2025/06/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 廃神社」にキタさんが現れました。
■キタ > 街外れの朽ちた石畳で出来た参道の先。青々と茂った木々と玉砂利を押し退けて踝の高さまで成長した草々に守られた社殿。
外見の柱や瓦も一部欠け擬宝珠があっただろう部分も塗装の禿げた侘しい形。
そんな中本殿の扉だけは不自然に綺麗な障子が張られていた。
そんな寂れた、朽ちた場所にも水は湧く。手水舎の柄杓を手に周囲へ打ち水をする巫女の姿。
宮司も居なければ滅多に参拝する者も現れない。偶に訪れるのは迷い子か逃亡者か、それとも酔狂なモノズキか。
「────乾涸びぬよう。もっと水を……もっと。」
ふかふかの草に水がかかり輝く。それが少し緋袴を濃く染め上げるけれど気にする様子も無く。
時折、手水舎で口元を潤しては満足そうに微笑んだ。 今日も水は枯れない──と。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 廃神社」にフーリさんが現れました。
■フーリ > 「たしかこのへん……」
すぅーっと、中空を浮かぶ箒。それに横着な横乗りでゆらゆら身体を揺らしながら乗っかる小柄な人影。
胸元がバランスに難を与えるのか、普段は前屈み気味の姿勢が箒の上ではやや逸らされ。
その日は思い立って、むかし立ち寄った異国様相の社への訪問。
魔女の秘境からちょっと事情があっての旅立ちの後。王国へとたどり着いてまだ宿も家も無いときに、軒下借りた社があったのだ。
その時は誰とも会わなかったからお礼と、持っていた安物ワインを捧げた。
思い出したのはほんとうにたまたま。先日同じような建築様式の場所に、郷里の魔女に誘われ旅行してきたから。
王都は案外に多種多様な種族も、建築も、文化も交じっているが、珍しいものは珍しいから。
あのときよりちょっと良いワインを片手に、改めてのお礼を…けっこうな季節巡っているから、今更感はあるが、しておこうとしたのだ。
「わ、わ…ここ? だよね? ……なんか、けっこう自然派……ぁっ」
たどり着いたそこは、人の手が入っているにしては、ちょっと荒れている。
もう参拝客も訪れないような、そういう社だったのか、と、自分も長期不義理をしておきながら棚上げしつつに茂る青草に視線巡らせ、独特の表現で手入れ不足を口にして。
そして御簾に隠れたその目線の先に人がいれば、聞かれたかと、声を潜めるが後の祭り。
どこか神秘的な、不思議な気配の相手はここの管理人ではなかろうかと当てをつけつつ、ぺこりと腰から折る礼を向けた。
■キタ > 手水舎から湧き出る水、自然と循環し街の水路にも流れる綺麗なもの。
何かが落ちても混じっても、少しすればまた元の綺麗な水に。
悠久の時間が織りなす摂理にも通じるその光景、湧き出る際歪む水底はいつまで見ていても飽きない。
そんな一人遊びの最中不意に覗く視界の端、その地面に影が映る。
見上げた物が徐々に大きく、そして地面へと降り立ったのを見届けてから手水舎から一歩外に出た所で聞こえた独り言。向けられた深い礼に、こちらも同様の深い礼。
「良く──お越しくださいました。」
