2026/01/16 のログ
ベリー > 「……なんだか、初めてオズ君が年上に見えた。
 苦労は若い内にしろって酒場でよく聞いたけど、オズ君見てるとその通りなのかもって思うなぁ。
 ふむ、稼ぐ方法が他にあったら、そっちの方にも手を出すと。
 冒険者は危険と隣り合わせだから、それより実入りの良い仕事ってなると中々探すのも大変そうだね。
 んー。世界中旅をしながら、色々見たり、勉強したり、そう言うのも楽しそう。……資金っていう問題さえ、何とかなればだけど。
 私は将来の事で悩んだりしなかったから、色々考えてるオズ君は素直に尊敬するよ」

パンケーキとお茶を片手に語るには壮大かつ真面目な話になりつつあるが、若者の談義にわざわざ聞き耳を立てる変わり者もいないので、特に気にせず話を続け。

「一応、寄付って形にしてもらってるんだ。本当にお金ない人から取るわけにもいかないし、かと言って放っても置けないし。
 ふっ、ふっ、ふーっ。チラッとだけね? あと、シスターが機嫌良さそうだったから、そうなのかなぁーって。
 ……オズ君、悪い男ムーブ向いてないじゃないかな?」

世知辛い世の中ながらも、善意をもって在るべきが教会だ。
お金のある所からはきっちり貰うが、無い所には施しとして手を差し伸べ、教えを説いて導くのが少女らのような聖職者の役目である。
彼の顔にまた照れた様子が見えれば、どやぁっ、と言わんばかりの顔で笑うが、その実、確証があったわけでは無いと言う。
シスターがお小言なく見送ってくれたので、あたりを付けて鎌を掛けたのである。
そして、改めて思うのは、彼の隠しきれない日頃の善行のせいで、ちょい悪な男のイメージからどんどん外れていくと言う現実。

込める魔法については、ハイハイと頷いて頭の隅に留めつつ、お茶を一口すすり。

「え? 私のも? んー……わかった、一応気を付けるね。ありがとう。
 あ、そっか。卒業したらもう今の場所には住めないのか……。もしも寝床に困ったら、その時は教会においで。
 ずっとって訳にはいかないけど、宿代稼ぐ間くらいは泊めてあげられるからねっ!

 ――って、ぁっ、ちょ、ちょっと、オズ君?」

話しつつ、パンケーキへと伸ばした手がその手前で捕まえられて、思わず困惑の声を上げる。

「いや、えーっと……その。ちょっとびっくりしただけで……ぅん……」

今みたいに不意打ちだったから。そう言い訳をして眼を逸らして言葉に迷う。
少女の手は年相応の細く柔らかでありながら、鍛錬のあとが見えるしっかりとした冒険者の手をしていた。
握った手がそのまま確かめるように握るなら、その硬さと大きさを改めて実感し、慌てた様子で手を引いて、あははっ、とまた誤魔化して笑う。

「ととと、と、とりあえず! 今は大人しく食べようねっ! 冷めちゃうから!」

オズワルド > 「流石にその言い方はひどくない?」

年上云々に、口ではそう言うくせに、顔はけらりと笑ってた。

「それこそ、大量にお宝溜め込んだら、店を開いても良いのかもしれないな。後はー、魔法のアイテムの作り方を学んで、職人として稼ぐとか…ダメだな、なんかそういう地味な仕事は身につかなさそうだっ。
 ベリーも、何かやりたいことあったら挑戦した方が良いぞ。或いは、もう決めてチャレンジ中かもだけどなっ。」

その辺はわからんっ、と正直に言い切る。だって知り合ってまだそう間もない、身の上話も今が初といった具合だから。
だからこそ、相手が語るまでは踏み込まないし、頑張ったらいいよねと言うゆるーいラインを言葉で引いておく。

「向いてないとか言わないでほしい。オレはこう見えて悪い男なんだぞ?どんなワルかは言わないけど。」

どうよ?って自分を親指で示して見せるけど、どう見てもはちみつ生姜茶とパンケーキを楽しんでいる姿である。ワルと言い張るには無理がある。
が、ちょっと無防備にも見える様子には、ん、と仄かに眉を寄せるけれど。まあ深く言うことも無いかと、寄った眉をほぐして。

「流石に後輩に部屋開けてやらんとな。 何ともならなくなったらおねがいしまーすって頭下げに行くわ。その時はよろしく。」

たのんます、とお茶のカップで拝むような仕草を見せて。
直後に、手をきゅっと握ってから、

「ふーん? なんだ、男の子に慣れてないだけかと思った。」

なんて、からかうように言葉を口にして、にんまり笑って見せたら、手を握る力を緩める。当然、手を引けば簡単に離れてしまい。

「そうだな。パンケーキ頂いてー…その後はどうする?新年売り出しで頑張ってる屋台でも冷やかしてく?」

そんな提案をしながら、もうしばらく続くパンケーキとはちみつ生姜茶を楽しむ時間。
パンケーキが空っぽになるまでは、のんびりと雑談を続けて。
その後はさて、どうなったかは、二人だけの知っていること。

ベリー > 軽い調子で返す声に、ふふっと小さく笑みを零し。

「魔法のアイテム屋さん? 面白そうだね、世界中から色んなもの発掘したり、自分で作ったり……。
 学院で学んだことを全力で活かせそうっ! 大変そうだけど、やりがいはありそうだよ。
 私は……――うん、色々あるけど、ざっくり言うと困ってる人を出来るだけ助ける!って言うのが目標かな?
 後は野となれ山となれー……じゃなくて、結果は後からついてくるってことで!」

大きな夢を掲げて未来を夢見るのも若者の特権だ。青年もまた、現実を見つつ自分の望む方向へと歩んでいくのだろう。
そして、やはり行き当たりばったりな計画性のない少女の将来は如何に。
悩みなど何一つ無い。そんな天真爛漫とした笑顔を向ける。

「へぇーそうなんだー。どんなワルなのかなぁ。
 オズ君には、あんまり悪いことはしないで欲しいけど、憧れを止める方法は無いって冒険者(みんな)も言うしね。ほどほどにね?」

棒読みになって、うんうん、と相槌を打つ姿は悪戯坊主を宥めるシスターらしい貫禄で。
否定はしないがお尋ね者になるようなことにならないように。
例えば、公になってはいないが若い冒険者の女子の間で密かに作られているセクハラ野郎リストなどに、紳士的な青年が載りませんようにと祈っておいた。

「卒業までにお金を貯めて、安定して宿を借りれるようになるのが一番だけどね。はーい、その時はどーぞ」

さらりと釘を刺しつつ、どうしてもの時は受け入れると頷いて。
にぎにぎと、触る手から逃げて手を引けば、意地悪い顔で笑う彼を目が合い、むむむと口を引き結び。

「な、慣れてるもん! 色んな人とパーティー組むんだから、これくらいよくあるし。揶揄わないでっ」

言い訳がましく言葉をつらね、引いた手を今度は伸ばしてツンッと、彼のおでこを人差し指で小突くふりをした。

「んー? 冷やかし目的はどうかなって。とは言え、散財しちゃったからぁ。
 ちょっとだけみるくらいなら、冷やかしにならない……かな?」

パンケーキをまた一つ大きな口に頬りこんで頬張れば、ついついほおが緩んで来る。
口では真面目なことを言いつつも、店を回ればきっと賑わう雰囲気に流されて、楽しい気持ちに浮かされて。
財布の紐が少し緩んだりもしてしまうのだろう。
初売り周りの楽しいお散歩はまだまだ続きそうだ――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からオズワルドさんが去りました。
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