2025/09/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリナさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリナさんが現れました。
リナ > 昼を過ぎた時間帯の冒険者ギルド。
そこの受け付けで何かいい依頼を強請る一人の少女。

「ね、いい仕事ない?討伐でもなんでもいいけどさ」

そう言ってはカウンターに身を乗り出しては何でも良いと強請り。
特にお金には困ってはいないが働けるときに働きたいという様子を見せ。
それが面倒そうに見られていることに気が付かずにしつこく声をかけ。

お願いお願いと受付嬢にしぶとく声をかけ続けて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアキアスさんが現れました。
アキアス > 「……ンぁ……?」

冒険者ギルド併設酒場の近くの路地裏。
詰まれた荷物の影、隠れ切らない巨躯がもそりと動く。

時々ある護衛依頼。貴族の子弟を護衛しての冒険者ごっこ。
それを請けては、見てくれはそれこそ冒険者らしい男の風貌や物言いを不敬と取らず気に入られ。
冒険譚をあることないこと吹き込みながら、魔獣の討伐を一緒にこなす。

そうして稼いだあぶく銭で、早い時間から酒を飲んで、騒いで。
いつしかこの場で眠ってしまっていたのだろう。

幸運にも、か、あるいは自身の中に巣くう淫魔がなにかしたのか。
大柄な男の荷物やら懐の中身やらは抜かれておらず、少々くらりとする頭を左右に振って。

「……混ぜるのはよくねぇなぁ」

件の貴族から頂戴した高級な酒があったからと惜しんで安酒と混ぜたのが効いたのだろうと欠伸を漏らす。
その高い酒はしっかりと小脇に抱えているあたり、よほど惜しんだのだろう。

深夜、人もいない時間ならもう家に帰るだけになるが。
夜の盛りはまだ過ぎず、周囲はそれこそ酒飲みや娼婦らの声が聞こえてくる。

すぐ立ち上がる気にもならず、ぼうっと、さてどうするかと。紅い髪を揺するように、頭をふらふらさせていた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」に枢樹雨さんが現れました。
枢樹雨 > カラ―――と、軽やかな音が路地裏に響く。

細い月が見下ろす夜の王都。
其処に数多存在する大小様々な道を歩く妖怪。
秋の気配色濃い風が鬼角隠す白絹を揺らし、その下に在る長い髪もまた揺らす。

真っ直ぐに伸びた背筋。
着物の裾を乱さぬ淑やかな歩幅。
上質な絹の衣装。

ともすれば異国の貴族位とも取れる様相でありながら、連れる共は居ない。
独り、気儘に路地裏へと入り込み、其処で貴方を見つける。

薄闇の中でも目立つ、紅の髪。
荷の影から覗く其れに目線を止め、歩み寄ってみれば、座り込む大きな体躯が現れ。

「……飲んだくれ?」

首傾げ、見下ろす貴方の瞳。
月明り届かぬそれは碧眼と言うよりも暗い緑に見える。
それでもよく知るその顔を、見間違えることはない。

ふらつく頭に左手を伸ばせば、華奢な指先で紅の髪を梳くように撫で。

アキアス > ぁふ、と、震える頬を抑えこむように小さく首を漏らしていればあまり馴染みがない音が聞こえる。
けれど馴染みないというのは、普段のことで――その音自体には、男はそれなりに聞き覚えがあった。

視線を向ければ、路地裏に入ってくる異国情緒あふれる恰好の女。
美しい黒髪を紋様鮮やかな着物の傍で揺らし、頭頂は布地で覆っている。

傾げられる首。ヴェールめいた布地が揺れて、その奥の灰簾石が男の碧眼と重なって。

「おう。ちょっとばっかり上等なの飲んだせいか、このざまだけどな。枢は散策中か?」

聞きようによっては揶揄のような言葉で問われる声に、へらりと頬緩ませていつものことだとばかりに返す。

男の方も、彼女のことを見間違えたりはしない。良く良く知った人ならざる女。

撫で梳いてくる手に進んで懐くまではなくとも、ただその意に逆らうまでもなく、好きにさせる。
少し慣れたくらいの野良猫じみた様子。

大柄な男が、嫋やかな女に頭を撫でられている姿は物珍しくもあるだろうが。
幸い、路地裏、荷物の影であれば同業者の冷やかしもからかいもなく。

枢樹雨 > 触れる髪は、酒精により滲む汗に湿気を纏い、それにより付着した砂埃に少しざらついているか。
毛先を指先で擦るようにして遊べば、路地裏の酩酊も気に留めぬ緩い笑みを見つめ。

