぽ咥え込んで不倫交尾する様子を他の客にも見てもらいなさい♡」

スカートを捲り上げて貴女の尻を丸出しにしてしまえば、ぴしゃりと一度尻を打ち据えて。
それから背後に覆い被さり、リードを引いて顔を上向かせて、潮吹きと淫蜜で濡れ切った秘部へ亀頭を沈み込ませて。

「あはぁ♡ 押し付けただけで貴女のまんこがしゃぶりついてきてるわよ♡
 今日はゆっくりとねじ込んであげるわね♡」

上向かせていた状態から、リードを持つ手がクリトリスへ伸びて、自然と下を向かせ、貴女の巨乳越しに
毒々しい色が貴女のおまんこへ挿入されていく様を見せつける。

おまんこがふたなりちんぽに押し広げられて形を歪めていく様。
その中でどこまでねじ込まれていくか蕩け切った膣肉で実感するように緩慢な仕草で押し広げていく。

リリー > 人として仕えるのもまた一つの道だが、あの日覚えた感覚が忘れられないがゆえに、自らを物として、ペットとして所有してほしいとすら思う歪んだ感情。
盾であり雌犬。人ですらなくても構わない。存在として所有されて、消費され、貪られるでも構わない。
そんな、歪んだ変態的な感情が、半月のお預けで大きく膨らみはじけ層にもなっていたからこそか。

顔を隠し、不倫レズセックスに耽ると告げられて、それを否定せずに。
故に、若妻か、彼氏持ちか、そのあたりはそれぞれが妄想豊かに考えていくこと。
今この場に存在するのは、変態的なレズカップルが、その痴態を曝け出し、周囲を興奮させているという事実。

「ちがうもん。こんな声が出るほど気持ちよくしてもらえないんだもん。
不倫レズセックスでしか、満たされないんだもん。

あ、はぁんっ♡……嬉し……気持ちいいの、好きぃっ♡♡」

スルーシャの言葉に、嫌々と頭を左右に振りながら、口を突いて出るのは日常への不満。
人の尊厳を手放した雌犬の浅ましい欲望告白とも取れるその言葉が周囲をさらに興奮させていくか。

目の前で絶頂して見せるその姿は相当に調教されて、もはや壊れているとすら思っているかもしれない。
けれど、この場にいる雌犬たるネコは、満足いくセックスが今日で二日目。
立った2日でここまで転がり落ちる淫らさを内包した、生まれながらの雌犬かもしれず。

「だってぇ♡ こんな気持ちいいこと♡ やめられないっ♡
はい♡……見て……はしたない雌犬の、欲しがり勃起乳首、はしたなくて、エッチなの、みてぇっ♡」

タガが外れたか、自らの痴態を見てくれと懇願する言葉もまた甘く広がって、注ぎ込まれる闇の魔力が今一度、その身に定着していく。
既に馴染んだ部分もあれど、更にその奥、その全てを染め上げるかのように、注がれれば、昏い欲望に煽られて、もっと、もっと、と欲望は膨れ上がっていく。

「あの人なんて、もう知らないっ! 私を満足させてくれないあの人なんて、もういらないっ!
もう、ご主人様なしに、リリーは生きられないのぉっ♡」

頸に絡みつく闇が、己をまさに犬へと貶めていくが、それすらをも快楽のスパイスというかのように。
引き上げられて、顔が近づき今一度のキスは熱っぽく、情を交わしていくほどのそれ。
促されるままに立ち上がり、ソファの上、膝を立てて背もたれに両手を置けば、ベッドの上に四つん這いになるのと同じくらいの高さの雌犬ポーズ。
背後で響く音に、振り返って見なくても、自分が最も欲しいものが現れたことを理解して、
雌犬よろしく口をだらしなく開き、舌がだらりと垂れさがり、荒い吐息をついていて。

「はいっ♡ 恋人の粗末なチンポで満足できない、哀れな雌犬にぃ♡ ご褒美のつよつよチンポをお恵み下さる素敵なご主人様とぉ♡
不倫交尾して悦ぶ淫らな雌犬の、痴態っ♡ 皆様、お楽しみください、ませぇっ♡♡」

