2025/12/17 のログ
グスタフ > 男は薄明かりの中、灯台の蝋燭に揺れる文字を読んでいる。
聖書、に表紙を偽装した私小説を読んでいる。不倫した男女の話だ。
複雑な家庭事情やらなんやら載っているが、生々しい情事の描写が巷で評判だ。

「……」

待つにも飽いて、街に繰り出したくもなるが。
一応、こんな待機辞令でも給金が出ていることを思うと、動けない。
誰か来れば暇つぶしをすることもないのだが。それが女性であれば、というのは男の願いだ。
女向けの媚薬を垂れ流していれば、そうそう男は近づかないのだが。

たまに、女性精神の男がひっかかることもあるのだが。

グスタフ > 「さて、今日のお務めはここまで、と……」

待つにも飽いて、席を立って教会に施錠しはじめた。
こんな宵っ張りで行くあてなどそうはないのだが、どこかへいそいそと出かけ始めた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にオズワルドさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にベリーさんが現れました。
オズワルド > 夕暮れ時の、王都マグメール。冒険者ギルド、前。

「だーっ、ついたー!」

ぽっこぽっこと魔法で出した幻影馬の手綱を引いて歩かせながら、、自身も路上を歩いてきた冒険者その1。
街中も馬に乗っていられれば良いが、一介の冒険者ではそうもいくまい。何故って事故が怖いから。
ではなぜ、馬に乗れないのに魔法の幻影馬を出したままにしているのか。
それは馬の背に、本日の討伐対象の討伐証明部位を乗せているからだ。

「この時間ならギリギリ間に合うだろ。 ベリー、オレは裏手の方で討伐証明部位の提出してくるから、受付の人に達成報告してきてもらっていいか?」

くるり。手綱を握ったままに振り向けば、今回の討伐依頼をいっしょにこなしたパーティメンバーにそう声をかけた。
なお、今回の討伐証明部位はグリズリーの両手である。 3mサイズの獲物につき、腕だけでも相当重いのだ。
ちなみにグリズリーの肝は薬の材料にもなるため、そちらもしっかり採取はしておいた…その代わり、肉と皮は諦める形になったが、これは今日中に依頼を終わらせるために、あきらめざるを得なかったのだ…。

ベリー > 「あははっ、お疲れ様。ちゃんと日が暮れるまでに帰ってこれて良かったね。
 ――セイラン君もお疲れさまぁー。後でニンジン差し入れするね」

行きはよいよい、帰りはぼちぼち。
赤く染まる空を仰ぎ、冒険者その2が寒さで赤くなった頬を摩りながら楽し気に言った。
メグメールから此処まで重いグリズリーの両手を背に乗せて運んでくれた幻影馬にも労いの言葉を掛けて、好物らしいニンジンを貢ぐ約束をしつつ。
此方を振り返った飼い主の指示には異論もなく、ニッコリと笑みを浮かべて頷いた。

「りょーかいっ。じゃあ、そっちはオズ君よろしくー」

大きく左手を上げて返事をすると、駆け足で受付嬢のいるカウンターへと向かう。
皆が返って来る時間帯と言うのもあって、受付には手続き待ちの短い列ができ始めていた。日が暮れてからになっていれば、きっともっと時間が掛かって、晩御飯にありつく頃にはグーグーと腹の虫が大合唱をしていただろう。
狩ってきたグリズリーのこと、森や獣たちの状況も含めて報告を終え、やっと手にした報酬を二つの袋に分けてもらい、一つは鞄の中にしまって、もう一つは青年が来れば直ぐに手渡せるように手で持って合流を待つ。

「……はぁっ、お腹空いたなぁ」

オズワルド > 「後でだからな、セイラン。今すぐは期待するなよ。いいな?」

嬉しそうに貴方の方へと摺り寄ろうとする幻影馬に、まだだと言い聞かせるように手綱を引いてギルドの裏手の方へと引っ張っていく。
若干不服そうだったが、まあまあ、荷運びを優先するくらいにはいうことを聞いてくれるので、ギルドの裏手の方へとそのまま移動して。

