2025/08/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にネーラさんが現れました。
ネーラ > ニワトコ商店のカウンターで、店主のネーラがうつらうつらとしている。
かくり、かくり。
「ぁあ、いかん、いか…」
すやぁ。

ネーラ > 冒険者ギルドから、王都遠方にグレータードラゴン飛来の知らせありとの速報。
しかし派閥抗争に明け暮れる王都はやや動きが遅く、冒険者ギルドでも竜殺しとなるとそうそういない。

すると、ネーラのようなものに声がかかる。
『お前たちはこのような時だけ頼りにくるな?虫のいい。引き換えに竜の全てを素材としていただく。』
街に危険が及ぶよりは安い、臨時の依頼を受けたまわった。

そして竜は屠られた。
翼、牙、鱗、肝、心臓、血。余さずいただいたが、如何せん店の経営もあり、短時間で勝負をつけなくてはならず…

王都を遠く離れた空中。単身飛行するネーラは全てのリミッターを解除した。

『アステロイドストライク!』

星辰の彼方より、空の厳の群れを引き寄せること二条。
爆砕の礫に防戦に徹している竜に向けて、冥府より死の刈手を召喚し、傷ひとつなく魂を砕く。
その間数十分。


で。

いま、店主すなわち賢者はめちゃくちゃ眠い。
すやぁ。

ネーラ > 死んだように寝ている。
「ん……」
いろんな男たちを魅了する唇の端から、よだれ。

齢200になろうかというアデプトゥスにしてあまりに無防備。
ネーラはセックスを通じて大量の命を魔力に変えてストックしているが、短時間に大魔術を連発することはやや、無茶がある。

本来は起動と詠唱を省略するためのアイテムや準備をしっかり済ませてから魔法戦に臨むが、対竜装備はあまり数がないため、今回は対戦の現場で術式を組み上げなければならなかった。
余裕でできるが、疲れることは、疲れる。


「すぅ…」

ぴく。肩が痙攣している。
すやぁ。

眠りが、深い。

ネーラ > ちなみに今日の服装は、出陣の折に身に纏っていた刺繍入りの衣装。ワンピースタイプの衣装だが、両足は素肌が露出、両足の間に布が垂れている、そんなデザイン。脚はサイハイブーツ。
カウンターの上に、魔女の三角帽。
衣装も帽子も、色は白。生地はオパールに似た質感で、光を受けて七色の輝きを帯びていた。

気だるさの中、薄目を開ける。
秋が近づいてきた晩秋の日差しは少し柔らかい。

ネーラ > ………

むくり。


「今、起きました…」

あくび。

ドアをガン開けして寝ていたネーラさんの様子を見たお隣の少年と目が合った。


「おはよう。少年。…おはよう?……ではないな。」
昼下がりであった。

定位置のハイスツールから降りると、店のドアから一歩出て深呼吸する。
頭がリフレッシュされる。

ごしごし。
腕で口元の涎を拭った(約200歳)

この魔女装束。本当に何かのイラストのような露出度の服装なのだが、日頃の服装も大概な露出度なのだった。

ネーラ > ぐう。

「…小腹が空いてきたのう…」

物理的に腹ペコになってきた。

お店の向かいの道をゆく子供、ネーラを指差し

「ままーあの人服装すごいよー」
「しっ見ちゃいけません!」

(ははーん…痴女だと思われとるな…?)

真顔で名推理。

胸元がガッと切れ込んでいて、鼠蹊部が見えるレベルで切れ込んでいる、前タレ付きレオタード的な姿。まあ痴女である。さもなくば何かの仮装か。

さて生きているから食わねばならぬ。
「孤独にグルメ活動をせざるを得まい…」
一度住居に引っ込み、私服に着替えると、何らかの食事を求めて中心街へ繰り出す。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からネーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエズラさんが現れました。
エズラ > 時刻は夜。
とは言っても暮れ始め。
平民地区の大通りをいくらか外れた小道を歩く男。

「ファ~、少し寝過ぎちまったな」

明け方まで賭場の用心棒に立ち、安宿で就寝。
グッスリ眠っていたらいつの間にやらこんな時間になっていた。
腹ごしらえでもするか、と行く当てもなくぶらぶらと――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエズラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 今日も王都は暑い。海からの湿った風は吹く時だけは心地よいものの、その後にじめじめとした蒸し暑さを残す。
陽も落ちかけ、ようやく熱から解放されつつある街並みの中、銀髪の男は足早に歩いていた。
とはいえ、明確な行き先がある訳ではない。神殿図書館を出てしばらくしてから気付いた尾行を撒こう、というところ。
そしてもう一つ、多くの労働者が夕方に抱えるもの。『晩飯、何にしよう』。

「マーケットで買い食いでもするか、そこらの酒場で常温のスタウトを飲むか……。
平民地区のレストランには最近顔出してなかったから、いやでもこの時間だともう満席か……?」