尻を打ち据えられることで、口上を思い出したかのように、思いつく限りの淫らな言葉を並べ立て、興奮して堕落し始める周囲をさらにあおり立てていけば、
背後に感じるご主人様の熱と重み。そして、引かれるリードで、快楽に塗れた表情を周囲にさらけ出しながら。
沈み込んでくる亀頭に熱い吐息を漏らしつつ

「だってぇ♡ ご主人さまのおちんぽ欲しくてこの半月、ずっとずっとべそをかいてきた貪欲おまんこなんですものぉっ♡
ゆっくり、たっぷり、ねじ込んでくださいっ♡」

視線が下へと変わっていけば、己が秘所へと押し込まれる逸物の姿を目の当たりにして。

「くるぅっ♡ 入ってきてるぅっ♡ 私が一番大好きな、ご主人様のおちんぽぉっ♡
淫乱雌犬まんこに、入っちゃぅぅぅぅっ♡♡♡」

入り込む感触を、感覚を、逐一実況していけば、その言葉にすら興奮してゾクゾクと感じる快楽は、闇へ闇へと誘っていく。

スルーシャ > 貞操な恋人の本性は淫乱雌犬。
歪めに歪めきって露わになった本性、それを暴くことも、そもそも肉欲を満たすことさえ出来なかった恋人への不満が爆発する。

あの人など要らない。徐々に発露、萌芽を見せる悪性が紡がせる言葉に瞳を細めて嗤う。
獲物として雌を見下す主の視線は、お前を決して逃がさない、そう暗に告げて、体を淫辱で縛り上げて行く。

「リリーって、責任感で口調変えてるところあるわよねぇ……♡
 私の前でかしこまろうとするなんて躾けがまだなってないみたいわね♡
 私に従って良い子になるんじゃなくて、もっと自分の意志で、自分の欲望に従って私に押し付けてきなさい♡
 貴女の欲望を全部受け止めてあげる♡ 貴女の欲望を全部満たしてあげる♡
 その代わりその心も体も私好みに欲望を押し付けて調教してあげる♡

【リリー。私に全てを捧げると魂に誓いなさい】」

闇の魔力が満ちていく体となっては、ご主人様の言葉に強い強制力を伴う呪詛が宿っていることが感じられるだろう。
残っている善性がそれを受け入れれば取り返しのつかないことになると警告して
育っていく悪性がそれを受け入れれば絶えず背徳に満ちた体に堕ちていくのだと誘惑する。

周囲の男達も、女達も、たった二日で堅牢な上級冒険者がそのような末路に至ったのだと及び知ることもなく、



その雌犬自身から発露する淫臭が闇の魔力を伴って周囲を淫辱に歪めて嗜好を奪っていく。

「ねえ知ってる? 犬が発情する時ってまず雌犬のほうから雄を誘う香りを出すんですって。
 リリーの体もそう言う風に作り変えてあげる♡ 私の尖兵収集に役立つ体にしてあげる♡」

勃起しきった乳首が巨乳の上で踊りながら乱れ狂う雌犬を本当の雌犬めいた体に闇の魔力が汚染していく。
ご主人様の雌犬になる悦びに溺れていく様を見下しながら捻じ込んだフタナリチンポが大きく脈打つ。
それはリリーの体に、仕草に、在り方にご主人様が夢中になっているとおまんこへつぶさに訴えかけて来る。

やがて根元までぐぶりと沈み込んでしまえば、子宮口を緩慢に押し上げて形を歪めていく。

リリーの首元に顔を埋めて大きく息を吸う。その淫臭を吸っても正気を保っていられるのはご主人様だけで
陰核を弄りながらリリーの巨乳を揉みしだいて。

「リリーの雌犬まんこすごくいやらしいわ……♡ 子宮口が吸い付いてきて震えてる♡
 分かるリリー? 貴女のおまんこは満たされるとすごく健気に嬉しいって教えてくれるの♡

