2026/01/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシグルズさんが現れました。
■シグルズ > 青年は酒場にいた。といっても、店の中で酒を傾けていたのではない。
路地に面した店の裏手で、食材や酒瓶の入っていたカラの木箱を整理しているのだ。
ちょっとした雑用を引き受けて遣いを貰う、というのが最近の趣味だった。
「――うーん、もうすぐ片付け終わっちゃうな……。
オレとしては朝方くらいまでやりたかったんだけど」
そう、あくまで趣味である。
遊んだり飲んだりする金は主から貰っており、豪遊さえしなければ苦労などしない身分といっていい。
膂力だけは人並外れている青年は、単純な力仕事に苦労をすることはなく。
ほとんど疲れてはいなかったが、手を止めて伸びをし、休憩を挟むことにした。
■シグルズ > 仕事を片付けた青年は、酒場のマスターへ報告するため、店内に入っていった。
報酬の小遣いを受け取るためだ。
さてお金はすぐに酒として使ってしまうか、はたまた――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシグルズさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨道具屋」にナランさんが現れました。
■ナラン > 北風が強く吹く曇天の日。
平民地区を行き交う人々はみな防寒具を口元まで引き上げて、足早に先へと急いでいる。日暮れが近く、所々建物の影が濃くなる時限のこともあってか、寒風のなかたくましくはしゃぐ子どもたちの姿は今は見えない。
住宅街もちかい所に店を構える道具屋は、生活雑貨からちょっとした冒険者向けの薬草やら魔物避けの香もおいていたりする。
その道具屋は、一般市民向けの店と言うこともあってそろそろ店じまいの気配。そんな店内にはいま、客は長い黒髪をターバンで巻いた女がひとりきりだ。
■ナラン > (…どう しよう)
伝手から頼まれて、今日は朝からずっとバン屋の手伝いをしていた。
任されたのはアップルパイ作り。初めてであったから一人で全ての工程をしたわけでは無くて、パイ生地に卵黄をぬったりバターを塗ったり、中に詰めるためのフィリングを作ったり出来上がったのを売り場に運んだり
厨房の中では当然その他のパンも焼かれていたからそれぞれがぶつからないように、とにかく忙しく、それでいて整然と働いていた。
初めてだったこともあって、なんとか邪魔をしないように、それでいて楽しく手伝わせてもらったが
昼過ぎに仕事が終わった頃には、身体にはすっかりアップルシナモンの香りが沁み込んでいた。
(流石にこのまま、森に戻れそうには無いけれど…)
共同浴場に慣れていない女は、湯屋に足を向けることも出来ず
ねぐらにもどるまで持ちそうな魔除けを買うか
それとも、思い切って今日は浴室つきの宿をとってしまうか思い悩んでいた。
「…… 思ったより」
今目の前にある魔除けの、効果のほどは知れないが
女の想定よりは高価だったようだ。高い、と言う言葉は飲み込んで、すこし眉根をよせて考え込む表情をしている。
■ナラン > カウンターには店の女主人であろう、亜麻色の髪をきっちりと結った女が店じまいの準備をしている。
カウンターの客側に並べられている色とりどりの飴の瓶のそれぞれに布をかけながら、ちらりと魔除けの首飾りの前に佇む女に視線を投げる気配。
「―――…」
黒髪の女は吐息を吐いて、女店主を振り返る。ばちりと視線が合った店主は流石の笑顔を浮かべて、小首をかしげて見せた。
「すみません、仕舞い際に。 お邪魔しました」
女は眉を困らせたまま女店主に笑顔を返して一礼すると、足早に店を出る。
冒険者ギルドの方へ向かえば、もう少し遅くまでやっている道具屋かなにかがあるかもしれない。
普段森で暮らしていて街に明るくないのはこういう時に裏目に出る。
店の扉を開くと日暮れの寒風が吹き付ける。後ろ手に扉を素早く占めると、女は黒髪を風に嬲らせながら通りを急ぐ人に紛れていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 雑貨道具屋」からナランさんが去りました。