2026/01/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」にスルーシャさんが現れました。
スルーシャ > 新年の喧騒、賑わい、浮ついた空気が落ち着いて春に向けて人々が歩む頃、
人に偽装した魔族は酒場でエールを飲み干していく。

認識の阻害、歪曲、偏性。それにより酒場の片隅の席に一人座り、時折給仕に声をかけて注文を投げかける。

侵攻は武力や魔力に偏るものではない。むしろ初期段階にあっては内部工作もまた重要になる。
その立ち位置にあって魔族将校は隠遁と秘匿に特化して、己の尖兵となる人間を選別する。

あるいは商品。あるいは傀儡。
心を染め堕とし、歪め、信奉と狂信に狂わせていく。
時に背徳、時に背信を同胞だった人に向ける。
人間同士が滅ぼし合うことで魔族はなんら手を汚さず、数を減らさず侵攻を遂げる。

「そろそろ、王都に人材も出そろって来る頃よね」

人間は里帰りと言う風習がある。生誕地に戻るそうだ。だがそれも終わる。
また、己の眼鏡にかなう人間と言う資源が揃っていく。

見目の良い者も良い、心が強い者もいい。
折り、歪め、染めていく。その過程が狂おしく際立つ人間ほど美しい。

長年磨いた独特の審美眼を以て、酒場に訪れる者を見据えて、資源としての美を見出そうと。

スルーシャ > やがて、声をかけてきた一人……、己の認識阻害の中に誘い込まれた人間と共に酒場を後にする―
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」からスルーシャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にオズワルドさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にベリーさんが現れました。
オズワルド > 年始の頃、とある冒険者の知人かた一つ頼まれごとをした。
   『今年からオレの知り合いが冒険者向けの店を開くんだけど、〇〇日に初売りやるんだよ!良ければ冒険者仲間とか連れて来てくれないか?』

なるほど、上手く顔を繋いで売れ行きを伸ばそうというPRを兼ねた催しだなと思ったのだが、問題が一つ。
距離感の近い冒険者は、年始からおおよそ忙しくしており暇そうなやつがいなかったのだ。

「どうすっかな…ああ、そうだ。」

ぽん、と思いついた年末に知り合った冒険者の顔が一つ。
確か教会に行けば会えるとか…そういうわけで、依然教えられた教会へ行き、

「やっほー、新しくできた冒険者向けの店で初売りやるらしいんだけど、一緒に行かない?」

そんな、割と唐突で軽い感じに、貴女…ベリーに誘いをかけたのであった。

ベリー > 年末年始も変わらず信者達の日々の暮らしを見守り、心を支えるのが教会の役目である。
新しい一年を祝い家族と共に礼拝へ訪れる者。
毎日の日課としてお祈りに来る信心深い冒険者の姿と言うのもある。
その他、滅多に神に祈らない不敬者や、無神論者であっても慈悲深く受け入れ教えを説くのも我らが聖職者の勤めだ。

そんな厳かでありながらも賑わう教会の中で、少女も聖職者の一員として働き、ようやっと一仕事を終えた頃。

「――? オズ君、こんにちは。
 お店の初売り? えーっとぉ……」

軽い調子で呼び止める声に振り返れば、見知った青年の姿がそこにある。
用件を聞いて少し迷うのは、他の……主に監督役の年配のシスターへ、チラリと視線を向けてお伺いを立てる仕草のため。
シスターがにこりと微笑めば、お許しが出た少女も嬉しそうに花が咲いたような笑顔を浮かべ。

「勿論っ! OKだよっ、行こーっ! すぐ支度するから、3分待っててー!」

元気よく返事をして、大急ぎで準備を整えれば、早く行こう!すぐ行こう!と青年の背を押して店へと向かうだろう。

オズワルド > 「おっし、デートのお誘い成功ーっ。 はーい、3分なー。」

そう告げてベリーが準備を整えるのを待ちつつ、ベリーが視線を向けた先に居たシスターさんに、軽く頭を下げて。
ついでに寄進箱に貨幣を少々寄進しておいた。新年だもの、少しくらいはね。チャリン。

もこもこコート可愛いな?とか告げた合流時の出来事もあったが、さておき。
支度を整えたベリーと合流して向かう先は、平民地区の一角である。

「年末以来だけど、年始はどうだった?
 オレは年始早々、街道に出た魔物退治に駆り出されて大わらわだったよ。」

そんな年始の出来事をおしゃべりしながら向かっていくのだが、
どうやら自分たち以外の冒険者にも声をかけていたらしく、近づいていけば人が多い。
行儀が良い冒険者ばかりでないので、わりとごった返しているようで…