その後は、職員の人に討伐証明部位の引き渡しと、グリズリーの肝の買取のお願い。
きっちり査定をしてもらって、グリズリーの手事態も売れるとのことで買い取りの申請が完了し、引き渡しの証明タグを受け取ってから、セイランを一旦消して、ギルド内に入っていくことになる。
いやだって、出しっぱなしだと馬房に繋がないといけないからお金かかるし…後でな!とセイランには言い聞かせた。
おそらく人参を多めに与えないと、今後機嫌を損ねそうだ…。

ともあれ、ギルド内へと入ってくれば、待ち受けている貴方に気づいた。やほー、と手を振って、一度そちらに合流し。

「お待たせ。肝の方もギルドで買い取りになったから、査定が終わったら受付にコレ持ってくと売上金が貰えます。
 査定が終わるまでは、何か食べて待ってようぜ。」

あっちのほう、とくいっと親指で示した先は、ギルド内部に併設されてる飲食物の提供スペースだ。

ベリー > 「ふふっ、大丈夫だよ。約束はちゃーんと守るから、行ってらっしゃい」

こっちへ寄って来る姿は魔法であることを忘れるくらいに愛嬌があって、青年とのやり取りもおかしくて、ついクスクスと笑い声を漏らした。
裏手へ消える姿へ、「後でねー」と見送りながらニンジン何本くらい食べるのかな? なんて考えたりもして。

諸々の手続きが終わって、待つこと数分。青年も受付へとやって来る。
此方も軽く手を振り返しながら、手に持っていた報酬金の袋を差し出して。

「危なかったよ……。あと少し来るのが遅かったら、私の足が待ちきれずに勝手に食堂に駆け込んじゃってたかも。
 え? 売上? ……あっ、グリズリーの? そっかそっか! わーいっ! 臨時ボーナスだね!
 へへへっ、うんっ! シチュー♪ シチュー♪」

冗談とも言い切れない冗談を口にしつつ、売上金と聞けば首を傾げて考えること数秒。
ハッ! と気付けば両手を上げて万歳のポーズ。嬉しさが抑えきれずに、にっこにこの笑顔でスキップまでしてしまいそうな軽い足取りで指さされた方へと向かう。

肉の焼ける音、香ばしいスパイスの香り。そして煮込まれたシチューの気配……。
お腹の音が鳴り出しそうなのを抑えて、空いている丸テーブルの席に腰掛ければ、メニューを手に取り嬉しそうに眺める。

「オズ君は何にする? 私はシチューとパン!
 それから……二人で摘まめるもの、ポテトとソーセージとかどう?」

オズワルド > 「む、それやられてたら、ずるっこー、くらいは言ったかもな。」

年齢に見合わない悪戯めかした言い方をしながら、シチューの歌を歌ってる貴方の後を追いかける形で併設の飲食施設の方へと向かう。
丸テーブルまでくれば、自分は貴方の対面の席に腰かけて。

「オレもまずはシチューとパン。後はエールかな。
 二人で摘まむなら、ポテトとソーセージは定番だよな。」

それでいいよ、って頷いて見せれば。
すいませーん、とホールで働いてるウェイトレスに声をかけて。

「シチューとパン、ポテト&ソーセージを二人分とエールを一つー…あ、勝手に頼んじゃったけど、ベリーも何か飲む?ギルドの酒場だとエールかワインくらいしかオススメできるものないけど。」

ベリー > 「えへへー、我慢して良かったぁ」

本気で怒るわけじゃないならー、とかちょっと心揺らいだのは隠して、呑気に笑いながら広げたメニューを眺める。
グラタンやシチューなど冬らしいメニューが並んでいるが、大体は定番の一覧である。
ナッツ、ポテト、ソーセージ、串焼きなどなど。酒があること前提のラインナップなのは実に冒険者ギルドらしい。

