2025/12/24 のログ
■ネーラ > 「ぅー……いっそ季節の精霊か妖精でも呼んで小春日和にでもしてみるか…?」店の扉を閉め、一旦カウンターの奥に引っ込もうとした時。彼女の背中に外気が滑り込む。
「……ん?どうした少年?暖でも取りにきたのかの?」
手前が店、奥が住居となっており、この王国の様式の建物だが、店舗部分の内装は砂漠の国のエキゾチシズムを纏う。
透かしステンドグラスのついたランプ。床には砂漠の国パルスの絨毯。
左の棚には薬草、護符に砥石。
ランプにオイルに魔獣の爪。
右の棚には携帯食料、あれば役立つただの布、初歩の冒険者向けのナイフは魔術が付与されたもの。
奥の棚には巻物、魔法書、宝石のアミュレット、回数制限付きの魔物を呼び出し使役する簡易召喚アイテム。
主人が陣取るカウンターは今は空いていて、その隣には子供にはまだ早い媚薬、避妊具、淫魔召喚セルフプレジャーキット、など。
身を翻すと、銀髪が溢れ褐色の肌に砂時計型のダブルバレルなシルエット。
標準的王国民の容姿とは異なる、この姿。
「ん?……学院の生徒かのう?ああ、そういえば講義の時に店の話など、したか。」
己の講義の時に、生徒の中で見た顔であった、と記憶している。
「今日も1日授業は大変じゃったな。今日の宿題は終わったか?それとも、冒険のために何かが要り用か?安くしておくぞ、少年?」
■レン > 店内に陳列された品々の内、特に目を引いたのは魔術に関するアイテム。
講義や書物で知ってはいたものの、実物を間近で見られる事は無く、感心したように、半ば呆けて眺めていたが。
雑貨屋の店主に声を掛けられ、我に返ってフードを取って顔を向ける。
「ええと、その、学校で話ば聞いて、来てみたけンど……
今ぁ手持ちがそんな無ぐて……今日は、見るだけって思って……」
しどろもどろ。別に盗みを働こう、などと考えて来た訳では勿論ないが。
学院の講義の際に遠目に見ていた講師の魔術師――魔女が直ぐそばに居た事に驚いたのと、
単純に近くに居るネーラに気付かない程、売り物に気を取られていた己に恥じり、言葉が上手く出て来ない。
「ネーラ先生、だべな?
こないだの授業、とても参考になったンで、そのお礼も……と」
しどろもどろは続く。
ネーラが講師として教壇に立っていた時は、距離があった事、講義の内容の方に気が向いていた事もあって気にならなかったが、
近くで見ると思春期には刺激の強過ぎる出で立ちに、体躯。
前髪の下でどこに視線を向ければ良いのかと視線を彷徨わせる。
■ネーラ > まず、魔法の品々に目が行くのは、流石に学院の生徒といったところ。
基本的にその筋への興味がある。それは、彼女をして自らの遥か昔と何も変わらないように思わせた。
「やはり、学院の根本は変わらんの…」
彼女のように奥義を目指し人の実質を変えていった存在から見て、若い一瞬のひとときにある人間の姿はいつ見ても素晴らしい。生きているということを感じさせる。
「レンも殊勝なことじゃ。若いのに最近珍しい。講義をした甲斐もあったというものじゃな?…何か気になる商品でもあったか?」
彼女は名簿でその名と顔を一致して覚えている。彼が室内に入り、ドアを閉めたので、ケープを脱いだ。
両手で丸めていき、ふたつのたなごころを被せ合い丸くして、その手が開かれると、そこには何もなかった。
難なく、亜空間に収納してしまうのだ。
そして衣類と、その下に隠れた体がうかがえてしまう。
「……ふぅむ。」
彼女にしてみれば、纏う必要がないからしまっただけだが。魔女の我が身の纏うのは、神秘と誘惑の気配。
「………ふむ。」
かつり、と半歩距離を詰めてみる。
張り出した胸元は堂々とし、衣類に隠された体の形は見ただけでわかるほど、服はタイトに。
足はキリッと閉まり、しかしワンピースの裾から覗く太ももの形はどうだ。
「…あいにくと私は魔女だが魔物でなくてのう。そこは目ではない。」
一瞬胸元をすばやく視線が横切ったような気がして、少し潜めた声で艶っぽく釘を刺した。
「お礼というのは、よもや、そういうことか?生き物の定めゆえ恥ずかしいことではないが、内気の割に大胆じゃな?ん?面をあげい。」
本当にお礼を言う若者もいるが、この体を見たくて通う者もいる。
にこり、とにまり、の中間の目が、彼女のメガネの向こうから見ている。
■レン > 「あ、名前……」
名乗る前に名を呼ばれて、一瞬驚いた様子を見せる。
しかし、すぐに相手は講師、講義に訪れた生徒の情報など把握していて不思議ではない、と納得した。
意外と真面目な先生かもしれない、と考えを改めようとしたレンだったが、徐にネーラがケープを脱ぎ、それを収納する姿を見てまたしても視線が彷徨う。
一層思春期には目に毒な装いとなった彼女を、直視出来ないレン。
「ひゃっ!……も、申し訳ねす!お、オラァ……あんま、人の目ェば見て話すの、得意でねぐて……」
視線を指摘され、裏返った声を上げつつ一歩、二歩と後退る。
そのまま踵を返し逃げ出しても可笑しくない挙動だが、今のところ、退店する意思は無い。
「そ、そういうことってどういうことだべか!?