柔和な笑みを浮かべるとしずしずと歩み手水舎への道を開ける。
この場へ降り立ってまだ数度季節を廻った程度の間の無い身。礼儀作法等小うるさい事を言うつもりもなく、
ただ暑い盛りともなれば求めるのは水だろう。その程度の認識。
手を額に翳しもう一度空を見上げたのは箒によって飛んでいたのを思い出して。
「どのように、見えまして? この社は。」
社自体は茂った木々に囲まれ、その奥の畑とぽっかり木々の合間に穴の開いた参道だけが浮き上がる。
空から見た眺めはどんな様子なのだろう。ふと、そんな興味からの問い掛け。
■フーリ > すっと、頭を持ち上げる。黒髪の御簾は少女が頭を降ろしていたときは、その瞳を隠すのをあきらめていたが。
元の姿勢に戻ればふたたび鼻先までを覆い隠し、視線の在処すら不確かにする。
が、魔女はしっかり見えている。目の前の女性も同じように礼を向けてくれていたのと、そのあとの優しい笑み。
自分の根暗が滲んだような黒髪とは違う、美しい白の御髪。引き込まれそうな赤の瞳。
褐色の肌は艶やかで浮かべる笑顔はなんともこちらに安心を与えくる。
人見知りのチビ巨乳ふたなりでも、つられてにへりと口元弛めてしまうくらい。
「え? どのように……えっと、その。上からは、なんか、鍵穴? っぽかったです?」
生い茂る木々の中。社の場所と、そこに至るまでの参道だけが、緑に埋まらず。
丸から伸びる縦線。それを、少女は鍵穴なんて、ほんとうに思いついただけの言葉で零す。
鍵穴。
迷い込んだら大事に保護されるのか。逃亡者は必死に抉じ開け逃げ込もうとするのか。
酔狂拗らせたモノズキは何が入っているかより開けるに必死になるのか。
あるいは誘い込まれたら囚われ閉じ込められるのか。
……なんて。そんな、何か含蓄ある例えではない。
なにせ言った本人も、ちょっと首を傾げ、頬に指当て、ぇ、ほんと? みたいに自問自答しているのだから。
■キタ > すぐに、隠れてしまった顔。目は口ほどに物を言うから彼女の思考を読み取る事は適わない。
けれど、それも些事。少なくともどうやら行き倒れが迷い込んだわけでも無さそうだから。
苦しんだ迷い人でないそれだけでも笑顔を深める十分な事実。
「嗚呼── ふふ……、鍵穴。 確かにそうかもしれませんね。」
畑と、参道が形作る木々の合間は、思えば言われた通り鍵穴にそっくりだと。膝を打ったように楽しそうな笑い声を零す。
そして、もうその鍵穴に閉ざされた扉は開けられたのだ。箒の君の到来によって。
「お好きなように寛いで下さいませ。 お水も、些細でありますが食事も。
このようは形でお客様にはお恥ずかしいですが、寝所もございますから。」
何をしに来たか、それを聞くほど野暮ではないし、ひと時の宿り木位には成れようと。
あとは、この場で如何に過ごすかは箒の君次第。軽く一礼してから手水舎に向かうと、柄杓を並べなおす。
日々のルーティーン故に無防備に、それはどこか自信の無さそうな君が悪意を持っていないだろうと信じるが故。
■フーリ > 自分でも疑問符浮かべるような、そんな回答にも温和な笑顔で返してくれる。
つられて、ふぇへ、と、少々だらしない緩んだ笑みを浮かべてしまいながら。
「ぁ、えっと、前! けっこう、けっこう前なんですけど、そこのお社の軒下、お借りして!