 ああ、可愛いわリリー♡ ねえ♡ 乱暴に犯していい? 犬を躾ける時に体へ上下関係を教え込むみたいに
 乱暴に使っていい?」

断りなく犯せるがそれでも問いかけるのはご主人様がリリーの背徳から生まれる喜悦を駆り立てる為のピロートークで。
そんなことも恋人はしてくれなかっただろうと更に悪性を煽り立てて、胸をいじくり回していた手が指を絡め合わせて握り込んでくる。

「ねえリリー♡ フルネームを口にしながら気持ち良いですって言って見せて♡
 どうせ認識阻害で誰にも貴女の名前だって分からないわ♡ もっと溺れなさい♡
 保証された破滅を味わって後戻りできなくなっちゃいなさい♡」

盾役特有の鍛えこまれた足腰が生み出す膣圧を堪能しながら、ぞりゅ、とふたなりちんぽが反りかえて子宮口を更に押し上げていく。

リリー > 肉体の奥底に眠っていた淫乱雌犬の本性は、快楽の味を雌犬が覚えたことでその身を食い破り、ついに貞淑な仮面を食い尽くした。
段々と膨らんでいく悪性。逆にしぼんでいく善性。この二つの性質は表裏一体。片方が強くなれば、もう片方が弱くなるのだ。

主の視線に危険なものが宿っている。だが、それに気づけることはもはやない。
何故なら、善性も、悪性も、スルーシャという存在に傾倒してしまっているのだから。
だから、スルーシャのいう事は、常に正しい。
スルーシャのいう事に従っていれば間違いはない。
そこまで彼女に堕ちていた。

向けられる言葉。完全に無意識だった行動。
恐らくは、善き人たろうとする善性が丁寧に、穏やかに、よいこであろうとし、
自由に生きようとする悪性が、仮面を全て取り払った気持からの言葉を紡ぐのだろう。

それを察したためか、善性をよりしぼめようとするかのように、心のままに自分の欲望を押し付けろと囁く。
逆に、スルーシャの欲望も押し付けてやると嘯く。
そして、流される闇の魔力と共に、強制力を伴う呪詛が更なる暗示となってその身を縛る。

善性が警告し、悪性が誘惑する。
その二つのせめぎあいの中、ついに、弾けた。

「ふふ……うふふふ……あはははははははっ!」

室内を満たす淫臭に闇の魔力が乗っていく。
自分の発情の香りが、周囲へと影響を及ぼしていく。
女の理性を奪い、その秘所を濡らし、乳首を立たせ、腰が砕けて立てなくなるほどの興奮を。
男はその逸物を固くして、手近な女へと襲い掛かりたくなる欲望を。

リリーを中心に、まるでこの場がサバトに変わったかのような、淫らな儀式の場と変わる。

「スルーシャ♡ ご主人様♡ 私の愛しいご主人様♡
私、分かりました♡ ご主人様の言う通り、私は雌犬♡
作り変えてくれた通り、私の香りで人は狂っていくのね?

そして、もう一つ分かったの。
私は、『飢えている』わ。
もっと欲しい。もっともっと欲しい。もっともっともっともっと欲しいのっ♡

ザーメンが、おちんぽが、愛液が、熱が、欲望が、熱狂が、そして♡」

そこで根元までぐぷり、と沈み込むスルーシャの肉棒。
それに合わせて口を開き、笑顔とも遠吠えともつかぬ口の開き方で、その口から溢れ出るのは

「あああああああああんっ♡♡♡♡♡」

淫らさの凝り固まった嬌声。
その声が更に周囲を狂わせていく。
女は手近な男の肉棒を取り出そうとし、男は自分に意識を向けてきた女を犯そうとする。
そして、実際に行為を始めた者達の周囲に、赤黒めいた瘴気にも似た気配が漂ってくる。