「はぐれないように手でも繋ぐ?」

冗談めかしてそんな提案を告げたりもしてみた。

ベリー > チャリン。と落ちる現金の音に、シスターは上品にニッコリと微笑んで『主のお導きがあらんことを』などと決まり文句を告げる。現金なものだ。
そうこうしている内に支度を終えた少女は、もこもこのコートに身を包んだ姿でズザザザッ!と舞い戻り。

「お待たせー! 2分50秒……よしっ! シスター、夕方には戻ります。さっ、行こうオズ君っ!」

そう言ってぐいぐいと強引に青年の背中を押して、冷たい風が吹く冬の街へと繰り出すのだった。
道中、お店のことを聞きながら、長いようで短い休みの話には。

「こっちは大きな討伐依頼は受けてないかな。年末年始は教会も色々忙しくって。
 冒険者としては、少しだけ遠出して誰も受けない田舎の方の依頼をちょーっとね」

それぞれの近況を語り、学院って年末年始はおやすみあるの?なんて質問をしたりして。
街の賑わいが混雑と言う形で目に見え始めると、背の高い彼の少し後ろをついて行く形になる。

「え? え、えー……? いいよぉ、そんなっ。あ、えーっと、じゃ、じゃあこっちで!」

はぐれないように、と言う建前がある。別に、そう言う意味では無いとわかっているが…。
少女は冷気で赤くなった頬をまた少し赤らめて、誤魔化す様に笑ったら、ぎゅっと。手を握る代わりに青年の服の裾を握った。

オズワルド > 「まあそりゃそうか。教会も年末年始は忙しいよな。ミサとかあるだろうし。ドサ回りはお疲れ様だ。後で暖かい飲み物を奢ってあげよう。」

初買いの後もぶらぶらしようぜ、の提案を投げた道の途中。
歩く足取りは、相手の足のコンパスに合わせてのんびりだ。

「学院は、先生方がお休み取るからな。講義は休みだけど…そういや天文学とか星見とか、そういうトコはむしろ忙しそうだったな。
 新年だからこその星座の巡りがどうとか。あの辺の授業取ってる星ガチ勢は祝いとか言ってられないのかも?」

質問にそんな学院小話なんかもしながら、ひょいと一度爪先立って人の流れを覗き込む。ふーむ…。人の流れ的にこっちの方かな?

「何、遠慮しなくてもいいのに…って言うのはベリー相手にはちょっと早かったか。
 でも、せめてこっちにしない?」

裾を握るのは止めないけれど、こっち、とふりふり、左腕のコートの裾をアピールした、した後に。

「こっちの方が列みたいだし、こっちいこ。見物客のが多いみたいだし。」

そう声をかけながら、人ごみの中をゆっくり歩きだす。多分こっちの方が列の最後尾…のはず。

ベリー > 「いいの? やったぁー! じゃあ、代わりに私はオズ君に何か甘いものをご馳走してあげるねっ」

わーい!と両手を上げて喜んで、その飲み物に合いそうなものが出店に並んでいたら良いなと祈る。
蒸した餡饅頭か、焼き芋か、温かくてほっこりするものがありますように。

「天文学? あー、冬は確かに空が澄んで高く見えるって言うのかな? 星が良く見えるもんね。
 あんまり詳しくないからわかんないけど」

聖書に出て来るお話なら少しはわかる。それでも、ほんの少しだ。
ガチ勢の熱意はきっと氷も溶かす勢いなのだろうと想像して、肩を竦めて苦笑した。

「むぅ、早かったとは聞き捨てなりませんねぇー?
 オズ君と歳も変わらないんだから、子ども扱いはしないでよ。もーっ!」

ふりふりされた袖の裾。それと青年の顔をそれぞれ一瞥し、ぷんすか。なんて擬音でも出そうな態度で一度腕組をする。
はぐれないように、と言う時点で子ども扱いのようでもあるのだが、それは置いといて。
文句を言いつつも握る先を袖に変える。

「うん、わかったぁー。って、見物客?」

そんな人寄せになりそうなもの、この辺りにあったけ?と首を傾げながら、袖に引かれて列の最後尾へと二人仲良く加わって。

オズワルド > 「じゃ、初買いの後は暖かい飲み物と甘いモノってことで。
 そうそう。観測が上手くいくって。でも屋上で観測するのって絶対風邪ひくよなって毎年思うわ。」