それからずいぶんと思い出すことも無いくらいばたばたしてて、最近落ち着いて、こないだ思い出して……」
あわあわと、話題に困り早口で目の前の女性があえて聞いてこなかった来訪理由を、なにかの言い訳みたいに言い連ねる。
とてとてと彼女のほうに近づいてゆき、この間の旅行で覚えたぎこちない作法で、手や口を清める。
聞きかじりの知識では、心もまず落ち着け清めるのが、大事だったはずだが。
小さな体に見合わぬ大きな胸元の奥の心臓は、ばくばくと普段より大きめに揺れていた。
思わぬ人との邂逅もだし、慣れぬ作法の披露もだし。
なにより、馴染まぬ文化圏の格好っぽいそれは、女性のどこか不思議で、神秘的で……なんだかとっても艶めいたふうに見えて。
「えっと、大変ですものね、こういうところの管理って……っえ、しん、しん…!」
ひとしきり、清めたはずの心身は、寝所、だなんて聞かされて、どっきりまた大きく跳ねた。
人見知りで、根暗で、お見込みどおり自分に自信はなくて。
けれどもこのチビ巨乳ふたなりも人並み、あるいは魔女の秘境で鍛えに鍛えられた、むっつりなれどスケベ根性は秘めていて。
それを、邪な想いを見破られやしまいかと、腰元もじもじさせながら、社に奉じるつもりだったワインを、手持ち無沙汰にさわさわなでなでと触れていて。
■キタ > 視線はまた、揺れて煌めく水面に。風や小鳥、小動物に遊ばれた柄杓を元に戻してゆく。
その傍らに言い訳染みた言葉を紡ぎながらやってくる君の落ち着かない様子に口元がうっすらと笑みの形を作った。
それはきっと、この怨念が受肉する以前の話。その時にもこの優しい社は誰彼構わず助けていたのだ。
そう思えば少しだけ眩しそうに双眸が細められ、社殿に視線を向けた。
しかしそれも、隣に黒い君が、たどたどしくも精いっぱい異文化の作法を真似しようとしているのだから嬉しく想うなと言う方が無理な話。
冷たい水に濡れた指先を拭ってから、その指先が伸びる君の黒髪。
目を隠してしまうその毛先を弄ぶようにサラサラと触れてからそっと、頭部を一撫でした。
「──? 日を跨ぐ旅ならば安全を。そうでなくても、足を休める事も出来ましょう。」
生娘でもなければ、その存在自体は海千山千の集合体みたいなもの。君の反応が何を期待したものであるかは察するに余りあって。
だからこそ、頭を撫でた手がまた口元に、ふふ、と楽しそうな笑い声と共にチラリと赤く細い舌先が覗いた。
「一体、何を期待したのかしら? 箒の君──。」
そう、水の湧き出る岩に腰を下ろし、緋袴の色が濡れて濃く鳴る事すら厭わない。そうして、覗き込もうとする黒髪の奥。
しゅるり、伸びた舌はまるで蛇のように君の視界で揺れては引っ込む。
■フーリ > 慣れぬ作法を、それでも懸命に思い出しながらなぞる。
それこそ、鍵穴のあるようなところの奥へと閉じ込めその外から隔絶したような場所の中。
小さな唇で含んだ水は、口内をすすぐのに使うだけでもその冷たさで心地よく季節による暑さを和らげるし。
神秘的な……たしか巫女、というんだっけ、と、また知識を救い上げつつ。その、巫女の彼女を見て火照る頬を、冷ます。
はずなのに、隠れていた青灰をそっと誘うように御簾に触れられ。頭を撫でつけられたなら。
ぼっ、と、また、頬を染め、外気によるものとは違う熱で体温が上がる。
「そっ、そそそ、そうですよね。僕もそうでしたし! 屋根とかあるだけで全然違いましたし!」
雨風凌げるだけでも、体寄せられるだけでも違うのだから、彼女の言はいちいちが言う通り。
それが、寝具があるようならもっとだろう。硬い場所で横になるのと、休まる度合いが全然違う。
うんうん、おっしゃる通り、そのとおり、と、頷いて……顔を上げるときには、女性の位置は清水の沸くすぐ傍にあり。