「ああんっ♡ ご主人様のつよつよちんぽ、私の中にずぶずぶってぇ♡
奥の一番気持ちい所、ゴツゴツっってしてくれて、気持ちいいっ♡

……だってぇ♡ ご主人様のおちんぽが大好きすぎてぇ♡ もっともっとってほしくなるんだもの♡

もちろん♡ ご主人様のためにある、リリーの雌犬まんこは、ご主人様は優しくても、乱暴にでも、如何様にでもつかってくださいませ♡」

最後の口調は丁寧ではなく、どちらかと言えば慇懃な、と言った方がしっくりくるもの。
もちろん、その全てをもって尽くしてはいるのだが、善性から来る礼儀正しさではなくて、悪性から来る奔放さがより表に出始めたのか。

そして、恋人つなぎにつなぎ合う手と手。
更に紡がれる言葉は、より深い堕落への誘い。
それらすべてを受け入れるような笑顔を見せれば

「……もちろん♡
リリーはぁ♡……リリー・ラステンは♡ スルーシャさまのふたなりちんぽで抉られて、気持ちよくよがってますっ♡
奥をずんずんってしてくれる、つよつよおちんぽが、大好きで♡ これだけでもきゅんきゅん来ちゃってるけどぉ♡
スルーシャ様は、もっともっとかわいがってくれるから♡ リリーももっともっと、気持ちよくなっちゃうのっ♡

こんな素敵な世界を教えてくれてありがとう、スルーシャ。
スルーシャは、リリー・ラステンの全て♡ スルーシャのちんぽが、リリー・ラステンの恋人ちんぽ♡
スルーシャがいれば他に誰もいらないわ。
リリー・ラステンの全てを、スルーシャに捧げますっ♡」

ついに心から、魂の底から自らを、スルーシャに捧げる宣言を口にした。
魔にとって、決して覆すことのできない、究極の契約の誓いを。

スルーシャ > 付き従う。そう言う意味では行動自体はリリーの本質は変わっていないのだろう。
だがその相手が頼りなかったばかりに、悪性を育て芽生えさせる悪徳に寝取られることとなる。

だが、悪性が傾き過ぎて傾倒し過ぎている。
このままでは洗脳の果てに傀儡なり過ぎ、真に手練れを相手とした時にこれまでリリーが積み重ねた経験値との齟齬が生じて敗北を喫する可能性は大いにある。
今急いで仕込む必要はないが、リリーの欲望だけでなく感情を、思考を巡る強い何らかの衝撃が伴う調律が必要になってくることを頭の片隅に置いて。

そう、置いた矢先だった。

「……ふふ♡ あはははははは♡ リリーは本当に優秀な雌犬ね♡ 自分で自分の欠点をつぶさに調律しちゃうなんて♡」

己の言葉、指摘がきっかけとはいえ、せめぎあいの果てに見出したのは狂気。
押し固められた欲望、感情、願望。
それ等を発露させて、自らの意志で淫臭に宿る魔力を撒き散らし始める。
己の特性への自覚だけでなく行使。それは急速に闇の魔力が馴染んでいく証でもあって。

そして周囲はリリーの傀儡と化して忘我の境地に至り、雄と雌がお互いを貪り合っていく叫喚の場を紡ぎ上げて行く。

「ずっとね、考えていたの……。死闘を潜り抜けた後のリリーが鎧を脱いだらさぞ甘ったるい香りがするんだろうなって♡
 良い子ねリリー♡ 己の飢えを自覚して従えるのは優れた雌の証拠よ♡

 ここに来る前に言ったでしょう♡ 今日は一晩中可愛がってあげる♡
 貴女は私の護衛(タンク)♡ 貴女は私の肉孔(ザーメンタンク)♡ 貴女は私の餌食(魔力タンク)♡」

ずぐぅと、体の奥深くを刺し貫く。壁役の守りを貫いての串刺し。
それは雌として犯した者への完全敗北、敗者は勝者の所有物となる摂理を刻み込んでいく。

それによって周囲に響き渡る雌の遠吠えに更に周囲の者達が狂って行く。
元々守りに特化して魔力を行使していたリリーには体の内側より沸き上がる者へ魔力を乗せる素養もあったのだろう。
それが、悪性によって反転を始めて内部で完結していたものが外部への干渉へと転じていく。