ぜったい寒い、って肩を振るわせて見せて。

「いやいや、オレとベリーの関係性がね。
 つっても、年同じくらい? オレ、次の3月で19だけど。」

年近かった?って首をかしげながら、ぷんすかする様子にはふふ、と緩く笑って。
袖を握られたのを確認すれば、左腕はなるべく動かさないようにして、掴みやすいようにする。

「何か、一方方向だけ見てる人が多いっぽいんだよね…もう少し近づけば見えてくるかも。」

歩くうちに、ここが最後尾ですよ、の看板を持ってる人を見つけたので、最後尾~、って並ばせてもらう。
そうして少しずつ前に進んでいけば、見物客が見ていたものも見えてくる。店頭に、ショーケースの様なものに入れて飾られている剣が一振り。見るからに上等な装飾が施された魔法の剣のようだが、なぜだか飾られているようだ。

ベリー > 「あはは。んー、どうだろう? オズ君みたいに自分の周りだけ温かくする魔法が使えれば大丈夫かもだよ?
 一晩中魔法使いっぱなしって言うのが大変かもだけど」

大げさに肩を震わせる様子に釣られて笑うが、さて。
学院の生徒なら魔法には長けている者が多そうなので、その辺は何とかなるんじゃないかな?と首を傾げて返す。
まさか根性論だけで真冬の屋上に居座るバカは居るまいと。

「あ、あー! そう言うこと、ねっ。う、うん。いや、んん~……?
 私は今17だよ。誕生日は春過ぎだから……一歳と少しだけオズ君の方が年上と。
 ほら、やっぱり同じくらいだよ?」

仲良しの友達になったら手を繋いで歩くのも良いのだろうか?
少女の頭の中に浮かんだ年長のシスターたちは、厳しい顔で『不純異性交遊!』『不潔!』と声を上げていた。
うーん。と悩みつつ、告げられた年齢を数えては、自分の予想が正しかったと自慢げに胸を張る。
緩やかな歩みと振りほどかぬように揺れ抑えた左の手。青年の気遣いを感じ取りながら、少女は楽しそうに笑みを浮かべて。

「そうなの? んーっ、よっ! ふっ! たし、かにっ! はふ……っ、そうかも? 大道芸でも来てるのかな?」

行きかう人の視線を追っても視線が集まっている様子は少女には見えず、背伸びをして、軽くジャンプして、ようやく人の流れが少し伺えた程度だった。
これ以上はわからなさそうなので早々に諦めて、大人しく列に並びながら、進んでいずれ見えるだろうと思っていたが……。
人々の視線が向かう先、この混雑の現況がショーケースの中に飾られているのに気付く。

「……なんだろう? 高そうな剣が飾ってあるみたい」

何か看板か張り紙でもあれば詳細が分かりそうだが。
きょろきょろと辺りを見渡してみたり、周りの人の声に耳を傾けてみようか。

オズワルド > 「冬に毎晩、温かくなる魔法を使って過ごしてたら、すぐに長期間魔法使って過ごすコツとか掴めそうだな。ある意味良い修練なのかもしれん。」

出来なければ風邪ひくいばらの道だなあ、なんて納得した様子ながら笑って見せた。
流石に根性論だけはないだろ、その通りだな。

「ん?どうかしたか?」

何か言いよどむ様子には、首を傾げはしたけれど。

「1個下かー。誕生日の時期も近いし、マジで1年違い位だなあ。
 誕生日何日?なんか贈るよ。 花とかになるかもだけど。」

と、年齢の話には、ベリーがあってた、と頷いて見せつつ、誕生日を尋ねる程度には気にかけて置き。

「大道芸なら、もう少し騒がしくてもおかしくないと思うけどなー。音楽位聞こえてくるだろ。」

しかして、聞こえてくるのは人のざわめきばかり…そのざわめきの中には、当然意味のある単語も含まれるわけで。

 聞いたか?属性効果の魔法剣だってよ。
 何で飾ってあるんだ?
 店の一番高い品だってみせつけてるんじゃねえの?
 オレは初売りの福袋の中に一つだけ引換券が入ってるって聞いたぜ。
 オレは安売りって聞いてきたんだけど
 値札置いてねえから安売りじゃねえだろ

等等。
実態がどうなのかまではつかみ切れないが、どうやら店のPRの一環による飾りつけのようだ。
そんな話も聞こえてくる中も進んでいく列。

「お、そろそろ商品見えてきたなー。
 大袋の福袋と、小さい福袋…小さいほうがたけえな。良いモノ入ってんのかな。」

両方買おうかな、なんて少し悩む素振り。初買いだもの、豪華に行ったほうがいいだろうし…。

ベリー > 「うへぇ。スパルタだぁ……」

貴族が通う優雅な学院への印象がまた一つ間違った――或いは現実に準拠した正しい方へ、少女の中で塗り替えられた。
頭の中で、聖職者達が潔癖とも言える清純を訴えるので何とも言えない顔になっていたが、どうしたかと問われてはふるふると首を横に振って、なんでもないと笑って流し。