高くて見上げていた、袴と同じ色の緋の瞳が、位置を変えて、蒼灰と……黒髪の御簾越しに、重なる。
「き、っ……!」
見透かされた、自分の邪な想いに、ますます頬染め、口元はわなわなと、何事か言いつのりかけ、言葉を発せず。
ただ、少女の視線は清らかな水に濡れる緋袴と、楽し気なその笑みを形どる瞳と、そして、ちらりと覗く、紅いあかい舌に、くぎ付けになり。
髪色と同じ、真っ黒な。全身を包み込み闇を纏うような装束の下、むらむらと、彼女の言う所の「きたい」に、欲が張りつめてしまう。
それは、女性の本性をうっすらと感じ取る、魔女ゆえの感性のせいもあるだろう。
魔女の秘境で、幾多の魔女を相手にご奉仕してきた末の、独特の感性は、目の前の神秘的な雰囲気が、人ならざる存在であるゆえのものと汲み取って。
そして、その熟れた身体が求めるものを提供できないかな? と、自分も知らないうち、身体が勝手に試供を始めてしまう。
要するに堪え性のないむっつりスケベなだけではあるが。そそそ、と、彼女のほうに近づいて。
寝所、までとは言わずとも、彼女の居所に招かれる要因になるまいかと下心覗かせながら。
すっ、と、ちょっと奮発した銘柄ワイン差し出して。
「期待」が、叶えられたりしないか、御簾の下から青灰を緋色に向けて、重ねた。
■キタ > 今は己の存在で、本殿は外見と不釣り合いな程に綺麗な物へ変わったけれど。朽ちた床、柱が薪となりやはり誰かを助ける。
欲望の行きついた先──そんな自らの存在と異なる優しい社に『どうして?』そんな疑問が過った。
しかしてそんな疑問すら、すぐに意識の外へ放り投げる。
悪戯に覗き込んだ赤い目が、身体を折って覗き込む青灰。御簾の隙間より覗くそれを、ただ……じぃ──と。
緋袴を介する事で、サラサラと流れる水の音に一定のリズムが生まれる。落ちる雫の音。爆ぜる波の音。そして……言葉に詰まる君の音。
御簾の奥から覗き込むような視線を避ける事無く。一身に受け止めながら、落ち着かない君が私の前を塞ぐように佇んで、無言のまま差し出される瓶。
重なる青灰が、何を求めているかなんて一目瞭然であった。
可愛らしい可愛らしい童の君。 だから────。
「あら……? その時のお礼なのね。有難う、箒の君。」
すっと細い指先を伸ばして絡め取る瓶の首。摩る様に指先が滑りながら何度も上下動し、そっと君の手からその瓶を受け取る。
受け取った瓶は水の湧く岩の淵へ置かれ、いつかの出番のために冷やされるのだろう。
座り染み込む緋色が、最早半分以上赤黒い色へと侵食され、その色は神聖なものというよりも禍々しい色味。
柔和な笑顔のまま見下ろす青灰の君に、指を伸ばす。宛らそれは本坪鈴のように。
「聞こえない願いを叶えてくれる程、神様も優しくなくてよ?」
優しくも、甘ったるく、冷たくもある。要するに『期待に添えていない』それを示す声だった。
神社ですることと言えば── その指先は鈴緒にも似て。
ただ、それはとても、君の羞恥を煽るような扇情的な誘いに他ならないかもしれない。
■フーリ > 当初の目的であるお礼参り。それは、叶った。
だったらもうここに用事は無いはずなのに、それでは、と、その場を後にできない。
差し出した瓶の首を、明らかな意図をもって、数度上に下にと滑るのを、眺めて。
むっつり根暗の灰色交じりの青い瞳は、闇色の交じる巫女の赤い瞳に魅入られて。
伸び来る彼女の指は、少女のどこに触れるのだろうか。
それを待つ前に、神様には少女の邪な想いは届いていないと囁かれ。
きゅっ、と、唇を引き絞る。わかっているくせ。神様ではない。期待を向けているのは、目の前の貴女になのに。
神様を引合いに出すとびきりの妖しい女。そう認識を変えたって、御簾の隙間から覗く青は、すこしも彼女から逸らされず。
「……し、ぃ、っ! ……しんっ、寝所、っ! お貸しくださいませ、おねぇさま!