「あ、それは全然いいよ! むしろありがとね。
 んー。私は――……じゃ、じゃあ、オレンジジュースで」

少し迷って視線を青年へ、店員へと向けた後、またメニューを覗き込み、小さな声で遠慮がちに注文した。
前に他の冒険者から『ジュースなんてお子様だな』と笑われたことを思い出し、お酒の欄にも目を向けたが、結局頼むのはお決まりのジュース。
パタリ、と閉じたメニュー表で口元を隠しながら、様子を伺い向かいの彼を盗み見た。

オズワルド > 「てことで、追加でオレンジジュースで。」

別に揶揄う様子も見せずに、よろしく、ってウェイトレスさんに拝む仕草。
ウェイトレスさんは微笑ましそうにこちらを見ながら、少々お待ちください、と言って注文を伝えに行ってくれた。
と、それを見送ってから、此方を見ていた様子に気づいたようで。

「どうかした?」

首をかしげて見せながら、不思議そうな顔。
んー…と少し考えて見せてから。

「まさかオレのイケメンさに今更気づいたとか…?」

すっ…右手の親指と人差し指だけを格好良さげに立てた構えで、顎の下に添えて見せた。きりりっ!
顔つきが引き締まったが、イケメンかどうかは見ている側の主観によるものとする。

ベリー > 彼も店員も茶化さず普通にいてくれたことに救われて、照れくささから隠していた口元が自然とほころんだ。
首を傾げる顔を見れば、なんでもないと誤魔化そうと首を横に振りかけたが、その後に続いた予想外の反応に、

「えっ?」

思わず聞き返してしまった。
顎の下に手を添えたカッコイイポーズまで取って、表情を引き締める姿は多分、見る人によっては、或いはシチュエーションによってはときめく女子もいるかもしれないが……。

「……ぷっ、ふ、ふふっ……、ごめっ、うん。
 
 ――こほんっ。
 あー、オズ君はカッコイイと思うよ。背も高いし、そうやってキリッ!てしてたら、イケメン君だと思う。
 魔法の腕も確かだし、親切だし。これからも紳士的に頑張れば、きっとモテるよ、うん。
 今日一日パーティー組んだ私が保証しますっ!」

今、この場においては、ときめきよりも笑みを誘ってしまうようだった。
顔を逸らすも、堪え切れずに笑ってしまったことを片手を上げて謝りつつ、一つ咳払いをして人差し指を立てながら真面目に一般的女子としての感想を告げる。

「がんばってね!
 ……あ、どうも。さぁさ、乾杯しよーっ!」

グッとサムズアップをしてエールを送った頃、一足早くエールとオレンジジュースがテーブルへと届いた。
気を取り直す様にグラスを掲げて、元気よく乾杯を求めよう。

オズワルド > 「おっ、ベリーみたいな可愛い子に保証もらっちまったなぁ。これはもう、今後もイケメンムーブ続けていくしかないな。」

わざとらしい位ににやりと笑いながら、保証を貰って楽し気に頷いて見せる。
まあ、こういう反応が来るのはわかっていたのだけどそれはそれとして、
可愛い女の子の笑みは男にとって勲章の一つである。

「っと、そうだな。まずは乾杯だ。」

届いたエールのジョッキを手に取って、テーブル中央近くに持ち上げて見せて。

「討伐の成功に!
 かんぱーい! いえーい!」

歓声付きで乾杯の合図をしたら、当然ジョッキを口元に運んでぐいっと一口。
ごく ごくごく ごく
ぷはぁ!

