2025/07/14 のログ
■影時 > だが、何の匂いか――という特定までは出来なかったらしい。
しなっとなる二匹の尻尾の有様を見遣り、肩を竦める。
何だったのだろう?だろうー?と二匹が顔を見合わせ、小首を傾げる。ぱたんぺたんと尻尾で飼い主の肩を叩いてくる。
二匹に分からぬものが、この俺にも分かる訳があるまい。
走らせればいいのだろうが、濡れた地面は――走る気がしないらしい。降りる素振りもない。それ以前に。
「……止まねェなぁ。仕方がない。走るか……」
この雨が止みそうにない時点で駄目だろう。無理なものは無理と割り切ろう。
屋根越しに空模様を垣間見、覚悟を決める。
左腰の刀を押さえ、毛玉たちに襟巻の中に潜るように促し、た、と踏みだす。
草履の足取りは小刻みに、小さな水たまりも踏み抜くこともなく、ただ雨垂れに打たれながら一路住処へと。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」から影時さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にカルラさんが現れました。
■カルラ > 平民地区のとある武器屋。
先日に購入をした剣を修理できないかと持ち込んではみたが、結果は不可能。
折れて持って来られても如何にもできない、そう返されては諦めるしかなく。
「簡単に折れる剣を売るほうも問題だろ」
そう文句を零すがタルに押し込まれた安売り品であったこともあり、店側から文句を言うなと一蹴され。
仕方がないと代わりの剣を、この際他の武器でもいいかと考えて店内を見て歩き。
理想は剣だがこの際贅沢は言えないと安めのメイスなども眺めていき。
値が張る剣を手にした後にメイスを手にすればどうにも見劣りはするが手にしっくりは来る。
この際、これでも良いかと思いはするがリーチの短さに元に戻し。
「これが修理できりゃ早いのにな…」
そう零しては折れた剣を収めている鞘を一度見て。
やはり安売り品にするべきかと悩んでは、刀剣コーナーに戻り品を眺める。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にナナキさんが現れました。
■ナナキ > 「商売道具の調達に難儀しておるのか?」
断ち切り斧を眺めていたミレーの少年が、口元を鉄扇で隠しながらあなたのもとへとやってくる。
長いふさふさな尾を揺らしながら、まじまじその身なりを眺めて。
「壊してしまうならいっそ店ごと買い上げてしまうのはどうだ。
全部を潰してしまう頃には、そろそろ引退の見える齢であろう?」
何を悩んでおるのだと、低いところからあなたを見上げて怪訝な顔。
■カルラ > 常に壊すか紛失するので懐は寒いもの。
最終的には安く買えるものに行きつき負の連鎖だが、それを止めるだけの収入がないので悪循環。
そして適当に剣を手にしたところでかけられた声に視線を向け。
「そんなところよ。良い物は値が張るから買えないんだ」
誰だと視線を向けると口元を鉄扇で隠してやってくる人影。
長い尾を見ては獣人かミレー族か、後者なら堂々として度胸があるなと呆れも混じる視線を向け。
「そんな金があったら業物を一本買ってる。
元手がないから買うものに悩んでるんだ」
店ごとと言う言葉に金がないと一言。
それにそんな金があればそもそもに贅沢をせずに生きればそれなりに暮らせるだろうと。
金が有り余る人の理屈を告げる相手に呆れた目を向けて。
■ナナキ > 「かかっ。だったら徒手空拳で稼いでみるしかあるまいよ。
店主も商売で武器を卸しておる。無論、儂もな」
楽しそうに笑いながら、扇をしまう。
ふむとカルラの姿を見聞し少し考えて。
「では問いを重ねようか、剣士どの。
頑丈な業物が一振りあれば、その一本で幾ら稼げるのだ?」
ゆらゆらと尾を揺らしながら、じっと見定めるように目を鋭くする。
「後払い…週ごとの割賦契約であれば一本卸してやらんでもないぞ。
儂は魔道具の細工をしておる。武具への付呪もな。
それなりに値は張るものだ。逃げぬように呪いはかけさせてもらうし。
必ず支払ってはもらう。もちろん、それを試してから決めてくれて構わんが」
能力が見合うなら業物でいくらでも稼げるだろうと。
「それとも、ただ武器を壊してしまうだけの、なまくら戦士かね?」
■カルラ > 「その辺のゴロツキ程度ならそれもできるけどな。私が相手してる奴に素手は自殺だよ。
それがわかってるから値切りはしてねぇよ」
楽しそうに話す相手に、商売だからこそ普通はやる値切りはしていないと返し。
自分を見て何か考える姿を見下ろして。
「頑丈な業物があればか?その時次第になるな。
賞金首や討伐報酬が掛けられてる魔物を狩れば稼げるな。
けど、そんなのはゴロゴロもしてないから、何ともな」
賞金稼ぎではあるが、賞金首など早々いないので普段は冒険者としての魔物、魔獣狩りが主。
その辺りは報酬もピンキリなのではっきりとした額は判らないと言い切り。
「週ごとの割賦契約な……助かるが払えなかったらどうするつもりだ?