それを指し示すように、周囲にリリーの闇の魔力が、まるで盾より生じた錆が周囲へ影響を及ぼす毒の如く赤黒く巡っていく。

「いいわねリリー♡ 外へ向けた欲望を上手に魔力へ転換出来てるわ♡
 もっと周囲へ巡らせなさい♡ 周りに干渉して、自分の欲望を外に向けて主張なさい♡

 もっともっと大好きになれば私のふたなりちんぽの形にリリーの雌犬まんこが歪んで嵌り込むようになるわ♡
 今でさえまだ完全じゃないのよ……♡」

まだまだいくらでも飢えれば飢えるほど貪れる余地はあるのだと囁くスルーシャの手から闇のリードが離れて隣のボックス席のテーブルに張り付いて固定する。

自由になった手がリリーの首に回されて後ろへ持ち上げる。
より腰が密着し合う体位。そして犬を躾ける時に背後から抑え込むマウンティング。

握り合った手を後ろ手に抑え込んで、甘く犯して蕩かせる交尾から力づくでねじ伏せる仕草を見せれば
体中の力が抜けてちんぽを咥え込む雌犬のしなやかさに己の意志に反して歪んでいくだろう。

「貴女がもう少し才能がなかったら雌として幸せになれたのだろうけれど、貴女が優秀過ぎるおかげで
私が貴女を魅了できるだけの世界を教えられたのは幸運だと思うわ♡

他の誰もね♡ 恋人の元に返した意味を考えなさいな♡ たまには粗悪を味わうのも人生を楽しむコツよ♡

ふふ♡ 貴女の体♡ 宣言しちゃったからもっと闇が馴染んで行ってる♡ ほら♡ おまんこがどんどん歪んでいくわよ♡」

子宮口をぐぶぐぶと抉りながら、ご主人様の腰が捻られて、その度にぐちり、ぐちりと己の媚肉が歪んでいく自覚を覚えるだろう。
それはこれまでの経験値の転換。
堅牢な壁役として、必要不可欠な全身の感覚の感知、肉体管理が闇の魔力による感知で恐ろしく容易く行われていく。
そしてそれは、自らのおまんこさえ自由に蠢かせてご主人様を悦ばせる淫肉に変じることが出来ることも意味して。

しかし、その淫肉を更に従えて歪めていくご主人様のふたなりおちんぽが何度か蠢いた果てに、

嵌り込む。
まるで鍵穴を差し込まれた錠前が開かれるように、言葉だけでなく体がご主人様に譲渡されていく自覚に支配されていくだろう。

リリー > リリーの本質性は、犬族だったのだろう。定めた相手に付き従い、その身をもって護り、尽くす。
だが、犬が野生に帰ると、なわばりを定め、狩りを行い、飢えを満たすために食らいつく。

今、スルーシャの手によって飼い犬のタガが外れて野良犬へと変わった。
いや、飼い犬が魔犬であった本性を露にして、従えうるもののもとへと移ったのか。

だが、リリーは人でもあるために、結果として寝取られた、という事になるのだろう。

無意識の中で己が体内に貯まった闇の魔力を使用して、スルーシャが行った変化の工程を理解して、
自らに最適化した形に組み替えた。
元々、陣形式の魔術に長けた存在故に、自分の体に陣形式の魔力を帯びさせることにしたのだろう。
結果、狂気の果てに、闇の魔力となじんだ存在への変化を表していた。

「ふふふ……まるでスルーシャが見て来たかのよう。
ううん、本当に見てきたのかしら。スルーシャの目はどこにでもあるもの。
どこかの任務帰りに部屋で鎧を脱いだ時。その時の香りをどこかで感じていてくれた?

