2025/08/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 街の宿屋兼食堂でパンをかじる。
今日は胡桃の入ったパンだが、噛んでも噛んでも飲み込めない。
仕方なしに、無理やりワインで流し込んだ。
食後に一服、煙草を吹かす。
この宿屋、食事もちょっとした有名店であったが。
出会い系の宿としても知られている。カウンターでいくらか払うと色つきの札がもらえる。
札の内容によって、友達募集やらセフレ募集やらいろいろあるわけだ。
今、男はセフレ募集の札を下げて、ぽけーっとしている。
■グスタフ > 酒を頼み、つまみにナッツをかじる。
蒸し暑い夜に町に繰り出す気にもなれずに酒場でダラダラと。
生産性はないなと思う。タバコを灰皿におしつけ。
酒をゆっくり飲みながら、客足の鈍い夜の食堂で時間を潰している。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 路地裏から――なんだか情けない声が響いていた。
「うぅぅ……、なんでよ~、やめてよ~、返してよ~」
ゴロツキ相手には強気で勝気、足も手も出まくるような。ヒーラーにあるまじきやんちゃな性分だったが――、今、一頭の犬に対して非常に弱気な声を出して眉やアホ毛をへたりと撓らせて切実な訴え。
――そこはとある人気のない路地の一角。遠耳に酒場の喧噪だの娼館からの悩ましい客引きだのが響いてくる。
対面しているのは、大型で赤っ茶けた毛並みの野良犬。口にはなにかを咥えて、頭のいい犬なのか、力づくで持ち主が取り返せないことを見抜いて嘲笑うように時折尻尾を揺らしどこか小馬鹿にしたような視線をくれていた。
「もぉぉ~……そんなの食べられないでしょ、あんたになんの価値があるのよ……そこに置いてってくれたらなんかほら、肉?肉とか持ってくるから、ね? ねぇぇぇぇー……」
凶悪なモンスター相手でも怯まない癖に、犬には心底弱くて困り果てた声で交渉を試みるが、恐る恐る一歩近づくと、ダッシュして距離を開けられたり、「ワン!」と大きく吠えて威嚇してくる。
一声吠えられただけでビクっと怯えて立ち竦むのを見て、ワン公面白がっている……そんな風に思えてならない。被害妄想でなければ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にオズワルドさんが現れました。
■オズワルド > 夏休みの連休中、冒険強化週間真っ最中。
今日もある程度儲けたから、帰って飯でも食うかというところ。片手に下げた籠を揺らして、のんびりと歩いていれば、路地の方から聞こえてくる情けない声。
「…あいつの声じゃね?」
首をかしげてから、路地に入り込み其方へと向かう。
一つ角を曲がって覗き込めばそこに居たのは、犬を相手に立ち往生?する見知った顔の女が一人。
「何?飼い犬相手に遊んでるトコ?」
首輪でもしてるのかね、と犬の方に視線を向ければ、なにがしかを加えている様子。
首輪は見当たらないな…?
■ティアフェル > 暴漢やらモンスターやらには問答無用で鉄拳制裁で済ますのだが……犬一匹には敵わない。絶対無理。近づくのも怖い。
そして、犬はニンゲンから盗ったものをやすやすと返してやる気はないようで、一体どうしたら……半ば泣きが入りながら途方に暮れていると。
「んっ……? んぇっ? おぉぉぉ、オズオズじゃ
ん~っ、ちょ、ね……ピンチなん、助けてえぇぇっ……」
誰だよそれ、みたいな呼び方をして振り返った先の相手に向かって、やっぱり情けなさ全開のへたれた表情で。
遊んでいる訳ではない、むしろ遊ばれている。半泣きで助けを求めた。
「ねえっ! ちょっと時間ある!? あるよね、いやもう3分でいいから時間をくれ!
こいつなんとかしてえぇぇ…! さっきから全然返してくれないのぉぉぉっ!」
と、口に何かを咥えたまま弱りはてた人間を見て明らか面白がっているらしい野良犬。ぱたぱた尻尾を振ってご機嫌だ。
ちょっとでも近寄って口の物に手を出そうとしたら、ウルル…と唸って威嚇してくるが。
■オズワルド > 「え~っ。」
半泣きである。
自称ゴリラ女が、わんこを相手に半泣きヘタレ全開へっぴり腰ダメダメで助けを求めて来るのである。なおオズ視点の把握である。
「マジか…野良犬相手に荷物奪われて身動き取れないとかマジか…。しょうがねえなあ。
ほっぺにちゅーでいいよ。」
言った後にため息はきつつ、手持ちの籠に片手を突っ込んで…中から取り出したのは、晩飯予定だったソーセージ。
「ほれわんこ、これ見ろ、これ。」
野良犬に向けて、ふーりふり。 美味しそうなソーセージを揺らして見せる。
「食いたいか?食いたかろう。ほれほれ。」
ふーりふり。ソーセージを振りつつ、じりじり近づいていく。さて、犬の反応や如何に。
■ティアフェル > 「マジだよガチだよ……! わたしにとってはただの犬でもケルベロス並の強敵なの!
