2025/06/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 雨上がりの晩に、ぴょっこり現れた小さな商人。
何事にも予想外は付きもので、商談が一つ早く切り上がったらしい。
こう、運が良い時というのは、小さなことでもトントン拍子になるもので。
雨具を用意していたのに、使わずじまいで済んだらしく、
水溜りの残る路地をペタペタと雪駄を鳴らして歩けている。
ザァ…っと降った通り雨のせいで、一旦は営業を見合わせて引っ込んだ屋台も、
書き入れ時を逃してなるものかと商魂たくましく再稼働しているのが見えて。
「こう、あれじゃな。
湿気があった方が、匂いというのは鋭敏に拾い上げられるものじゃのぅ。」
濡れた百合の花が、殊更に香気を撒き散らすのを連想していたなら格好もつこうが。
生憎と、串焼きのたれが炙られて、キャラメリゼしている香ばしい匂いを評してのもの。
くぅ、と小さく腹の虫が声を上げたのは、余程食欲を刺激されたのやら、
夜食上等という健啖家っぷりの発露なんだか分かったものではない。
かと思えば、他方では魚醤の放つエキゾチックな匂いが鼻腔を擽り。
数多ある花の間で、あっちに行こうかこっちに行こうか惑っている蝶が如く。
■ホウセン > そうしてふらりと。
浴衣の袂を揺らしながら、軽い足取りで夜の街に――
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からホウセンさんが去りました。