2026/02/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリーヌスさんが現れました。
■リーヌス > この時期の街は、どこもかしこも甘ったるい匂いが立ち込める気がする。
どんな風に甘ったるいかは、大体が菓子屋やパン屋の其れにもよる。
乳製品のような甘ったるさか。蜂蜜のような甘ったるさか。大人の味なら酒漬けドライフルーツだってある。
学院の生徒達もその手の話で浮足立つものも居る。……ははは、青春万歳。
「そんな僕は今日も小遣い稼ぎでひぃこら言っているのでした、と……」
夕刻を過ぎ、夜を迎えた平民地区の冒険者ギルド。
その建物内の酒場兼食堂のテーブルの上でへたん、と。顎を付けて突っ伏する姿が特徴的な長耳を撓らせ、ぐんにゃりと垂れている。
朝早くに依頼をもぎ取って雪深い山の奥に踏み込み、この時期特有の薬草を摘んで持ち帰る。
よくある仕事のひとつだ。けれども時期が宜しくない。
寒さに悴む手足、下手に暴れると雪崩を起こしそうな積雪ぶり。慣れていても、否、慣れているからこそ極力避けたかった。
「……最近急に矢だの素材等と高くなってるのって、なんだろうね。戦争?どっか出征でも行くの?」
矢もそうだが、消耗品の出費は馬鹿にならない。矢は回収できてもガタ付き等あれば、鏃や矢羽根を交換しないといけない。
夜なべして使えそうな部位を集め、継ぎ直すにしても、何があっても困らないように薬を作り溜めるにも金が要る。
遊ぶ金があるなら、あるだけにいいにしても、今のこの身分では限度もある。
専業の冒険者にいつかはなる方が良いか。それとも、どこかの貴族などにでも取り入って立身出世等でも考えるべきか。
はぁ、と息を吐きつつ、突っ伏した目線で卓を見る。
半ば食べ終えた軽い食事と、温くなったけれども一応はまだ湯気の立つ茶と。侘しくはないけれども、もう少し食べたいと思うのは贅沢だろうか。
■リーヌス > 在籍のための費用、学費については問題ない。物価やら何やらの諸事情で改訂されない限りはきっと。恐らく。
そうした費用が動き出す、急変し出すようなケースとは、何だろうか。何らかの事変、戦争当たりか。
確か、どこかの城塞都市での戦争、紛争が続いているとも聞くが、終わったともまだ聞かない。
ちゃんと卒業できるかどうかは――兎も角、きっと稀有な前払い勢としては、その辺り無事つつがなく済んでほしい。
ああ、あとそれと……。
「侍らせたい趣味なんてないけど、いいだろぅ、とか見せつけられるのも――いい加減飽きてきたよ、全く」
これである。自分と同じように学業と冒険者を掛け持ちする同級生、上級生は見る。
どこぞのお家柄か、何人も女の子を侍らせている、取り巻きにしているお貴族様も見かけるのだ。
別段仲が悪いわけではない。まあまあ人徳者、人格者、ではあるには違いない。きっと贅沢が利く育ちの問題だ。
ただ、どうだろうか。奇麗な女の子を取り巻きにしながら、しっかりと出来てそうな素振りはちょっとだけ羨ましくもある。
自分がそんな風に出来る、か?筋肉モリモリマッチョマンのイケメンのようになれるか。
(……十年位は、無理そうな気がする)
内心で独りごちつつ、身を起こす。種族柄とはいえ喰えば伸びるわけでもないのは、全く恨めしい。