2025/09/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエラインさんが現れました。
エライン > 「…んっ、今日はこの辺りで、切り上げよう。」

平民地区のとある広場で開かれたバザールであったが、あたりが暗くなってくると徐々に周りの露店も店じまいを始めていた。
少女も自身の露店が今日はいつもよりやや繁盛していたこともあり、そろそろ頃合いかと店じまいの準備を始める。

「…さて、それじゃあ…どうしようかな。このまま宿に帰っても、味気ないしね…よし、少し…遊んで帰ろっか。」

商品がよく売れていたこともあり店じまいはスムーズに片付いた。
手際よくテントを畳み、あまりものの商品をまとめ、商品の保管を委託しているギルドに置いてくる。
手をぱんぱんっと払った後でこの後の自由時間をどうしようかと考えながらすっかり暗くなった街を当てもなく散策し始めた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 「あーもうこんな時間か」

見上げればもう空も薄暗く、バザールも終わりの時間だ。
バザールの終わりの合図を告げる雑踏を名残惜しく聞きながら、
物取りがいないか見回りながら、掘り出し物か、いい女でもいないかと物色する。

「~♪」

警備バイト程度だが駄賃を懐に入れ、鼻歌交じりに道を歩いていると小柄な少女の姿。
回り込んでみてみると、異国風に雰囲気ある美少女だ。
そういえばさっきバザールにも店出していたっけ。ちょっと目を惹く少女だ。思わず声を掛けてみた。

「こんばんは、さっきの店出してた娘だよね。今日は売れたかい?」

エライン > 流行りの服を覗くにも店は閉まっているだろうし、やはり酒場に一人で入ろうか。
一人夜の街並みや風景を横目に楽しみながら歩いていたため、大男がまさか自分に声をかけてきたことに一瞬気づかずに、振り返りあたりをきょろきょろ見回して声の主を探す。

「…?あ、もしかして…おじさん、私に話しかけてた?」

男を見上げる少女の顔は人慣れしていないのか少し強張っており、声にも若干緊張が乗っている。
しかしあからさまに避けようとしたり警戒したりといった様子はなく、立ち止まり彼が自分に声をかけたのだと確信すると男の問いに返事をした。

「…そうだね、いつもよりかは少しだけ…。あっ、だからって、追剥とかは…勘弁してね?」

グスタフ > 「おっと、驚かせたな。すまん。
 バザールの警備バイトしてたから、店見かけた時は声掛けられなくてね。
 なかなか見ないもの置いてたから印象に残ってたんだよ」

証拠というわけでもないが、さっきのバザールでの警備腕章を見せてみる。

「この後時間あるだろ? ちょっと付き合わないか。飯なら奢るからさ」

相手のことを見透かす……というよりは単純にバザール終わった後は皆飯を食いに行くのが定番だからだ。

「この辺、慣れてないんだろ。好みがあれば案内程度はできるぜ。
 ……っと、名前がまだだったな。俺はグスタフ。騎士の端くれってことでよろしく」

手を差し出して挨拶をする。

エライン > 「…そう、だったんだ。…私の商品、九頭龍山脈で取れた薬草とか、獣肉の干し肉とか…あとは私の作品だから。印象に残ってたら、ちょっと嬉しい。」

男の腕章を見るが、果たしてそれが本物か偽物か判別つかず、しかしバザールの周辺とはいえ自身の露店を見ていたという言葉には信ぴょう性があるため素直に信じた。
そしてご飯の提案をされるとおごりという言葉に目を輝かせコクコクと頷き、差し出された手を握り返してこちらも自己紹介をした。

「うん、時間なら…いっぱいあるよ。じゃあ、ご馳走になろっかな。…グスタフ、騎士様なんだ。…私は、エライン。普段は山脈で、狩人をしてる。」

グスタフ > 手を握って、軽く握る。
見た目よりはしっかりした骨格をしていそうだ。
細いが筋肉もある――健康程度の意味だが。

「へぇ、結構身近な原材料なんだな。後で見せてもらってもいいか?」

真偽の証明にならなかった腕章は仕舞っておく。
嘘は言っていないのだが、警戒される程度のことしか言ってないのはわかる。

「肉か魚か……おっと、菜食主義だったら、そういう店もあるぞ」

指折り数えながら、それぞれ適当に指さし。
彼女の名前を反芻する。難しい名前だったら困るなと思ったが杞憂だった。

「いやいや様なんて。じゃあ、エライン嬢。エスコートさせていただきますね」

恭しく頭を垂れて、手を取り、腰に手を回して夜の街を案内していく。

エライン > 男の武骨な手の感触に歴戦の強者の風格を感じ、少しだけ背中に汗をかいてしまう。
しかしそれ即恐怖や警戒というわけでもなく、親しげに会話を続ける彼の言葉に返事をしながら少女も少しずつ緊張を解いていった。
特に商品に関心を持ってもらったことが嬉しかったようで、言葉に熱が入った。

「そうなんだ、意外でしょ?今着てる服もそうなんだけど、森の中で取れた樹の樹脂とか、あとは川魚の皮とかも使えるんだよね。」

そして男がこれから向かう店の候補を挙げると、どこにしようかと悩む少女の姿はどこか楽しそうに写るだろう。
そしてしばらく悩んだ末、そういえば海の幸はあまり馴染みがないなと魚料理の店を選ぶのであった。

「…わっ、本物の騎士様のエスコート。ちょっと、お姫様みたいで、楽しいかも。」

恭しく頭を垂れて見せた男のおちゃらけに、思わずぷっと吹き出してしまった。
エスコートする彼が腰に手を回したのも少しだけ違和感は感じたが、きっと本場の騎士の作法はこれが正解なのだろうなどと一人合点して、そのまま夜の街へと消えていった。

エライン > [部屋移動します]
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエラインさんが去りました。