2025/12/07 のログ
エレイ > そうして見渡してみても、偶然でも男と目が合う誰かはおらず。
フンス、と鼻を一度鳴らしたところで冷たい冬の風が一陣吹き抜ける。

「こりゃキビしそうですかねぇ……──おっと。……なんだこの紙は?」

眉下げた顔でボヤいているところに、風に乗って飛来し男の顔の側面に接近した何かをぱし、と咄嗟にキャッチ。
手が掴んでいたのは何かが書かれた紙。少し興味深げにそれを広げて眺めてみて──

「……」

思わず苦笑が漏れる。その紙は娼館のチラシだった。
己にはほとんど縁のない場所──これも何かの縁だから行ってみようか、なんて気にはなれず。
男は膝の上で紙をおもむろに折り畳み始める。

「──……うむ、確かこんな感じだったな」

少しして、そのチラシは風変わりな物体に変化していた。
旅の途中で立ち寄った地で教わった紙細工で、その地の言葉で『紙の翼』と名付けられていたものだ。
──ここではないどこかの世界では『紙ヒコーキ』と呼ばれるものである。
うろ覚えだがまあまあの出来ではなかろうか、なんて一人で密かに満足気にそれを眺めてから、
男は静かにそれを虚空に向かって投げた。
『紙の翼』はその羽根で気流に乗り、風を受けて人混みも越え、何処かへと飛び去ってゆく。
その様を男は、少し楽しげな表情で見送って。

エレイ > やがて男はのそりと立ち上がり、今宵の宿を求めて何処かへと歩き去り──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヘレナさんが現れました。
ヘレナ > 荷運びの仕事中、もうお馴染みになったムラムラとした衝動に苛まれる。
朝しっかりと処理してきたはずだが、時折こうして予期せぬタイミングで勃起してしまう事があった。
即座に射精する程ではないが自然に収まりそうではない。
両手に荷物を抱えながら踏み出していく度、でっぷりとした陰嚢と共に勃起した陰茎もブルンブルンと揺れてしまう。
陰茎はペニスアーマーに覆われているものの、ピッタリとフィットしているのでその形は全く隠せていない。
重たげに揺れる陰嚢に至っては丸出しだ。
ただでさえ恥ずかしい姿なのに、勃起した姿を晒すのは今すぐ逃げ出したい程の羞恥である。
とはいえ逃げる訳にもいかない。
こんな事で逃げ出していてはもはや何も出来ないのだから。
色々なものをブラブラと揺らしながら、馬車と資材置き場を黙々と往復する。
人足が少なく、じっと見られる事があまりない事だけが幸いであった。

「あ……、うぅ……」

何度目かの往復で丸太を担いでいると、進路を塞ぐように立ち止まって話し込んでいる男2人がいた。
まだこちらに気づいていないようだ。
横をすり抜けていけばいいのだが、こんな状態を見られると思うと足がすくんで止まってしまう。
とはいえここで立ち尽くしていればどいてくれる訳でもない。