2026/03/18 のログ
■リシェル > そんな折、がさりと茂みを揺する音。
ぴくん、とその音を聞き、そちらを見れば―――茂みの隙間から先ほど見失った小さな野良猫が顔を出していた。
まだいるんだコイツ?と云わんばかりにこちらを見ているように見えて。
気のせいではあるのだが、彼女にとってはそのように見えたようで。
ゆっくりと近づいてしゃがみ込む。
何故だか次は逃げずにこちらをじぃ、と見上げる猫に視線を合わせて。
「そう、折角だから楽しんでるよ」
と、猫に話しかけるようにしてにこりと笑う。
わかってかわからずか欠伸をして毛づくろいを始める子猫。
野良猫ではあるようだが毛並みはぼろぼろという程ではなく、誰かから餌でも貰ってるのかもしれない。
何にせよ、この王都でしっかりと強かに生きているようだ。
ある意味でこの土地で言えば先輩と言えた。
そんな小さくも畏れ多い先輩にゆっくりと手を伸ばせば―――どうやら撫でさせてくれるようで。
「わぁ……」
毛並みに沿ってゆっくりと優しく撫でる。
王都にきてあまり動物に触れられていなかったせいか、嬉しそうに目を細めた。
特にこちらに媚びずもっと撫でていいぞ、と云わんばかりの態度に少しだけまたくすりとしながら、しばらく先輩の毛並みを堪能させてもらう事にした。
■リシェル > そうしてこちらのご奉仕に十分に満足したのか。
労うように掌へ一度頬ずりをすると、すっと立ち上がり、ゆっくりと道を歩いていく。
こちらにはもう興味が無さそうだけど―――それでも足取りはマイペースについていけるぐらいの速度。
まるでついてくるなら好きに、というようだ。
同じく立ち上がり前を歩く先輩の後ろへと付いて歩く。
近くを歩いても、特に逃げたりもせず最初に出会ったように気ままに。
「どこ行くの?」
少しだけ首を傾げ問うものの、勿論答えなどない。
振り向く事も無く―――。
子猫に付き従って歩き回るポニーテールの女剣士が、しばらく路地をうろついていたとか、いなかったとか。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリシェルさんが去りました。