べ、別にオラぁ普通にお礼を言おうと……先生の授業、分かり易くて参考に出来る事もいっぱいあって……!」
面を上げろと言われてその通りにするが、彼我の身長差はそれなりにある。
自然と、ネーラの顔を見上げる事になるが、それ以上に顔の高さに豊かな胸元があり、ソワソワと落ち着かないレンである。
■ネーラ > 「そういうことは、そういうことじゃが?なんだと思っていたのじゃ?人を見たら話したくなるのは、人間の本能のようなものじゃろう?」
何を期待しているのやらと言う様子でしれっとする。ちょっと言葉でくすぐって見せただけだった。
身長差。
確かに。頭一個少々くらいの身長差がある。
と言うことは、目は当然ネーラの鎖骨あたりより低く、従って目の前に丸くて大きな、温かいものが、ニット越しにふっくらと上下しているのが分かろう。
「良い良い。そのくらいのこと、男子としては健全至極じゃ。」
仮に彼が女性で、同性愛者であったとしても、健全至極とネーラは考える。
性には善も悪もない。
「しかしせっかくお越しいただいて、立たせているのも失礼じゃな。」
彼女はカウンターの後ろに回り、壁に立てかけている折り畳みテーブルを、魔法用具の棚の前に広げた。
両足をX字になるまで広げると、二つの板が組み合わさって円卓になる。
待っておれとネーラはいい、カウンター後ろのドアを開けると、住居区域に入る。
そして自室から、お茶の入ったポットを持ってきた。
(お茶、二人が共に飲める何かで、レンが飲めない者ではなかったと言うことで、紅茶でも緑茶でもコーヒーでも)
お盆の上にティーポット。
カップとソーサー2ペア。
お茶請けとしてクッキー少々。
「私物なので口に合うかは分からぬが」
そして、店内のスツール2脚を寄せて、差し向かいで座る感じに。
■レン > 「そ、そんな事無ェと思うんだけんど……」
性格上、人付き合いが得意でないレンにとって、本能だと言われてもピンと来ない。
故郷の言葉が抜けきらない事もあり、出来るだけ話しをするのも避けたいくらいである。
同時に、揶揄われたことも察して、少しだけむくれっ面になるレンだった。
努めてネーラの顔を見て話をしようとするものの、視界にはニットに包まれた小山がどうしても這入り込む。
ただ白いだけであれば気にしない事も出来ただろうが、何故か開かれた穴が、否応にもレンの気と視線をを惹き付ける。
店内の暖かさとは別の要因で顔が火照るのを自覚する。
「健全、って……!」
他の人にも同じような事を言われた事があった。
男子だから当然、とか仕方のないこと、とか。だったら良いか、とはとても思えないけれど。
「えっ、あ、いや……別に立ってんのは苦にならな……」
はわわ、と俄かに慌てるレンを他所に、テーブルが展開され、ネーラは店の奥へと引っ込んでしまう。
一人残されたレンは、呆然と立ち尽くしていたが、
「え、あ……いや、別にそんなお構いねぐとも……」
気が付けばテーブルに座ってお茶を御馳走になっていた。
興味半分で講師が開いているという雑貨屋に来て、お茶をしているという状況に理解が追い付かないが、断るのも野暮な気がしてしまったのだ。
テーブルの向かいに座るネーラの様子を窺いつつ、クッキーを口へ運び、お茶をすする。
「……あ、おいし……」
■ネーラ > 健全ではあるが、欲はみだりに振るって言い訳があるわけもない。
「生き物としては、じゃ。健全だからといって心が許されてもいないのに手を出す言い訳にはならぬからの。お前が慌てるのは正しい限りじゃ。顔を赤らめるのは可愛くて良いのう♡」
テーブルを準備しつつ、ネーラはいう。
「まあそう恐縮しなくてもよかろ。店のオーナーが良いと言っておるし、学院に障るなら話は通すゆえ。」
伊達に長く生きてはいない、色々、押したり引いたりできなくもないのだ。
ティータイム。
「ふむ、口に合うようで何よりじゃ。この地区にはいい茶商がいてな。各種揃ってなかなか良い。シェンヤンからこの辺りの山嶺で取れるものまで…」
ドライフルーツが入った大きなクッキー、チーズの入った四角いものなど。クッキーの量自体はそんな多くない。
「それは私の手作りじゃ。ふふ。」
口の端に粉が、と言い、人差し指です、と取った。いちいち所作が艶っぽい。
「さぁて、どうしようかのう。気になるアイテムの話も良いし、勉強の悩みでも、恋の悩みでも良いのう?」
そしてお茶を彼女も一口。
どんな話題が出てもかまわぬというようなくつろぎ。
暖炉からは程よい暖気がふわふわと店中に満ちる。
この暖炉には薪がない。
火は自然に燃えているが…そしてその火の粉は極小のトカゲの形。
サラマンダーである。精霊を使っているのだ。
■レン > (~後日継続~)
■ネーラ > (後日継続)
ご案内:「にわとこ商店」からネーラさんが去りました。
ご案内:「にわとこ商店」からレンさんが去りました。