2025/07/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 廃神社」にキタさんが現れました。
キタ > 蒸し暑い風も、森の木々を通せば幾分軽減はされる。とはいえそれでも暑い物は暑い。
いつもの手水舎から伸びすぎた草むしりを終えて汗ばむ肌を拭いながら拝殿の庇の下、賽銭箱裏の階段に腰を下ろした。

そこから見える木々のトンネル。その先に広がる街への羨望はあるけれど、
常識や必要最低限の金品しか持たぬ身では、出た所で周囲に迷惑をかけかねない。
膝を抱き寄せてその膝がしらに顎を載せながら、今日は読書に勤しむ気にもなれなくて、ただ無為に流れていく時間。

「静かなのは良い事なのだけれど……。最近賑やかだったからかしら。」

少し寂寥を覚えてしまう自分がいた。勿論賑やかな事がポジティブに作用するばかりでないのは身をもって覚えたけれど。
少しずつ再建し始めている参道を眺め、目の前にぶら下がる鈴緒に手を伸ばし、軽く揺らした。軽やかな鈴の音が響いて──。

キタ > ──カランカラン。 

幾度目かの鈴の音。まだまだ陽は高く夕方の気配すら無い。
もう少し涼しく成ると良いのだけれどと思い至るとすぐさま立ち上がり手水舎へ。

置かれた手桶に水を汲んで柄杓を持つと太陽の照り付ける玉砂利や、灯篭。そして森の中へと続く参道に向けて水を撒いた。
地面に爆ぜて跳ね返る飛沫も心地よい。所々緋袴は濡れて臙脂に。白衣からは褐色が透ける。

少しだけ悪戯を思いついた子供のよう、頬が緩まり破顔した。
柄杓に掬った水を空高く撒いてみよう。小さな飛沫になったそれが降り注ぎ身体を濡らし、一瞬その飛沫は虹色を纏う。
其の虹色が綺麗で、楽しくて……何度も何度も。それこそ、白衣はその役割を成さぬ程に。

キタ > そんな遊びを何度も……。

そうして日が暮れるまで。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 廃神社」からキタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルイーナさんが現れました。
ルイーナ > 商店街を進む。
その女の姿はメイド服と呼ばれる服で、主に使える女性がよく着るものだ。
その身体を包み込むメイド服装は、肌を隠すには物足りないぐらいのもので、特に乳房は大きく開いている。
それでも、パツパツであり、服装自体が破れてなるものか、負けてなるものか、と言わんばかりの状態。

そんな服装を気にせず歩く女性は、ミレーと呼ばれる奴隷階級の存在で、力仕事に長ける牛だった。
立派な角を持ち、白い耳はぴょこりぴょこりと、周囲の音を聞き取るように動いていた。
両肩に乗せるように樽を抱えていて、その中には、大量の食材がそれぞれ積み込まれている。
紙袋とかでちまちま持つよりも、こっちのほうが良いと、判断したから。

その女性は、牛という事もあり、体格も大きく、2mを超えているから、普通の男性でも見降ろしてしまう形だった。
大きな樽を両肩に乗せて歩く姿は、威容とも取れるだろうか。
空色の瞳は、物珍しそうに、街並みを眺め、何かを探すように。
ズシリ、ズシリと、石畳を踏みしめ歩く姿は、体幹もしっかりして、危なげはなく。
楽しそうに鼻歌すら歌いそうに、口角を釣り上げ、歪めて、メイドは進む。

ルイーナ > 「んーと。
 頼まれた食べ物、は……
 っと……あ。あれもおいしそうさねー。」

頼まれたものを買いに行くのだから。頼まれてない物を買うのはちょっと違うよなーと、尻尾をぶんぶんと振る。
悩んでいるときは、こういう風に尻尾が揺れてしまうのだ。
買い物するべきものは、既にメモを貰っている。
その辺りは、上司はしっかりと、ルイーナの性格を把握しているという事なのだろう。
ずん、ずん、ずんと、大量の重い荷物を持ち、歩く。

「メモ、メモメモ、と。」

買うべきものを書いてくれたメモを見て、買うべきものをチェックする。
樽を一度置いて、中身と、メモを確認していく。
これと、あれと、一つ、一つ指差し確認を繰り返して、チェックしていく。

「ありゃ?そろってんじゃん。」

荷物を確認していた所は、全てそろっているようだ。
じゃあ、帰ろうかねっ。
そう笑って、再度、樽を持ち上げる。
楽しそうに、帰ったら、どんな賄を貰おうかねっと呟きながら、去っていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルイーナさんが去りました。