他にも頭を悩ませる問題はあるが、当面はこの二つだ。
後方に意識をやりすぎると前方が疎かになるが――三つ目が来るかどうかはわからない。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にナイトさんが現れました。
ナイト > 騎士団にも交流と言う者は必要であると最初に言いだしたのは誰だったか。
何度目になるかも忘れた複数の騎士団による合同訓練。
その帰り道、メイド長から頼まれた買い出しメモを眺めながら、最後の項目に書かれた洋酒を買いに向かおうかと言う所で、冒険者だろう男に声を掛けられたまでは良かった。
『メイドさん、ちょっと一緒にお茶でも如何?』そう言う誘い文句を掛けてくる輩は結構いたりする。
問題なのは、その相手が食い下がりしつこく迫って来たときだ。
今回の若造は振られてもめげないタイプ。……というわけでは無く、後ろに控える仲間と賭けでもしているのか、断っても中々引かない。

「もういっそのこと、殴って追い払ってやろうかしら……」

そう呟く黒髪のメイドは、紙袋片手に呆れて嘆息する。
彼が通りかかったのは、丁度そんな時だった。

「あ。」

青いサファイアの瞳は人混みの中に見知った顔を見つけると、ヒラヒラと手を振って。
相手が気付いてくれたなら、ちょいと手招きしてみようか。

ヴァン > 今日の晩飯よりも、ひとまず撒くのが先か……悩む間に、視界で何かが動いた。
メイド服姿の少女がいる。その目の前にいる若者は友人、ではなさそうだ。ナンパにしては怖いもの知らずだ。
このままだと若者、そしてその後方にいる数人が怪我を負いかねない。
二人から2mほどの距離で立ち止まると、少女へと言う。

「おい、こんな所で何をしている。今度遅刻したらクビだと言ったろう」

なんだこいつ、という目で若者が見るが、知己らしいこと、実は少女が急いでいるらしいことを察し一瞬の隙ができる。
男はその隙に行き先を示し、少女がついてくるのを確認すると話し出す。

「尾行されている。撒く。穏便に。何が起きても驚かない。いいな?」

単語を立て続けに、しかし明瞭な発音で続ける。
焦っている様子はまったく伺えないが、ちょっとした面倒に巻き込まれているようだ。
幸い、方向は少女が向かう商店の方だ。ただ、大通りではなく、ごみごみした道や路地裏に向かっている。

ナイト > 此方に気付いたようで、察しよく助け舟を出してもらい、しめしめと調子の良い上機嫌な笑みを浮かべる。

「ああー! 申し訳ございません、直ぐに参ります!
 ……と、言うことで急いでいますの。またの機会にお願いしますわ」

大げさに芝居がかった返事をして。
冒険者ご一行へはスカートの裾を摘まんでカテーシーを披露し、急ぎ男の下へと駆け寄る。
せっかくもう少しだったのに、いやいや相手にされてない。そんな青年たちの談笑を背に、少女はふふんと楽し気に鼻を鳴らした。

「ヴァン、ナイスよ。丁度良いところに通りかかってくれた―― は?」

面倒事から解放されたと喜ぶのも束の間、もっと厄介そうな事案の発生に、弾んだ声が急降下する。

「ちょっ! ……ちょっと、尾行って。アンタ何したのよ? 美人局にでもあったの?」

思わず声を上げそうになるのをぐぐっと堪え、ひそひそ声を顰めて男の後に続く。
向かう先は何処やら。大通りの人混みから外れ、入り組んだ路地の方へと二人は向かう。

ヴァン > 少女騎士は気付かないだろうし、この先知ることもないだろう。助け舟を出した先は少女ではなく、若者達だということに。
ヴァリエール伯の者が平民相手に暴力沙汰、ということを考えると伯爵のためにもなるかもしれない。

「そいつはお互い様だ。――いつもの啓蒙局の連中とは違うな。どこぞの盗賊ギルドか、貴族の手下か。
美人局なら出てきた男を叩きのめせば終わりだが――」

異端審問庁の部局を口にするが、その耳慣れない単語を知っているかどうかで、少女の反応は大きく変わるだろう。
続く言葉も、格は落ちるが穏やかではない。まっとうな人生を送っていれば比較的縁のないものだ。

このあたりの地理には詳しいのか、路地を右に左に直進と、すいすいと歩いていく。
六十秒ほど歩いた後、角を曲がってすぐの所で立ち止まった。商店が近いのか、木箱や樽が壁沿いに置かれている。
ジャケットを脱いで丸めると鞄と共に木箱に置き、トレードマークともいえるバンダナをポケットへ捻じ込んだ。簡易的な変装。
少女を反対側の壁に背をつけるようジェスチャーで示すと、大きく息を吐いた。

「追手を撒く。俺達を通過したら無力化する。見失ったらここから離れよう。――巻き込んですまないな」

謝罪の言葉を述べた後、男は――少女を抱き締めた。
何も知らない者が見たら、カップルがいちゃついているように見えるだろう。
果たして追手はどのような反応をするか。