「良いの? 私はね、六の月の十日。花も好きだから嬉しいよっ。
 オズ君は何が良い? 春になる頃だからなぁ、冒険者らしく実用的な方が良いかな?」

プレゼントを貰う約束をするなら、当然のように贈りあう。
少女の誕生日よりも先に来るだろう彼の誕生日に何を送ろうか、今から考え始めて首を傾げつつ問い返す。

「あははっ、それもそっか。ざわざわはしてるんだけどね。
 ――うん、なるほど……」

相槌はそこそこに、周りの声に耳を澄まして聞き耳を立て、聞こえてきた耳寄りな情報に少女の表情はわくわくと昂る気持ちを抑えきれず。
呑気にどの福袋を買おうか、なんて言っている彼の袖をぐぐいっと引っ張り。
むしろ、ぶんぶんと振り回す勢いで振って目を輝かせ言う。

「オズ君っ、聞いて聞いて!
 福袋の中にとっておきの大当たりがあるんだって!
 聞いて驚け……なんと、あのすっごい高そうな魔法の剣の引換券が一個だけ!一個!だけっ!!
 オズ君ここは思い切って両方買おう! 私もお小遣い全部投資するつもりで買うからっ! ねっ!」

冒険者とは夢を見る生き物だ。福袋に詰まった夢もまた、追い求める価値がある。
少女は懐から財布を取り出すと、今月の生活費を抜いた残金全て――とは言っても大袋と小袋一つずつしか買えないが、それを叩いて夢を買うと言う。

オズワルド > 「どこだって突き詰めればスパルタだよ。まあ、金持ちとか貴族は、それこそ温かくなるマジックアイテムでも使ってるんじゃねーかな。」

世の中金と権力である。厳然たる事実。
そして平民は下働きとしてこき使われる…そんな経験談を語らないくらいの空気読みはできた。沈黙は銀。

「6月10日な。覚えとく。できれば6月になったら思い出せるように一発強請ってくれても良い。
 オレは3月の15日ー。んー、カブの酢漬けとか好きだよ。カブの酢漬けと炙った燻製肉でワイン飲むのよ…これがまた旨くてさ…。」

拘りメニュー内容を思い出しながら、プレゼントには酢漬けを頼む辺り色気がない。失せものの方が軽いだろうという考えもあるから、どうよ、と右手人差し指を立ててふりふりしながらの提案。

そんな会話に、福袋選択に悩む時間も入り込んでいれば、ぐぐいっと袖を引っ張られるのに、おおっ!?とそちらに視線を向けて。

「ちょっ、ベリー、袖振り回すな周りのめいわくだからっ。」

と、一度止めはしつつも話をちゃんと聞く。ふむふむ、なるほど?

「えっマジ?あの高そうな剣が? まーじかー…。
 そりゃもう狙うしかないな。オレの幸運を甘く見るなよ…?つっても、オレも持って来た金だと1袋ずつが限界だな。
 ヨシ、買ったら一度離脱して、飲み物と甘いモノ確保してそこで開けようぜ。」

冒険者たるもの、夢見てナンボ。冒険者ドリームは何時だって人を冒険に駆り立てる。
当然、一攫千金大当たりで大儲けなんて、冒険者ならば狙って当然。財布の収まるポケットを叩いて見せた。

さて、そんな会話をしていれば、割とサクッと順番は回ってきた。並べられた大きい福袋(1d100+1)と、小さい福袋(1d10+1)の中から、一つずつを選んで。

「それとあれで、1つずつで!」

というわけで、結構な額をお支払いのこととなった…。

ベリー > 世の中金。あと権力。なんて夢の無い話だろう。しかし、これこそが少年少女の生きる現実なのである。
少女は相変わらず「うへぇ……」としたげんなり顔で少し肩を落とすのだった。
しかし、そのげんなりも楽しい話に変わればすぐに晴れ、嬉しそうに頷き。

「うん、わかった! 忘れないでいてくれるのが一番だけど、もしもの時はおねだりするねっ。
 ――カブの酢漬け? そんなんで良いの……? まぁ、私は助かるけど。遠慮してるって訳でもないなら、良いか。
 オズ君の誕生日はカブの酢漬けと燻製肉のセットにするね」

