2026/03/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にディラックさんが現れました。
■ディラック > 平民地区の名物の一つ。冒険者ギルド。
そこに集まる冒険者は一攫千金を目指す者や何かのついでに情報や報酬を求める者。名誉を求め人の助けとなりたいもの。
ただのスリルを味わいたいもの。
我執、物欲、色欲、様々な物がそのギルドの中には渦巻いている。
その片隅、今回の冒険の報酬を受け取った後でメンバーと別れ、ギルドに備え付けのバーでコーヒーをのんびりと男は飲んでいた。
「はー。ひと段落ついたけど、もう一仕事、まではいかないか。」
今回組んだメンバーは決して悪くない面子だった。
お人よしな英雄候補、厳然とした英雄補佐役。そういう人物らと組んで得たのは結構な報酬。
彼らは実績と名誉、名声を。自分は金銭の報酬を表向き望んで組んだのだが楽な仕事の割には稼げるクエストと言えた。
宗教団体からの指示さえなければ普通の冒険者として暮らしていくのも決して悪い選択肢ではない。
刺激に富み、仮面をかぶって好き勝手に生きる。
自由と危険は常に紙一重。スリルに富んだ日々ともいえる。
とはいえ――
「そろそろノルマ、か。」
ぽつ、とつぶやいた。教団に一人送るか、拉致するか。
それとも代わりに金銭でも預けるか――。いずれにしろ縁と金双方が足りない。連戦でクエストを受ける事態は問題なさそうな体調だ。
テーブルの上でコーヒー、ナッツを口にしながら依頼が張り付けられた壁側を観察するような視線を男は向けていた。
■ディラック > 余り大っぴらな活動をすれば主教に目を付けられる。
今はまだ不穏分子程度であり、不安が広がるなら主教の方に人が流れる分見逃されている側面もある。
噂話程度に大きな力を裂くより、噂話を元に、その不安や不穏さから庇護を求める数が多いうちは見逃される。
小悪党と悪党、大悪党の差は想像以上に強い。
だから英雄候補には手を出さない。出せない、という方が正しい。
余程の隙を見せない限りは表向きの冒険者としての付き合い程度で終わらせる方があらゆる面で得策なのだから。
(ま、見逃されなくなったときはそれこそ騎士団なり討伐隊の噂が立つだろうし。
冒険者の一人や二人、クエストの結果行方不明になる、なんていうのは――この国じゃよくある話だ。)
微妙なバランスを崩さない程度に自分も楽しむ。
それが今の所、最大限享受できる自分の幸運なのだろう。
宝石の庇護と言うのはそれを後押しもしている。ペンダントに括りつけられているカットされた宝石に目を落とし、それからコーヒーの残りを飲み干した。
「ご馳走様!また良いクエストあったら遊びに来るね。」
■ディラック > 料金より少し多いゴルドを受付嬢に握らせて、良いクエストが回されることを祈る様に。
チップとコーヒー代にしても少し多い程度なら、彼女も良心が咎めない程度の融通を利かせてくれるだろう。
敵を作らないのは大事だ。――もっとも、確信をもって敵だと向かってくる相手には相応にもてなす必要はあるだろうが。
そうしてある意味で背教者の冒険者。犯罪者の平民は人ごみに紛れていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からディラックさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 「…う。」
冷える。夜の空の下で、大きな大きな男が呻いた。
ぶるっと身体を震わせて、視線を街に遣る。
夜の街、賑やかな喧騒が広がっていた。
「はァ。………どーしたモンか、これ。」
本来なら己も今頃その中で楽しくやっていたはず…なんだが。
今はムスリと表情をしかめて広い公園の椅子に座っていた。
大男が二人掛けのベンチを占拠してる異様な光景――で。
ぎゅる、ぐるうるるぅう……。
けものの唸り声に似た、腹の声。
「くそう。……あそこで負けなけりゃァ。」
他のことに負けるつもりはない、しかしてギャンブルにはよわい。
本日とうとう、食事代までスってしまったという有様だった。