2025/10/13 のログ
■グスタフ > 「さて、今日のお務めはここまで、と……」
待つにも飽いて、席を立って教会に施錠しはじめた。
こんな宵っ張りで行くあてなどそうはないのだが、どこかへいそいそと出かけ始めた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──~♪」
雨がしとしとと降り注ぎ、普段に輪をかけて人気のない閑静な外れの住宅街の路地を、
下手くそな口笛を奏でながら、傘布の部分に赤いラインが入っている以外は全てが銀色の蛇の目傘という
奇妙な物体を担いでのんびり歩く、金髪の男が一人。
そんな異様な傘を差している代わり、普段羽織っているジャケットの姿はなく。
食事を終えた後、暇つぶしを求めてブラブラと大通り、路地裏と歩いてきたが、特に何か特筆するものと遭遇するでもなく、
気がつけばこの場所まで辿り着いていた。
先の二箇所に比べると、余計に事件性の少なさそうなロケーションではあるが──
「……まああ人生ドコでナニが起こるか判らんもんだからな」
なんて、眉下げて笑いながら独りごち。
適当に視線を彷徨わせて住宅街の景色を眺めがてら、なにか面白いモノでも出現しないか、などと
雑な期待をしながら、ぱしゃ、ぱしゃとマイペースに歩を進め続け。
■エレイ > そのまま男の姿は、雨に煙る景色に溶け込むように遠ざかり──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 夜の教会。
集会場の壇上に一人、神父姿の男がいる。
月明りが差して、ところどころ蝋燭の炎が揺らめいている。
そして、濃い香りが充満している。
蜂蜜を思わせるような花の匂い、雌を呼び寄せる媚薬の香りだ。
教会の扉は薄く開かれて、わずかに香りが教会の外へ流れていっていた。
「さて、迷える子羊に救いを今宵も」
■グスタフ > 男は薄明かりの中、灯台の蝋燭に揺れる文字を読んでいる。
聖書、に表紙を偽装した私小説を読んでいる。不倫した男女の話だ。
複雑な家庭事情やらなんやら載っているが、生々しい情事の描写が巷で評判だ。
「……」
待つにも飽いて、街に繰り出したくもなるが。
一応、こんな待機辞令でも給金が出ていることを思うと、動けない。
誰か来れば暇つぶしをすることもないのだが。それが女性であれば、というのは男の願いだ。
女向けの媚薬を垂れ流していれば、そうそう男は近づかないのだが。
たまに、女性精神の男がひっかかることもあるのだが。