まさかの渋いチョイスにキョトンと目を丸めるも、本気で好きなのが伺える物言いに一応は納得する。
お酒は飲めないので選べないが、肴の方ならなんとかなりそうだと微笑み、喜んでその提案に乗っからせていただいた。

そうして、もうじきお目当ての福袋が買えると言う頃。
はしゃぎすぎて空回り、騒いでしまった少女は叱られるとハッとして手を離し。

「ご、ごめんっ」

青年に謝った後、周りも見渡し、しょんぼりと頭を下げる。
しおしおと元気が抜けて、丁度良いくらいになったとも言える。

「……うんっ! 店員さん、私も彼と同じのくださいっ」

大きいのと、小さいの。一つずつの代金を支払って、ドキドキと高鳴る胸の鼓動に急かされながら、賑わう店を出て少し離れた場所まで行こう。
買い食いも目的に入れるなら、少し行った先にある広場が良いか。
浮足立って足取りも軽く、来た時と同様に青年の左袖を右手で摘まみながら大通りを行く。

オズワルド > 「おねだりで気づいた時は、花に加えて何か上積みするわ。お菓子辺りがいいかな。
 冒険者仲間なんだから、あんまり貰いすぎも悪いだろ…お、燻製肉ついてくるのか。ありがたい。その分良いワインでも買おうかな。」

3月が楽しみだ、なんて笑って見せる。

「オケオケ、どんまい。」

しおしお抜けていく元気が見えてくるかのよう。そんなあなたに、よしよし、と触れない程度に手を近づけて撫でるようなそぶりを見せる。エアなでなで。
手が離れれば、お買い物にはちょうど良い。購入した福袋二種を腕にしっかと抱え込んで、店から離れる。

世の中金と権力、こればかりは変わらない。しかし、確かに夢もある。冒険者ドリームと、福袋ドリーム。それは今、オレと君の腕の中に。

「飲み物、何にする? たしかはちみつ入りの生姜茶売ってる屋台でてたのとー ホットレモネードも確か広場にあったはず。」

チョコっとお高いけれど、年始だからその位でも良いはずだ。また袖をつままれながら、コンパス狭いめの足取りで広場の方まで。
たどり着けば、そこはそこで人でにぎわっていた。年始だもの、皆少しばかりの散財を許しているらしい。

ベリー > 「ってことは、忘れてもらってた方がお菓子分お得ってこと? なーんて、えへへっ。
 うんうん、これはお互い誕生日が楽しみだねっ!」

数か月は先になるお祝いを記憶の隅から消さないように、しっかりと書き残して。

「……あはは、ありがとね」

軽い調子の言葉とエアなでなでに慰められて、少女は眉を下げつつ笑って目を伏せた。
周りの客もぶつかられた訳でもないからか、そこまで迷惑そうな顔をした人もいなかったことが救いだ。
無事戦利品を抱え、二人並んで辿り着いた広場には多くの出店と人、人、人……。ここも当然ながら沢山の人で賑わっていた。
それを見越してか、いつも並べられているベンチの他にも簡易的な折り畳みの椅子や机も並べられているのが見える。

「うーん、迷うけど……私は、はちみつ生姜茶にする!
 食べ物も色々あるね。串焼き、焼き芋、餡饅頭……肉饅頭とかポトフもあるし、球型のパンケーキの詰め合わせとか……オズ君は何が良い?」

多少金額がオーバーしても生活費が少し削れるだけで済むように、足りない分は冒険者の仕事を多めに取ってー……と、頭の中で計算しながら、出店を見渡し彼に尋ねてみよう。
甘いのも良いし、塩気のあるのも良い。見てるだけで腹ペコゲージがぐんと進みそうである。

オズワルド > 「これで、ちゃんと覚えておくぞって言うとプレゼントケチってるように聞こえて困るな。その分良いお花選ぶかー。」

6月の花と言えばなんだろうな?と首を傾げた道中。
ベリーの選んだ飲み物に、じゃあオレもそれにするか、と頷いて。

「個人的には腹に溜まるもん食いたいし…パンケーキ詰め合わせでどうだ?まとめて買って二人で分け合うのが楽だろ。」

言いながら、すいっと指先が球型のパンケーキ詰め合わせの露店の方を指さした。

「それで問題なかったら、オレがはちみつ生姜茶買ってくるから、パンケーキはそっちにお任せで。
 場所はあっちのベンチの方で合流しようぜ。」

それでいいか?と伺うように問いを重ねる。
同時、ぐぅ。 腹の音が鳴った。

「…寒い日は腹が減るんだ。そういうことないか?」

かおが ちょっと あかい。