「やっぱ冬のエールがのど越しが最高よな…。」

なんて言ってる間に、シチューとパンも運ばれてくる。ポテトとソーセージはもう少しかかりそうだ。
と、シチューに手を付ける前に、そういや、と一つ呟いて。

「今回は飛び入りでオレが入り込んだけど、ベリーは固定のパーティとか組んでないの?あれだけ戦えるなら引く手多そうだけど。」

と、ちょいと不思議そうに問いかけを向ける。

ベリー > 「う、うん。そうだねぇ、頑張って……」

言うべきか、言わぬべきか。
あのイケメン(?)ポーズや、そう言う軽薄なところが青年のイケメン度を少し残念にしていると言う事実を。
しかし、そう言う軽さが彼を親しみやすくしているのもあって、難しい所だ。いや、本当に。
眉を下げ、何とも言えない苦笑を返して。

――気を取り直して乾杯の時。

「かん、ぱーいっ! お疲れさまぁーっ!」

グラスを掲げて一緒に明るく乾杯の声を上げると、ぐぐーっと一気に半分まで飲み干して。
オレンジジュースだけど良い飲みっぷりを披露する。

「あはっ。オズ君、夏も似たようなこと言ってそうだよね。お酒の味って私はよくわかんないけどさ。
 あ。わーいっ! これこれ、これが朝からずーっと食べたかったんだよね!
 ゴロゴロジャガイモ、ニンジン、お肉のシチュー……」

夏なら、氷結魔法で冷やしたラガーが人気なんだっけ?と思い出しながら、続々とテーブルに届く湯気の立つシチューを目にすると、パッと花が咲いたような笑顔を浮かべ。
さっそくスプーンを手に取りシチューに手を付けようとしたところで、不意に投げかけられた質問に顔を上げる。

「うん、組んでないよ。固定で組むほど仲の良い人は今はいないから。
 ……あーむっ。う~~んっ!美味しい~っ!

 確かに、前衛張れて、治療も出来る……って、あんまり居ないみたいで。
 色んなところから声かけてもらえるし、仕事には困ってないって言うのもあるかも。
 でも……私、王都から離れられないから。

 ――ほ、ほら! シスターだから。教会や孤児院の手伝いとかもあるしっ!
 そう言うオズ君はどう? 学院の生徒で一緒に依頼を受けたりとか」

まったり白いホワイトシチューを一口掬い、想像通りの濃厚な味わいに舌鼓を打つ傍ら質問に答え。
ほくほくのジャガイモに息を吹きかけ冷ましながら、同じ問いを返す。

オズワルド > 「夏にはエールも良いけど、どっちかというとかき氷の方が好きだな。果汁をかけたやつとか。食べたことある?」

王都の人間なら食べたこともあるだろうけれど、どうかな、と。伺うように訪ねながら、エールのジョッキを一度テーブルに置いて。

「今日の肉は何かなー、ほんほん?」

此方もこちらで、スプーンを手に取り、スプーンの先っぽで肉っぽい塊を転がしてみる。
今日の肉は…これは、鳥だな!
さっそくとばかりに鶏肉をぱくっと口の中にシチューと一緒に放り込み。あっつあつのシチューにはふはふしながら、語られる言葉をしっかり聞いて。

「なるほどねえ。声がかかるからこそ固定パーティなしでもやっていけるのか。
 で――ふむ?ふぅむ。」

言葉にされた、王都から離れられない理由に小首をかしげる。別に変なことは言ってないようだが、妙に意気込む様子の語調に少しだけ眉を寄せ。

まあいっか。

「オレ?オレの方はそうだなー…学院の生徒周りってどっちかというと、知り合いは討伐周りに主体置いてるのがメインだから、今まではあんまり一緒に依頼受けてなかったんだよね。
 依頼の間もちらっと話したけど、オレ討伐はあんまりやってこなかったから。
 あんまり知られてないけど、レア素材狙いで色々儲けてるんだよね…あ、ほんのり秘密な感じでよろしく。
 とはいえ、何時までも素材狙いだけってわけにもいかないから…前衛はれて、治療もできる冒険者仲間ができたら嬉しいな~って思うんだよね。」

しれッとした顔で言う。
あむ。シチューの人参は美味いよな…。

「だから、固定じゃないにしても、今後もちょくちょく組んでくれると嬉しいなって。
 どう?ベリー的にはオレってアリ?」