……その、それと、貴女にもいろいろお願い、した、いかな、とか、そのぅ……っ」
初対面の相手に、期待をもっと直接的に言葉に返るような雄々しさは、ずいぶん前に萎れてしまっていて。
しおらしく誘う女らしさは、ちょっと目の前の彼女の蠱惑的な雰囲気に敵う気がしない。
だからやっぱり口を割って出るのは、遠回しな、遠回しな……それでもはっきりと、言葉として聞かせるお願い。
神様にでなく、目の前のきっと「よくない」存在に。羞恥に言葉を詰めながら。
これでダメなら、醜態晒す前に、さっさと尻尾巻いて逃げてしまおう。恥ずかしいし、怖い相手かもしれないのだから。
もっとも、鍵穴のある場所から、素直に解放されるのなら、だけれど。
厚手のスカートの下でふたなりちんちん張りつめせる欲望の裏で、まだ理性も辛うじて効かせながら、女性の反応を待った。
■キタ > 遂に、──頽れた。
寝所を貸して欲しい、なんて持って回った言い回しを理由に、じゃあ寝所だけ。そんな意地悪だってあり得た。
しかしそれを制したのは私の意思ではなく、社の意思に近しい。
そこまでさせて、そんなお説教が聞えてきそうな程優しいのだ。
そんな私のやり取りを君が知るすべはないだろうから、長い時間の無言にきっと耐え切れず踵を返しただろう。その背中へと伸びた細い指先が肩を掴み、背中から覆いかぶさるようにして抱き寄せる。
飛沫が立つ音、ぽたりぽたりと重い緋袴から滴る水の音と共に──
「御免なさいね。 困った顔をする箒の君が可愛いからつい──」
そう、囁く声音と同じくして、きゅっ、と腹部に絡みついた腕に力を籠めて絡め取る。
君に比べたら大した事のない、確かな膨らみがその頭部を支え。
しゅるり、袴より滴り落ちる水音に混じり、少しだけ粘着質な音を纏って伸びてくる舌が、君の外耳を舐め上げる。
常人ならざる長さのそれはすべてを包み込むようにして。それが動く度に直接鼓膜へ届ける、粘膜の音。
そのまま腹部を抱く腕が豊か過ぎる胸の膨らみを持ち上げて揺らす。
まるで自分の物と比較でもするかのようにゆさゆさとその揺れと共に後頭部の枕である私の胸も押し付けられて。
「──んふ♡」
そんな、鼻から甘い吐息が溢れだした。
そうして、耳に絡みついた舌先が、満足した所で、引っ込むでもなく首筋へ、そして布地の隙間を掻い潜って、柔らかな肌、その鎖骨から膨らみへ……。
君の視界にそれが入ったのなら、布地を押し上げ舌先が蠢く卑猥な光景がそこへ映りこむだろう。
下着を押し上げてその頂きに触れるのも、時間の問題──。
■フーリ > か細く語尾を細めてゆく言葉が、それ以上の続きを紡がぬようになってから。
女性のほうは、無言で言葉を返さぬまま、だから。
「っふ、っひ、っお、お邪魔いたしましたぁ!」
発言誤魔化すような引き笑いを零してから身体を翻す。
とててと数歩進んでから、いつの間にか消え去っていた箒をくるりと中空から取り出す。
魔女の扱う摩訶不思議な保存空間魔法。するすると、箒の柄が伸び少女の手につかまれて。
んぐぇ、と。肩を掴まれて勢い余りつんのめり、情けない声が零れる。
何が起こったと疑問に思う前に、背を抱かれ、後頭部にと押し当たる柔い感触。
状況把握しきる前に、謝罪の声が聞こえる同時に、耳のふちを粘膜が撫で、這う音も。
ぞわりと身震いをする小柄なチビ巨乳の身体のくねりは、抱き着く女性にも伝わるか。
衣服を持ち上げるたわわに触れられ揺すられれば、はっ、と、短く息が漏れた。
さっきの潰されたなにがしかのような声とは大違いの、濡れた声。
魔女生において嬲られ慣れた敏感な低身長むっつりスケベは、衣服の上からでも容易く届く感度の良さを持つ。
彼女の胸と比較が進むたび、トロついた吐息が零れ始めて。