ふふふっ♡ ありがとう。

ええ、私は貴女の護衛(タンク♡ 私は)貴女の肉孔;ザーメンタンク@♡ 私は@貴女の餌食;魔力タンク♡」

同じことを繰り返してから、にんまりと口元、人を捨てた証か邪悪な笑みに歪んで

「そして、ね、スルーシャ……私は色欲喰らい(ラストイーター)♡」

闇の魔力に馴染み、発露をすることを覚えて、本質が飢えと色欲と理解したがゆえに発現した、もう1つの能力。
先ほどまで赤黒い、錆のような瘴気は、男と女が発散し続ける色欲のオーラ。
そして、それらを魔力に変えた赤黒の瘴気を、大きく口を開いて吸い込んで、喰らいつくしていく。

「けぷっ……ごちそうさま♡
貴女の餌食(魔力タンク)は尽きることはないわ。人の心から色欲が根絶されるまで♡」

完全に人を踏み外した証。同時に、これら全てをスルーシャに捧げる誓いを立てたことで、変わっていく肉体。
スルーシャの言葉通り、このとても気持ちよい交尾すら完全ではなかったのだ。

リリーの飢えは、喰らえば喰らうほど飢えていく。
ごちそうさま、と告げた次の瞬間にはまた飢える。
色欲に満たされることなどないのだ。いつまでもいつまでも飢えていく。
だが、あたりかまわずに喰らいつくせばいつしか露見する。
だから隠れて、だから作らせて、喰らうのだと。

そんななkで、より腰が密着する形、マウンティングで躾けられる雌犬(リリー)

「ああああんっ♡ 素敵♡ スルーシャ♡ とっても素敵♡
もっとして♡ ねじ伏せて♡ 貴女の犬だと刻み込んでっ♡」

体中の力は抜けていく。それは、スルーシャに付き従う悦びを刻み込まれるが故。
段々となじんでいく体。スルーシャの肉に馴染むリリーの肉孔。
完全に組みあうものなど存在しないはずの粘膜と粘膜。
それが、主が飼い主たらんと、雌犬がその飼い犬たらんとお互いの存在を認識し、理解し、誓ったからこそ出来上がる変化。

その身を完全に使い込むことが出来るようになった確信。
故に、ご主人様をもっと喜ばせることが出来るとの確信と喜び。

そして……完全にハマりあった棒と孔。

「はあああああああああんっ♡ これ、すごいっ♡ これぇ♡ しゅごおおおおおおおおぉぃいいいいっ♡♡♡♡♡」

体を激しく震わせて、一突きの間に10も20も絶頂するほどの噛み合い方。
感じさせたいと感じる主と、感じたいと感じる雌犬の間を快楽が延々と流れ続けて、狂おしいほどの快楽として、無限にも近い絶頂感を与えているのだ。
人であれば焼き切れてしまうほどの快感。でも、今のリリーなら……。

スルーシャ > 自らの盾と言う檻から解き放たれた魔犬。
抑え込まれて失っていた野性を取り戻し奔放さを見せ始めたその背中を貪りながら、リリーに与える新たな型を見出す。
まだ眷属化には至っていない。だというのに闇の魔力への急激な順応。

ならば、その特性を活かす為に、そして番兵たる堅牢な護りから、彼女の獣性を更に引き出す舞台に想いを馳せて、
最後の場の構想が脳裏に結実する。

そして目を見張るべきはやはり魔力操作。
何より鮮烈な快楽に溺れながらも見出した忠義、従う者から寵愛を受ける為に
経験が本能、肉欲と直結して闇の魔力を巧みに操って陣形魔術を再構成していく手並は目を見張るものがあった。

「まさか♡ 貴女が魅力的だから想像しやすい、というより、想像してしまうだけよ……♡
 それに今もすごく良い匂いがするもの♡

 ……ふふ♡ あははは♡ いいわね色欲喰らい(ラストイーター)♡」

錆色の色欲(ラスト・オブ・ラスト)を周囲から喰らい、己の力と変えていく。
それは、流石に主の想定を上回る変化。
解き放たれた魔犬は飢えを満たす為に全てを食い荒らす。その強欲さに背筋が泡立つような高揚を覚えてしまって。

「ふふ♡ 淫魔より搦め手に長けた能力ねリリー♡ なら永遠に私に尽くして捧げなさい♡
 その対価を、体に刻み込んであげる……♡」

これまで充たされなかった分、周囲から喰らい尽くすかのような強欲。
人の発展の根源たる欲望を従えて己に尽くす忠犬を主として力づくで従わせるために体に理解らせていく。

