2025/12/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 夜の教会。
集会場の壇上に一人、神父姿の男がいる。
月明りが差して、ところどころ蝋燭の炎が揺らめいている。

そして、濃い香りが充満している。
蜂蜜を思わせるような花の匂い、雌を呼び寄せる媚薬の香りだ。
教会の扉は薄く開かれて、わずかに香りが教会の外へ流れていっていた。

「さて、迷える子羊に救いを今宵も」

グスタフ > 男は薄明かりの中、灯台の蝋燭に揺れる文字を読んでいる。
聖書、に表紙を偽装した私小説を読んでいる。不倫した男女の話だ。
複雑な家庭事情やらなんやら載っているが、生々しい情事の描写が巷で評判だ。

「……」

待つにも飽いて、街に繰り出したくもなるが。
一応、こんな待機辞令でも給金が出ていることを思うと、動けない。
誰か来れば暇つぶしをすることもないのだが。それが女性であれば、というのは男の願いだ。
女向けの媚薬を垂れ流していれば、そうそう男は近づかないのだが。

たまに、女性精神の男がひっかかることもあるのだが。

グスタフ > 「さて、今日のお務めはここまで、と……」

待つにも飽いて、席を立って教会に施錠しはじめた。
こんな宵っ張りで行くあてなどそうはないのだが、どこかへいそいそと出かけ始めた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 王都に幾つか存在する冒険者ギルドの支部の一つ。
とは言うものの、その実態は冒険者が客として集まる酒場兼宿屋であり、
申し訳ない程度に店内の掲示板に日銭を稼ぐための依頼文が貼られているに過ぎない。
それでも、1階の酒場では冒険者を始めとした荒くれ者や、彼らを相手に春を鬻ぐ娼婦、
その他にも飲食の為に訪れた一般客達にて相応の賑わいを見せていた。

その賑わいの中心、客達がそれぞれの卓にて同席の身内や仲間と思い思いの
時間や食事を愉しんでいる中で、独り、周囲の卓の客にちょっかいを掛ける中年男の影が一つ。
本来であれば、嫌われそうな行為であるが、誰も文句を言わず、また、店主も黙認する理由は至極単純で。

「いやぁ、運が良かった。ゴブリンの懐を漁ったら、まさかの宝石を見付けてよぉ。お陰で俺の懐が潤ったぜ。
 お、グラスが空じゃないか? マスター、俺の奢りで同じのもう一杯。ほら、乾~杯~♪」

等と、傍迷惑ながらも、明快にて、周囲の客達に見境なくも奢りを振る舞う故。
奢られた方は多少困惑するも、ただで酒が飲めるとあって強く文句を口にする事もできず、
店主も彼のお陰で儲かる上に支払い許容額も抑えている為に、この行為を見て見ぬ振りをする始末。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にカイルスさんが現れました。
カイルス > 朝の冒険者ギルド。
魔物退治の依頼が多いが、みるみるうちに剥がされていく。

「冬ごもりされる前に片づけておかないとな……」

獣系のモンスターはそうではないが、ゴブリンやオークなど万年発情期の魔物は冬に繁殖し、春にうじゃうじゃ巣穴から湧き出る。
その前に数を減らしておくことが対策となり、村や街道から攫われた者達を保護することにも繋がる。

男は採集依頼をこなす傍ら、魔物が巣として使いそうな洞窟や遺跡を地図に記している。
魔物が住み着いていないか確認し、確認できたならば近くの村に伝え、僅かな報酬を得る。
タイムラグがあるために既に完了した筈の案件に依頼が出されることもあるが、放置されているよりはずっとマシだ。

そういう訳で、男の仕事はほぼ終わっている。
後はいつも通り、冒険者パーティーに助っ人として入るぐらいだろうか……。

カイルス > 数分待ってみたが、声がかかる様子はなさそうだ。
男の本領は屋外で発揮され、ダンジョン内は盗賊には劣る。
パーティーに一人入れることで分け前がどれだけ減るかを考えると、なかなか助っ人を頼むのは難しい判断といえる。

「……今のうちに朝飯でも食べよう」

酒場へと向かって暖かいお茶とトーストで作ったサンドイッチを注文する。
マグメールではないが、昔ある場所でトーストサンドを注文してトーストがパンに挟まったものを供されたことがある。
喧嘩を売ってるのか、と思ったが、どうやらその地方でのトーストサンドはそういうものらしかった。
以来、サンドイッチを注文する時には具をちゃんと確認するようにしている。

「玉子と魚か。冒険者は肉系の食べ物がないとな」

しばらくしてサンドイッチが出てくると、誰ともなしに呟いた。お茶も受け取って端の席へと座る。
掲示板の方向を向いており、誰か声をかけに来た時に応対しやすい。
声がかからなければ――どうしたものか。馴染の孤児院を回って、雑用をこなす代わりに食事と寝床にありつくとするか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からカイルスさんが去りました。