へぇ、魔道具細工師ってことか。武具に出来るって事は腕はいいんだな。
そりゃ良いモンを渡して逃げられたら商売あがったりだ。そのぐらいは文句は言わねぇよ。
そこまで言うならその武器に自信があるってことだしな」
話を聞けばこちらに特が多いように聞こえるが、逃走防止などもきちんとしている。
それを聞けば腕前に自信があるというのがよくわかり。
「こいつで硬いのが売りの魔猪を狩れるなら上等だと」
そう言っては腰に下げていた折れた剣を鞘ごと差し出し。
よほどの腕がなければ倒すどころか一撃目で刀身が折れる耐久しかないそれ。
それで倒せるという腕前を示して。
■ナナキ > 「払えなかったら?」
少年は首を傾げた。
「弱気なことを言う。だが、そうさなぁ。
もし支払えなければ、一晩で折よく稼げる店に勤めてもらうことになる。
少々肌を出す格好をして、金払いの良い御仁を相手することになるが…
嫌なら契約をよう確かめて、署名をすることだな」
もしもの時にも温情はない。冒険者や賞金稼ぎに割賦契約というだけで冒険だ。
明日には死んでいるかもしれないし、そうなれば回収できる金もすくない。
「もしかして、そなたは剣をこん棒か何かと勘違いしているのではないかね?」
受け取った剣を抜いて、半ばで断ち折れたことを確認。
当たり負けしなければ相当強くぶん殴ったのだろうと少し引き気味。
「まあ、それならよかろう。あとはこちらの商品を試してだな。
その気ならついてまいれ。店主、邪魔したな」
そういうと、少年は踵を返した。冷やかしにと、いくらかのゴルドをカウンターに置いて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からナナキさんが去りました。
■カルラ > 「依頼が全くない時もあるんだよ、儲けがないと払えないだよ。
…どう聞いても娼館だろ、それ。
契約はこれでもきっちりと確認する方だよ、そうしないと賞金を払わないやつがいるからな」
そういう支払いをするつもりはなく、その時は地道に薬草でも集めるかと考え。
自分のようなものは失敗は死が多い、なので契約はきっちりとみると。
「切れ味も終わってるだけだろ」
切れない剣は鈍器と変わらない。
研ぐにも限度があり、手入れをしても厚い毛皮と筋肉相手に敵わなかっただけ。
そしてついて来いと言われるとせっかくなのでついていくことにして。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からカルラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──くぁーああぁぁ……」
まだ日の高い時間帯。
大欠伸を漏らしながらふらりと冒険者ギルドのロビーに足を踏み入れる、金髪の男が一人。
周囲を軽く見渡してみるが、すでにピークの時間は過ぎているらしく人影はまばら。
現れた男に幾つか視線が向くも、特に用向きがある者もいないのか、程なく各々の用事に戻ってゆく。
そんな光景にフンス、と小さく鼻を鳴らしながら、とりあえず依頼やパーティ募集等の貼り出されている掲示板の方へと足を向けた。
ピーク時は多くの冒険者でごった返すそこも、今は男以外誰もおらず。
「さぁーて……なんかおもろそうな依頼とかはありますかいのぅ……時間的に、時既にめぼしいところは持ってかれてそうだが……」
顎に手を当てて独りごちながら掲示板の前に一人立ち、並ぶ掲示物を暇そうな顔で眺め回し。