おかしければ笑えばいいでしょっ、どーせバカにされつくして慣れてるわよ!
――そんで報酬安いな! ローコストか」
本気の訴え。魂すら籠っている力説。
犬恐怖症の心底からの嘆願であるが……まあ、9割がたバカにされている。
泣きそうな顔で両手を合わせて拝む。険悪な仲でなければ顔見知りであれば5割くらいの確率で助けてはくれる。
その5割であってくれ、と願っていれば、通じたらしい。
よっしゃ!と野良犬に対処してくれる背中に向かってガッツポーズ極め。
「頼むよ~マジで~本当に~今は君が頼りだ~」
充分距離を取った後方から声援だけ送るへたれ。びくびくと犬の挙動を窺いながらこっちに走ってきたりしたら死ぬと云わんばかり。
犬はと云えば、急に餌を持って機嫌を取るように近づいて来る新手の人間に『?』と疑問符を浮かべて首を傾けていたが。
ふん、と鼻を鳴らしてソーセージの匂いを確認すると、ふんふんふんと鼻を鳴らしながらソーセージに向かってマズルを寄せて近づき。『にいちゃんそれくれるんか?』と訊くように黒い眼を向けていた。
■オズワルド > 「え、じゃあベッドインで。
ケルベロスと戦わされるなら当然だよなぁ?」
安いなって言われたら冗談めかして釣りあげた。
さておき、わんこがきちんとつられてくれれば、よしよし、と一つうなずき。
「よしよし、食いたいなら食わせてやるけど、その口にくわえてるのは落としてからな。
ほれ、食いたかろ?食いたかろ?」
ゆーらりゆらり、ソーセージの揺れを食べやすいようにゆっくりに変えながら、野良犬の頭をすりすりと撫でる。
「大人しく荷物を返してくれたら、まるまる一本くれてやるとも。
ほれ、荷物を返しておくれ。」
すりすり、と頭を撫でた手を、お手でもするように差し出した。
口にくわえている何かを渡してくれれば、或いは落としてくれれば、ソーセージはわんこの口の中に入ることになるだろう。
そうならなかったら?
最終手段ソーセージぽーい!とってこーい!作戦である。
■ティアフェル > 「飛びすぎだよ! 価格破壊か! いきなり吹っ掛け過ぎ!
あんたにとっちゃただの犬でしょ!! あんたにとっちゃあ!」
まあ即突っ込みは発動させる。
犬恐怖症を冗談でもイジってはいけない。
犬は狂犬でもバカ犬でもなかったらしい。ただの普通の野良わんこ。
だからもちろん食えない代物よりも食えるソーセージがいいに決まっている。
力づくでも威圧的でもない友好的な態度の交渉上手な人間がきたもので、ちょっと機嫌が良くなったらしくぱたりぱたりと尻尾を振り。
いい匂いの餌につられて、ソーセージの動きに合わせ目線が揺れる。
どうやら咥えたものと引き換えらしいと悟ると、差し出された手に目線を向け。
ソーセージを見つめて、ぽとっと咥えていた赤い石の嵌まったループタイをその掌に落し。
代わりにぱくっとソーセージを咥え、かふっかふっとものの三口くらいでぺろりと平らげ。
満足そうにわん!と鳴いた。もう少し媚びたらまだ出て来るだろうかと尻尾を振ってその手をべろべろと舐めてしつこく愛想を振りまく程度には野良らしい厚かましさで。
後ろからだったから良く見えなかったけど、どうやら首尾よく穏当に取り返してくれたらしい気配に。
「あ、どおどお? 奪還できた??」
そわそわと声をかけてうかがい。
■オズワルド > 「しょうがねえなあ。べろちゅーでいいよ。」
大幅な価格譲歩。ただし値上がりなのは変わりない。
ともあれ、わんこは見事交渉に乗ってくれたらしい。頭良いなこの犬。
手のひらに乗せられたループタイに、ほーん、と一つうなずき。それを再び取られぬようにとしっかと握って。
「よしよし、それ一本で最後だぞ。後はオレの夕飯だからな。
お前も寝床に戻って、他の飯探しとけ。」
愛想を振りまくわんこに、これ以上はないぞを言葉にして伝えつつ、手もさっと離して、もうなし! をアピール。
後は放っておけばどこかしら寝床にでも帰るだろうと。わんこを背に君のほうへと近づいていき。
「はい、奪還完了。犬のよだれでベトベトなのは勘弁しろよ。」
そう言いながら、籠を腕に引っ掛けて、先に取り出したのは自分のハンカチ。
ぺっぺとループタイから犬のよだれを拭って、その後そちらに差し出した。
受け取ってもらえたら、次は自分の手に着いたよだれ拭いだな…。