「そう。夜は随分と涼しくなってきたから。」

問いには頷きをひとつ。
出歩くのも憚られるような気怠い暑さは去り、散策を厭うこともなくなったとばかりに答えると、視線がふと、ひと所に留まる。
おもむろに貴方の前にしゃがみ込むと、髪撫でていた手が降りていく。
白い指が向かうのは、貴方が小脇に抱える酒瓶。
その輪郭を指先でなぞること叶えば、視線を再び貴方へと向ける。

此度はちらりと見上げるよう、上目遣いに。

「上等なの?それとも、違うの?」

問いかけは勿論、触れる物の中身のこと。
酒かどうかを問うより先、貴方の言う上等なものか、それではないのかを問う。
目下興味の対象は其れだと言わんばかりに。

アキアス > 女が自身の髪で遊ぶ。
自宅に風呂を構えるほどに湯浴みの好きな男だからか、粗野な冒険者には珍しくその髪は触れる指に柔らかな感触を返した。

涼しくなってきたと言われ、そう言えばというふうに碧眼を瞬かせた。
日中はまだ軽装で過ごしているが、陽が落ちれば汗ばむことも少なくなってきた。
たしかに気儘に歩を進めるには丁度良い気候なのだろう。
つまり寒い季節が近づいてくる。
そろそろ蓄えを増やしておかないと、討伐やらの依頼が面倒になる冬が来る。

冒険者などという安定しない生業を長く続けているゆえの思考を巡らせていれば、女の身体がしゃがみ込み、近づいてきて。

「……こんないい男目の前にして、酒のほうが気になるってか」

路地裏で飲んだくれて潰れていたくせに、彼女の指を酒の方に奪われて文句を言う。
もちろん緩く笑ったままだから冗句めかしたものだけれど。

彼女が意識を向ける酒を、その爛々と好奇を浮かべる瞳に見せつける。
瓶そのものが意匠を浮かばせる凝った造りである時点で平民が常飲する安酒とは違うのが分かるだろう。

見聞拡げるのが好きな彼女なら、銘柄も、良い酒として噂に聞いたことくらいは、あるかもしれない。

枢樹雨 > 埃っぽい路地裏で酔いつぶれていたにしては、指通りの良い紅。
柔らかなその感触を指先に残すまま、触れたのは硬質な瓶の表面。
糊で貼りつけられたラベルは伺えず、代わりに指先が僅かな凹凸を見つける。

職人の手製であろう、硝子の瓶。
酒であることに否定が無ければ、その希少な造りの瓶に酒が入っていることとなる。
となれば、好奇の色を濃くする仄暗い蒼。

グラスに注がれたものを、飲んだことはあるのかもしれない。
しかし貴方が抱える酒瓶に見覚えはなく、浮かぶ意匠を指先で引っ掻きながら、じぃ…と貴方を見つめ。

「だって、気になる。…少し飲ませて。良い男は、その後。」

良い男を否定しないが、それが後回しであることも否定はしない。
ただただ欲に素直に、淡々と抑揚のない声音で強請る。
瞳に乗る好奇心だけは如実に。

アキアス > 恐らく販売する折には、ラベルに代わる何か。
箱であったり、包む紙であったり、布地であったりと、装飾はあるのだろう。
けれどもそこよりも中身に価値を見出しているのは、男も目の前の女と同じで。
それでも銘柄のわかるように意匠凝らされた瓶をしなやかな指が撫でていくなら、それをまたすっと引いていく。

「我儘娘め。いいぜ。家に貰いもんの良い燻製肉があるから、そいつで一杯といくか」

案外に要領の良い彼女は、男にそうやって美しい灰蒼で強請れば大抵は応じると覚えているのだろう。

良い男というところを否定されなかっただけでもどこか満足げに笑いながらも、
しっかりと自分の塒に誘うようにと持ち掛けていく。

傍の荷に太い腕を置き、其処を支えに体を起こしていく。
そうすれば見下ろすようになるのは男のほうとなって。

酒瓶を軽く揺らせば、中にはまだ十分に酒が残っているのが分かるだろう。

淡々とした物言いとは裏腹、しっかりとその酒に釣られているのが分かる瞳をそれで誘導しつつ。
女に先立っては、家の方向にと足を向けていって。

枢樹雨 > 「私の目の届くところに在ったらこうなるって、君なら知ってる。」

だから貴方にも責任がある、とでも言うような言い回し。
実際貴方相手だからこその返答を返せば、指先から離れてしまう瓶の感触に再び視線が落ちる。
それとほぼ同時、大きな体躯を起こし立ち上がる貴方。
先に視線で追えば、瓶の中で揺れる酒が、月明りに透かしてよく見える。

餌につられる猫のように、立ち上がる妖怪。
歩き出す貴方の半歩後ろ、カラコロと下駄を鳴らし乍らに歩き出せば、向かう先はよく知る場所―――…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアキアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」から枢樹雨さんが去りました。