2025/12/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/教会」にカイルスさんが現れました。
■カイルス > 昼間、太陽が出ていても少し肌寒さを感じるようになってきた、そんな冬の日。
隻眼赤眼の男はアウターを脱ぎ、手斧を片手に薪を割っていた。
薪に軽く斧の刃先を食い込ませ、薪割り台――といってもただの切り株だが、その上に当てる。何度か繰り返して薪は半分に割れた。
隊商の護衛依頼を受けてふらふらと街から出ることも考えたが、やはり冬の夜を屋外で過ごすのは身体に辛い。
年の瀬に慌ただしいのはどこも同じ。寄付をしている孤児院を訪ね、男手がいる作業を引き受ける代わりに一宿一飯の世話になる。
そんな孤児院が片手では足りないほどあるものだから、街から出なくともそれなりに過ごすことができている。
ともあれ、それも一巡りした。冒険者ギルドに赴いて、糊口を凌ぐ必要がありそうだ。
そういえば騎士団の傷病年金はもうもらえるのだったか、近々王城を訪ねるのもよいだろう。
考え事をしながらでもできる作業は良い。うっすらと汗をかきつつ、周囲を眺める。
普段はまとわりついてくる子供たちも、刃物が危険だからと言い含めたからか近くにはいない。
建物内でシスター達の話し声と、通りを行きかう雑踏の音が聞こえる。
まだ割る薪は沢山ある。誰かが話しかけてきたら休憩するとしよう――。
■カイルス > 半分ほど片づけたところで、一息ついた。
斧を子供たちの見えない所へ隠すと、おーいと声をかける。
何人かの子供たちが建物から出てくると、薪を紐で束ねるように頼んだ。
薪割り台に腰かけて息を整えるうちに、火照った身体の熱がみるみるうちに奪われていく。
子供の一人が持ってきたコップを男に渡す。蕎麦の茶のようだ。男は左手でコップを受け取り、右手で子供の頭を撫でる。
撫でられた子供は嬉しそうに、照れくさそうにしながらぱたぱたと建物へと戻っていった。
「沁みる……」
温かい茶を口にして、ほぅ……と長い溜息をついた。
子供たちが薪を束ね、倉庫へと持って行ったなら薪割りを再開するとしよう。
男は通りへと視線を向ける。教会側は人の出入りが多いが、孤児院側は全くといっていいほどない。
敷地内と通りで違う時間が流れているかのような錯覚を覚えた。
開け放たれた門扉から通りの人々が見えるが、誰もが孤児院など存在しないかのように視線を向けず、通り過ぎていく――。
ご案内:「」にカイルスさんが現れました。