2025/07/15 のログ
■エレイ > しかしこれと言って興味を惹かれるものは見つからず。
軽く頭を掻きながら掲示板の前から離れれば、ひとまず小腹でも満たそうかとギルド併設の酒場の方へ足を向け──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 娼館」にエウヘニアさんが現れました。
■エウヘニア > 「は───────っ、くしゅ」
ずび。
盛大なくしゃみが、まだ灯の入ってない娼館のロビーに響く。
くしゃみの大きさはともかく、吐息や、ソファに腰かけている体格は女のそれ。
少々サイズのあっていないゆったりした麻の寝間着姿。
災難だったね、なんて言葉とともに差し出されたカップはありがたく受け取った。
時折薬の配達を頼まれる、営業時間前の娼館。
配達自体を終えて出ようとしたところで馬車の車輪の跳ね水を盛大にかぶったのだった。
とりあえずは同情してくれたらしい館の支配人の厚意に甘える形で
服が着られる程度乾くまで、ロビーの片隅に腰かけていた。
普段であればここで、客と娼婦たちが鞘当めいた会話や酒食を楽しむのだろう。
雰囲気のある調度品類は、曲線や、凝った彫刻が成されて。
磨き込まれた家具特有のとろりとした色艶を保持しているのを見るともなしに眺めていた。
普段だったらここまで上がらないか、娼婦自身の部屋に招かれるものだから、ちょっと珍しい。
お茶をすすりながら、物珍しさにぼやー、と視線を巡らせていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 娼館」にガルディさんが現れました。
■ガルディ > 営業時間はしっとりと人気に満ちているロビーが静か。
逆に営業時間は誰も彼もしずしずと仕事をしている館の裏側が騒がしい。
酒や食材を納入する業者はそれだけで特に威勢よく、化粧品や飾り物を持ち込んだ商人に姦しく注文をつける声も聴こえる。
長身巨躯の男のひとりもその中に紛れて、この館で世話をさせる女を支配人へ預けたところ。
さて、その女衒と薬屋――正確には錬金術師か。
その辺りの関係というのは、一部の娼館の間では重々承知されているという事実。
だからこそ支配人の覚えもめでたく、ご厚意もたっぷり、というわけだ。
でなければあんな少女みたいな抜けた顔をして、打てば響く女なんて
ちょっと悪い支配人に当たろうものならその場で首輪をつけられて、無理矢理娼婦の仲間入りをさせられていると思う。
支配人から、ちょうどきていますよ、なんて声をかけられて
経緯を聞きながら裏口からロビーを覗いてみれば、それはまた間の抜けた無防備な雰囲気をしているのだから笑いもする。
そそくさと隣へ腰掛けてやりたい気持ちは山々だが、如何せん人の気配が多い。
そこへ“配慮”をして、支配人へ耳打ち後に大男は奥へ姿を消して――
『そろそろ良さそうだよ、奥の部屋使って着替えといで』
何食わぬ顔で支配人が女に言う。
まだ生乾きの衣服が干されている、厚意であてがわれた部屋へ行くように、と。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 娼館」からガルディさんが去りました。
■エウヘニア > 営業前の、静かな喧騒。楽屋裏に相当する場所では、今日の夜の支度に忙しいのだろうなあ、と考えている。
酒に化粧品に。
出入りの商人はその需要に合わせている形なのだろう。
女たちもそれぞれの技能に合わせての準備をし始めている頃合いか。
どことなくそわそわした雰囲気を感じる。
その理由の一つに自分という存在があることを知らないまま、とりあえず風邪をひく憂き目には合わなくて済みそうなことに幸いを感じていたが。
その背後のやり取りは知らないまま、声がかかれば立ち上がる。
少々サイズの大きい寝間着をよいしょ、とたくし上げて。
「はい、ありがとうございますー」
いつも通りの緩い返事と笑み。
その先に何が待っているかなんて知らないまま、促された一室へと向かっていったのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 娼館」からエウヘニアさんが去りました。