「ンぅ♡ っは♡ ん♡ ぁ、ちょ、しん、寝所ぉ……♡」
づるり、と、耳から粘膜が這い降りる音が聞こえる。真白い首筋が舐められ、かっちり着込んだ衣服の襟元から滑り込み。
そして、え? え? と、フーリが困惑するほど、布地の奥へ奥へと這い進む。
ぁ♡ と、小さく声を漏らし。そこで、そういう特性持つ「人外さん」だぁ、と、場にそぐわぬ分析進めつつ。
彼女の舌には、気温と緊張で滲んだ汗でしっとりとした艶肌、衣服を浮かせるより先に柔らかく撓み、それでいてしっかりと元の形に戻ろうとする感触で舌を愉しませる弾力を感じさせ。
下着の内にまで潜り込み突っ先にと舌先が進むなら、ぷくりと膨れる乳輪と、少し埋まった尖り切らぬ先端のかたちを教え。
乳房に絡む指先に、小さな己の指を重ねながらに、寝所、と。
ちょっとズレた抗議。相手の行為そのものではなく、場所を咎めるような言葉を漏らした。
■キタ > 『あら、素敵』そんな言葉がついぞ漏れたのは無から有を取り出す様を見て。
それでも結局逃げる事叶わなかった君が腕の中で悶える度に枕になる胸の袂が解れて白い襦袢越しに肌が擽られる。
耳だけの刺激で身もだえる様子を心地よさそうに見下ろし、触れて欲しいと訴える胸の膨らみを、五指がバラバラに揉み指の形を刻んでしまおう。
上がり始める善い声の真っ只中、訴えるのは寝所の提供。
ぬるりと肌に唾液の跡を刻みながら尖った舌先の触れた頂。
その頂を舐め上げ隙間に差し込もうとしたところで、するり、抜けてゆく舌は、抱き締めていた腕は君が触れた事で離れ開放する。
「──どうぞ、お使いになって?」
そう、囁くと、とん。と肩を押して促す。君を包んでいた熱は離れ、歩きだしたのならば少し後を歩きはじめる。
本殿に上がった所で障子の扉が開き中に見えるのは柔らかそうな布団が一組。
その奥に厠と湯殿のある簡素な作り。ただ外見と異なり床や天井の木目に穴も無く、隙間風もない空間が広がっていた。
「ゆっくり、おやすみなさい。箒の君──」
気紛れな怨念は、そう突き放した。舌に嬲られた胸も、耳もそのままに君が部屋に入った所で障子の扉が閉まる。
もし君が障子を開けたらそこには白昼夢でない証拠とばかりに、緋袴から落ちた雫の跡が確かに残っていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 廃神社」からキタさんが去りました。
■フーリ > 弄ばれる小動物は、妖の好き勝手にその胸の果実を味わわれるまま。
昂らせられ、堪えきれずにびくりびくりと身悶えし。
そして、寝所と訴えたのに、素直に、ほんとうに、寝所にと誘われる。
は? え? と、流され気質のメカクレ根暗は、半端に昂った胸元と、疼いて潤む下肢に、その上の熱持つふたなりペニスを奮わせて……そうして、寝室に放り込まれた。
ぱたん、と、無慈悲に閉じられる障子。
外見と違うしっかりした造りの社殿の中、ひとり残されては黒い御簾の内側で涙を溜めて。
「な、なまごろし……弄ばれた……じ、人外相手の訴訟ってどこに相談するんだろ……」
多分に自分も欲望を向けた分の過失があるのだから訴えは退けられそうなのに、ぽしょぽしょと言葉を零し。
障子の外に、ほんとうに人影一つなくなっていることを確認してから……せっかくのご厚意だしと、寝所を使って昼寝をする。
とっぷり日暮れ近くまで寝てから、もそもそ寝具から這い出し。
長期の不義理に、罰があたったんだぁ、と、来た時よりもずっとへろへろふらふら、危なっかしい箒遣いで、家路についたのだとか。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 廃神社」からフーリさんが去りました。