肉を歪め、忠義を淫肉に染み渡らせて、己の体を隅々まで行使する巧みさを以て噛み合うように歪めさせて、
それを更に貫いて屈服させていく。

周囲に錆色の肉欲が渦巻き、それが脈動を繰り返す。
まるで捕食者の高揚を現すように大きく蠢く魔力が、やがてその時に至った時、強く明滅する。

全ての抵抗が喪われていく。体のこわばりさえ全て主の為に都合よく塗り替えられていく。
本能レベルで、細胞の一つ一つが主の願望を感じ取って己の意志と関係なく従っていく高揚を教え込んでいく。

「あの時完全に偶然だったのに♡ 予定になかったのに♡ こんな極上の雌に育っていくなんて♡
 貴女は私のもの♡ 私の所有物♡ たった二回で未使用まんこを私専用に歪められちゃって嬉しいのでしょう♡」

壁役の堅牢だった腰を肉槍が串刺しにする。
破城槌の如き打ち上げ、脳髄まで打ち貫く衝撃を腰に打ち据え、マウンティングの姿勢がその衝撃を逃げ場なく子宮目掛けて叩き込む。

魔犬がどれだけ絶頂しても喚き散らしても、周囲の肉欲を絞り出して干からびさせてもおかまいなしに
自分勝手に欲望を押し付けて卑猥な破裂音が錆色の欲望の中心で響き渡る。

「リリー♡ 出すわよ♡ ザーメン♡ たっぷり♡ ここはもう喰らい尽くしたから♡
 んふぅ♡ 宿に戻って一晩中愛し合いましょう♡ 可愛がってあげる♡ チンポ捻じ込んで一日中雌犬オナニーの手伝いしてあげる♡

 雌犬オナホ気持ちいい♡ 出る♡ 出る♡ んぁあああはああああああああああああああ♡」

手を握っていた手が腰を抱え込み、首を締め上げながら腰を大きく打ち据えたスルーシャの肉棒が大きく打ち震えて欲望が爆ぜる。
雌犬への餌付け。錆色の欲望をどれだけ喰らっても満たされない飢えと渇きを満たして塗り潰すように
何度も、何度も、脈打って膣内射精をキメる主の牙が背後から首筋に突き立てられて魔力タンクから精気を吸い上げて。

その場でお互いに果てれば、身支度を整えて、二人して連れ立って宿に戻って行くだろうか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からスルーシャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にラリーさんが現れました。
ラリー > 平民地区内のその小さな古書店は、わりと地区の中心の近くにありながらほとんど目立たず、立ち寄る者もそう多くない。
また古書店という性質上、商品の劣化を避けるために出入り口の向きなど日差しが殆ど入らない設計になっていて、店内は薄暗い。
そんな店の奥、接客カウンターの向こうで椅子に座って文庫本を読んでいる店番らしき少年の姿があった。

この店は少年の実家が経営しているもので、書類上は別の人間を立てているが実質的な店長は少年が務めている。
それ故、この店は少年にとって学院の図書館以上に自由のきくテリトリーである。
獲物となる対象が訪れれば、ほぼ確実に術中に囚われる羽目になるだろう。
もっとも、客足の少なさから獲物の出現は図書館以上に運任せではあるが…その時はその時、が少年のスタイル。
ただ静かに、読書に没頭しながら客の訪れを待ち続ける。

なお主な客層は通常の書店では見つからないような商品を求めるマニアックな本好きか、
遠方の客との本のやり取りの依頼を受けた冒険者あたりとなる。
少年の修理の腕はそれなりに定評があるため、そうした依頼もぼちぼちやってくる。

「…ん」

そうしていれば来客を告げるドアベルの音が響いて、少年はゆっくり本から顔を上げ
珍しく現れた客の姿を視界に入れた。
さてその客は少年の獲物になりうるような者なのか、それともなんでもない一般客か…。